ミヤベイワナ(Salvelinus malma miyabei)
![ミヤベイワナ(Salvelinus malma miyabei)](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-14-1024x683.jpg)
ミヤベイワナ(Salvelinus malma miyabei)
1 ミヤベイワナの生息地
2 ミヤベイワナのルックス・表情
3 ミヤベイワナの運動能力・賢さ
4 ミヤベイワナのサイズ
5 ミヤベイワナのライフサイクル
6 ミヤベイワナを釣る
然別湖及びその流入河川(十勝管内鹿追町、上士幌町)
![霧に覆われた早朝の然別湖](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/shikaribetsuko-300x200.jpg)
霧に覆われた早朝の然別湖
ミヤベイワナは、オショロコマの亜種。
学術的には同じ分類でも、
オショロコマより大型化することもあってか、
表情はやや大人びている印象。
だが、河川に生息する個体に関して言えば、
見た目だけでオショロコマと見分けることは
困難だ。
一方、湖に下った個体は、
オショロコマというより、
ドリーバーデンに近いルックスと
言えるだろう。
![銀ピカの魚体が然別湖のスタンダード](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-28-1024x683.jpg)
銀ピカの魚体が然別湖のスタンダード
特徴的なのは、
然別湖に生息するミヤベイワナが、
底石の色や湖水の水色の影響で、
ブラウン、グリーン、ブルーといった
さまざまな体色に変化していくことである。
![ブラウンバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-26-300x200.jpg)
ブラウンバック
![グリーンバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-24-300x200.jpg)
グリーンバック
![ブルーバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-10-300x200.jpg)
ブルーバック
とりわけ、水温の上昇に伴い、
水深10m以下に潜ったミヤベイワナは
背部が徐々に澄んだ青色に変化していく。
こうした個体は「ブルーバック」と呼ばれ、
その感動的な美しさは、
見る者を魅了してやまない。
私は、この魚以上に
美しい魚に出逢ったことがない。
そう断言できるほど、心を動かされる魚だ。
![エメラルドグリーンに近い発色のブルーバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-08-1024x683.jpg)
エメラルドグリーンに近い発色のブルーバック
「ブルーバック」をはじめて手にしたとき、
心がブルブルと震えるのを確かに感じた。
「鱒」を愛するアングラーなら、
ミヤベイワナに出逢った瞬間、
いままで体感したことのない
心震える感覚を
味わうことができるに違いない。
![釣りあげてすぐに色褪せていく](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-07-300x200.jpg)
釣りあげてすぐに色褪せていく
ミヤベイワナの運動能力や賢さは
基本的にオショロコマと
大きくは変わらないと言っていい。
ただし、然別湖というフィールドに限れば、
オショロコマより大型の魚が多いため、
動きにスピード感のある個体が多い印象だ。
それでも湖に同居する
ニジマスやサクラマスの機敏さと比較すると、
かなりのんびりとした印象ではあるが、
水面近くで繰り出すハイピッチの首振りに、
アングラーの多くが
手を焼くことになるだろう。
![30cmを超えると力強いファイトをするミヤベイワナ](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-23-1024x683.jpg)
30cmを超えると力強いファイトをするミヤベイワナ
また、止水であることや
通常の透明度が高いことも影響してか、
ルアーに対しての学習能力は、
オショロコマよりも圧倒的に高い。
現に、アクションが単調なルアーは
動かし方を工夫しないと
すぐ見切るようになるし、
一流し目と二流し目の反応は明らかに異なる。
それでも、他の「鱒」に比べれば、
口を使わせやすいことは事実で、
魚のポジションをしっかりと把握し、
きちんとルアーを通せれば、
ヒットへ持ち込むことは可能だ。
![フィットすればこんな美しい魚体を手にできる](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-25-300x200.jpg)
フィットすればこんな美しい魚体を手にできる
然別湖に生息する
ミヤベイワナのアベレージは、
およそ30cmと言ったところか。
![アベレージサイズのグリーンとブルーの中間色](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-12-300x200.jpg)
アベレージサイズのグリーンとブルーの中間色
過去に、50cmを超える
大型がキャッチされた実績もあるが、
近年、40cmオーバーをキャッチするのは、
容易ではない。
実際、秋に川を遡上する
ミヤベイワナを観察しても、
40cmオーバーはかなり稀だ。
湖では、岸近くのカケアガリに
35cmを超える大型が
居付いているケースがしばしば見られ、
その大部分が茶色の魚体をした
「ブラウンバック」である。
![体色は地味だが大型が多いブラウンバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-31-300x200.jpg)
体色は地味だが大型が多いブラウンバック
逆に、15cm前後の小型魚を
湖で見かけることは少ないので、
おそらく、多くのミヤベイワナは、
小さいうちは河川で生活し、
その後、湖に下ってくると予想される。
ただし、ミヤベイワナの生態については、
まだまだ謎めいた部分も多く、
学術的な研究も継続的に進められている。
