サクラマス(Oncorhynchus masou)
1 主なサクラマスの生息地
2 サクラマスのルックス・表情
3 サクラマスの運動能力・賢さ
4 サクラマスのサイズ
5 サクラマスのライフサイクル
6 サクラマスを狙うならココ
- 支笏湖(石狩管内千歳市)
- 洞爺湖(胆振管内洞爺湖町)
- 然別湖(十勝管内鹿追町、上士幌町)
- その他、全道のダム湖
ランドロックサクラマスについては、
基本的に、北海道と本州で違いはないと
言っていい。
北海道は、フィールドの環境が素晴らしく、
ベイトが豊富な湖が多い。
そのため、ベイトを飽食した個体は、
とりわけ体高がある「板マス」体型へと成長。
とびきりパワフルなファイトで
アングラーを楽しませてくれる。
回遊型のシルバーメタリックに輝く魚体は、
芸術的とさえ言えるだろう。
キリっとした表情も、とても印象的だ。
秋になると、サクラマスの装いにも
変化が見られるようになり、
うっすらとピンク色の婚姻色が浮かんでくる。
私は、この秋色に染まったサクラマスには
いつもうっとりしてしまう。
過去に出逢った、本州の美しい秋色ヤマメを
思い浮かべながら・・・
サクラマスのファイトは、
いわゆる「ローリング系」だ。
それは、ここ北海道でも一緒。
「鱒」の中では、
ややパワーに劣る印象があるのは事実だが、
大型の個体が数多く生息する
北海道のフィールドでは、
ファイトの物足りなさを感じる場面は少ない。
また、とても「賢い魚」というイメージが強い
サクラマスではあるが、北の大地では、
大胆さの方が目立つ印象さえある。
ここ北海道でも、本州のフィールドと同様に
20cmクラスの「銀毛ヤマメ」と呼べる
サイズも生息しているが、大型のものでは、
70cm超の個体も確認されている。
アベレージサイズは、
然別湖は30cm程度と小さめ、
洞爺湖は50cm程度で大きめと
フィールドによって差があるのが面白い。
ランドロックのサクラマスは、
冬の間もサビることなく、
シルバーメタリックな魚体をしている。
「越冬」という概念はなく、
冬の間もベイトを捕食し続けている印象だ。
春の禁漁期間を経て、
夏場に向け、
最高のコンディションを維持している。
8月中旬を過ぎる頃から、
成熟した個体は産卵を意識するようになって、
体色にも変化の兆しが。
秋を迎える頃のサクラマスは
非常にナーバスで、チェイスはあっても、
ヒットまで持ち込むのは簡単ではない。
9月~10月には、
流入河川を遡上し産卵するのだが、
私の経験では、そこで一生を終える個体と
湖水に戻って体力の回復を図る個体が
いるように思える。
残念ながら、
ランドロックサクラマスに特化した
学術的な研究結果の報告が見当たらないので、
確定的なことは言えないのだが・・・
洞爺湖
北海道内では、
ランドロックサクラマスのフィールドとして
最も有名なのが洞爺湖。
かつては
70cmオーバーがランディングされ、
定置網には80cmオーバーが掛かったという
報告がなされるなど、一大ムーブメントを
起こしたフィールドだ。
近年、主役の座はニジマスにとって代わられ、
サクラマスの釣果は低調だが、
それでも、一発の魅力を秘める
フィールドであることに違いはない。
釣りができるのは、
6月~8月と12月~3月の2シーズン。
秋色サクラマスにチャレンジできないのは、
やや残念だ。
サクラマスに出逢えるチャンスが大きいのは、
6月と12月の解禁直後と、
強風でベイトが岸寄りしやすい3月。
日の出直後の時間帯に
波の当たるカケアガリを徹底して狙えば、
ヒットの確率は格段に上がるだろう。
有珠山を望む素晴らしいロケーションの中、
ロッドを振れる幸せを感じながら
のんびりと釣りを楽しみ、
魚の気配が薄い日中は、
湖畔のおしゃれなカフェで過ごすスタイルも
おススメだ。
なお、ここ洞爺湖は、漁業協同組合によって
禁漁区や禁漁期間、入漁料などの
ルールが整備されているので、
ホームページ等で確認してからのエントリーを
お願いしたい。
▼ 洞爺湖漁業協同組合のホームページはこちらから
また、北海道では、ヤマメの禁漁期間が地域ごとに設定されていますので、禁漁期間中は、ランドロックサクラマスを狙って釣ることはできません。
ヒットした場合は、すぐにリリースしてください。写真撮影などを行っていると「採捕」したとして、罰せられる恐れがありますので、誤解を招くような行為は控えましょう。
なお、北海道内におけるフィッシングルールは、北海道のホームページで確認することができます。