晩夏の鱒に翻弄された一日

前回からつづく)

気持ちを入れ直して
次に向かったのは、
尻別川支流のルベシベ川。

国道5号線を走りながら
いつも川を横目には
見ていたのだけれど、
この川で釣りをするのは
これがはじめてのこと。

本流とつながっているのだから、
ヤマメも棲息しているはず。

そう踏んでの
エントリーであった。

だが、現地に着いてみると、
事前にイメージしていたものとは
明らかに川の様子が違っていた。

真新しい河川改修の跡が残り、
まるでその様子は、
都市部を流れる里川のよう。

水質が良いことは救いだったが、
少なくとも
大きな期待をかけるには
かなりの無理があったように思う。

それでも、
やってみないとわからないのが釣り。

例えば、
首都圏の河川で言うと、
桂川支流の菅野川。

人為的にいじられ過ぎていて
どう見たって期待できそうもないのに、
意外なほどクオリティーフィッシュが
数多く棲息している。

実際、
そんな騙し討ちフィールドが
世の中、ないわけでもない。

ここだって、
その可能性が
ゼロではないはずなのだ。

まずは、
危険が少なそうな橋の近くから
ソロっとエントリー。

目の前にある
小さな落ち込みに
ルアーをそっと投じてみる。

すると、
小さいながらも
ニジマスがヒット。

黒点が多い原始的な装いに
少しだけ期待が膨らむ。

その後も、
人為的なニオイのする
ショボいポイントから、
似たようなサイズのニジマスが
単発でヒットしてきた。

だが、
そこにヤマメの姿はなく、
しばらく歩くと、
この川の限界が見えてきた。

そこで、
深追いすることは避け、
川を上がる。

そして次は、
お隣の有名河川、
昆布川への移動を
敢行することにした。

昆布川に到着すると
普段よりも水量が多く、
ポイントがやや絞られている印象。

それでも、
見た目の川の雰囲気は悪くなく、
普通には釣れるのだろうと
楽観視するくらいの状況だったと思う。

ところが、、、だった。

先行者の直後を
追っかけているわけでもないのに、
丁寧なアプローチを続けても、
一向に魚からの反応がないのだ。

それでも、
ラン&ガンしていくうちに
ホットスポットに
遭遇するんじゃないかという
期待を捨てることはない。

小さなスポットも
いっさい手抜きすることなく
一つひとつのポイントを
丁寧に丁寧に探っていく。

すると、
ここでようやく
この川でのファーストヒット。

だが、
何の変わり映えもしない
30cmクラスのニジマスである。

冷静に言えば、
「何の変わり映えもしない」なんて
失礼極まりない表現なんだけど、
この時の気持ちを
最大限素直に表現しようとすれば、
これ以外の言葉を選択するのは
あまり適切ではないだろう。

相手へのリスペクトを欠く
こんな気持ちになるくらいだから、
撃てども撃てども
ヤマメがヒットしてこないもどかしさに
なんとなく
焦りを感じ始めていたのかもしれない。

その後、
未成熟のヤマメと
25cmクラスの
ブラウンがヒットしたが、
河原がないので、
写真も撮らずにその場で即リリース。

結局、昆布川の釣りは、
およそ満足とは言えないまま、
無念の終了となったのである。

その後も、
まるで悪あがきするかのように
いくつかの小河川を巡ってみた。

ニジマスの棲む川は
もうお腹いっぱいだったので、
ターゲットは
ヤマメとエゾイワナしか棲息しない川。

だが、やはり
こちらが期待するような
反応を得ることはできなかった。

いわゆる
労多くして何とやら。

う~ん、
やっぱり晩夏の釣りは、
本当に難しいな……。

そんな中、
唯一、このエゾイワナが
癒しを与えてくれた。

とりたてて
どうこうというレベルの魚では
なかったのだけれど、
コトがうまく運ばない時は、
そんな一尾が胸に染みるのだ。

小雨が降る中、
夕方までロッドを振り続けたが、
結局、後半の巻き返しはならず。

晩夏の鱒に翻弄された一日は、
こうして幕を閉じることとなった。

それでも、
自宅のPCとずっとにらめっこして
ストレスを溜めるくらいなら、
よっぽど充実した
一日を過ごすことができたと思う。

次こそは、
一投目から、
しっかりと心の準備をして
臨まないと、、、

そんな教訓を残した
強制休暇の一日だったかな。

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