![謎めいた魚 ミヤベイワナ](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-22-1024x683.jpg)
謎めいた魚 ミヤベイワナ
<12月~5月>
冬期間に実施されている氷上穴釣りで
キャッチされた個体の様子からは、
多くのミヤベイワナは、
冬を迎える前には湖水に戻り、
湖で越冬していることをうかがわせる。
ただし、秋の産卵に参加した個体が
どのタイミングで湖水に下ってくるのか、
未知の部分も多い。
![厳冬の北の大地](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/setsugen-300x200.jpg)
厳冬の北の大地
<6月上旬>
グレートフィッシング然別湖
ファーストステージが解禁を迎えるこの季節、
表層水温は、
10℃に届くかどうかという低水温。
ミヤベイワナは、
シャローレンジを回遊したり、
カケアガリに張り付いたりして、
ベイトを捕食している。
カケアガリの魚は、
ほとんどがブラウンバック。
そこそこに回復している個体も多くいて、
35cmを超えるオスの個体は、
鼻が曲がったイカツイ面構えで
アングラーを迎えてくれる。
![ちょっとワルそうなブラウンバック](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-27-300x200.jpg)
ちょっとワルそうなブラウンバック
一方、沖目を回遊する魚は、
まだまだスキニーで、
発色も地味な個体が多い。
![スキニーなミヤベイワナのファイト](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-06-300x212.jpg)
スキニーなミヤベイワナのファイト
<6月中旬>
グレートフィッシング然別湖解禁から
約10日~2週間を迎えるころ、
多くのミヤベイワナが、
カケアガリから沖に向かって
徐々に離れていく。
カケアガリに残った個体は、
さらにコンディションを回復し、
ワカサギを追い回す光景を目にすることも。
沖目に移動した個体は、
体色が徐々にブラウンからグリーンに
変化していき、その過程で、
オリーブ色を呈する個体もいる。
![オリーブ色のミヤベイワナ](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-13-300x200.jpg)
オリーブ色のミヤベイワナ
表面水温の上昇に伴い、
魚たちは徐々にレンジを下げていくが、
それでも水深3~5mあたりのレンジを
回遊している個体が多い。
この頃になると、
ミヤベイワナのコンディションも
全体的に上昇傾向を見せ、
いわゆる「ミヤベイワナ」らしい
グリーンバックの個体に出逢える確率も
上がってくる。
![ダークグリーンの体色が特徴的](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-04-300x212.jpg)
ダークグリーンの体色が特徴的
<6月下旬>
この頃、然別湖で暮らすミヤベイワナの
ほとんどがカケアガリから離れ、
沖目を回遊するようになる。
レンジも、気象条件によっては
水深10m前後まで下がり、
アングラーたちを混乱に陥れることも。
一方で、魚のコンディションはさらに回復し、
グリーンバックを中心とした、
見事な魚体にお目にかかれるようになる。
![コンディション良好](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-01-235x300.jpg)
コンディション良好
また、ごく少数ではあるが、
ブルーバックの個体が
姿を見せるようになるのもこの頃。
ブラウン、グリーン、ブルーという
3色のミヤベイワナを
1日でキャッチするチャンスは
この季節だけだ。
![ブルーバックが最大の難関](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-11-1024x683.jpg)
ブルーバックが最大の難関
<7月上旬>
表面水温が18℃を超える頃、
ほとんどのミヤベイワナは、水深10m以下の
レンジを回遊するようになる。
そして、魚たちは
だんだんと体色をブルーに変え、
中には、まるで瑠璃色と呼んでもいいような
美しい個体もいる。
そんな1尾に出逢えたら、本当に感動的だ。
レンジが深い分、
キャッチするのはかなり難しいが、
ブルーバックのミヤベイワナと出逢うなら、
この季節をおいてほかにない。
![青みが強くなったミヤベイワナ](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-09-1024x683.jpg)
青みが強くなったミヤベイワナ
<7月中旬~9月中旬>
グレートフィッシング然別湖の
ファーストステージと
セカンドステージの間にあたるこの期間、
ミヤベイワナは、適水温を求めて、
さらに深いレンジを回遊しているのであろう。
魚群探知機のデータから、
8月には、水深15~20mあたりを
ミヤベイワナは回遊しているのではないか
という説もある。
<9月中旬~9月下旬>
グレートフィッシング然別湖
セカンドステージが開幕するこの時期、
ミヤベイワナの一部は湖水を離れ、
流入河川に遡上を始める。
湖水に残ったミヤベイワナの多くは、
まだまだ水温の低いディープレンジを回遊。
ただ、遡上を意識してか、少しずつ
シャローレンジに移動してくる個体群もいて、
魚のポジションが掴みづらい季節となる。
![秋色に身を染めた個体もヒットし始める](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-19-300x200.jpg)
秋色に身を染めた個体もヒットし始める
魚のコンディションは、1年でもっと良く、
幅広な健康体が目立つのもこの時期の特徴だ。
まだまだ遡上を意識していない
「ブルーバック」っぽい個体に出逢える
チャンスも残っている季節と言えよう。
![ブルーっぽい!?](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-15-167x300.jpg)
ブルーっぽい!?
<10月上旬>
グレートフィッシング然別湖
最終盤となるこの季節、
多くのミヤベイワナが流入河川に遡上し、
湖水に残る個体がだんだんと減少。
遡上前の個体も徐々に成熟度を増し、
やがて婚姻色を呈するようになって、
だんだんとカケアガリを意識して
行動するようになる。
![秋色のミヤベイワナ カラフルな魚体が印象的](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-17-1024x683.jpg)
秋色のミヤベイワナ カラフルな魚体が印象的
この秋色のミヤベイワナ、
「どうしたら、こんなあでやかな姿に
なるのだろうか」と思ってしまうほどの、
神秘的な美しさを放つ。
☆ 然別湖
グレートフィッシング然別湖として
毎年50日限定で解禁されるこのフィールド。
ボートフィッシングをメインに
指定区域では岸釣りも楽しめる。
![ボートフィッシングでヒット!](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-05-300x225.jpg)
ボートフィッシングでヒット!
入漁料やボート代などが必要になるが、
しっかりと管理された釣り場なので、
女性や子どもも
安心してエントリーできるのが魅力だ。
管理された釣り場と言っても、
そこで釣れる魚はネイティブ&ワイルドだけ。
もちろん成魚放流魚なんて存在しないから、
アングラーには、美しい「鱒」との出逢いが
待っている。
ビギナーからエキスパートまで、
幅広いアングラーが楽しめる
北の大地「北海道」では、
とても貴重なフィールドと言えるだろう。
![ミヤベイワナは、それにしても美しい「鱒」だ](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-03-1024x683.jpg)
ミヤベイワナは、それにしても美しい「鱒」だ
「とにかくミヤベイワナを釣りたい」
というアングラーは、
6月のファーストステージ開幕直後を狙おう。
ミヤベイワナのレンジが浅いこの時期は、
特別なスキルがなくても、
比較的に簡単にミヤベイワナに
お目にかかることができるはずだ。
この時期なら、ルアーはミノーでも
スプーンでもスピナーでもなんでもあり。
カラーも選ばないから、
自分のお気に入りのルアーで
チャレンジしてほしい。
![6月の解禁直後はブラウンバックが多い](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-16-300x200.jpg)
6月の解禁直後はブラウンバックが多い
「ブルーバック」に出逢いたいなら、
6月下旬~7月上旬の
ファーストステージ終盤か、
9月中旬の
セカンドステージ開幕直後がオススメ。
ブルーバックをキャッチするには、
ルアーをしっかりとカウントダウンし、
水深10m前後のレンジを
安定的にトレースする技術が必要だ。
そのためには、
15g以上のスプーンは必須アイテム。
風向きを計算に入れながら、ボートを
的確に操船するスキルも求められるから、
しっかりと戦略を立てて、
トライする必要があるだろう。
![体側に青色が浮かぶ個体もいる](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-21-300x200.jpg)
体側に青色が浮かぶ個体もいる
「秋色」のミヤベイワナに出逢いたいなら、
10月上旬のセカンドステージ最終盤がいい。
秋色の個体を狙って釣るのは簡単ではないが、
成熟した個体が集まるスポットを
探し当てるまで、徹底的にラン・ガンするのが
キャッチへの近道だ。
未成熟のミヤベイワナやニジマス、
サクラマスのアタリはすべて捨てて、
「秋色」だけを集中的に狙う精神力も
キャッチするためには必要となるだろう。
![ダークグリーンとオレンジのベースにピンクとブルーの水玉を散りばめた然別湖の宝石](https://troutparadise-hokkaido.com/wp-content/uploads/2018/05/miyabe-18-1024x683.jpg)
ダークグリーンとオレンジのベースにピンクとブルーの水玉を散りばめた然別湖の宝石
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