混生の渓

週中、
オホーツク地方を流れる
晩秋の渓を訪れてみると、
そこはまさに
キノコ天国の様相。

ここは、
名前は以前から知っていたけれど
正真正銘、
初訪問の渓。

景色は
秋の終わりを感じさせ、
あとは
冬を待つだけ……。

目の前に広がっていたのは、
紅葉もピークを過ぎ
なんとなくもの悲しさすら漂う
大自然の情景であった。

今週は、
おそらく今年最後になるであろう
お気楽フリーウィーク。

さてさて
どこに出かけようかと
先週から
思案していたのだが、、、

ここ最近は、
事前情報皆無の
行き当たりばったり釣行こそが
私のお気に入りだ。

だから
家を出る時に決めていたのは
「オホーツク方面に向かおう!」
ということだけ。

あとは
景色を眺めながら、
ビビッと来たところで
車を停めて川を覗き込む。

そんなスタンスで、
おっさんアングラー約一名、
晩秋の一日をのんびりと
愉しむことにしたのであった。

はじめての川に
エントリーする時は、
すっかり歳を重ねた今でも
ワクワクドキドキ。

はたして
この流れに魚はいるのか?

いるとしたら、
どんな魚種が棲んでいるのか?

ビジュアルは
どんな感じだろうか?

サイズ感は
いか程なのだろうか?

こんなふうに
ドンドンと想像が
膨らんでいくのだから、
でっかい幼稚園生としては
行き当たりばったりの”冒険”を
いくつになっても
やめられないのである(笑)。

この川で
最初にヒットしたのは、
このエゾイワナ。

勝手なイメージとしては
「ここはニジマスの川かな?」
だったのだけれど、
そんな根拠のない妄想は
この一尾で
あっという間に否定されることに。

そうかそうか、
ここはエゾイワナの渓なんだな……

その時は
すぐにそう決めつけたのが、
ところがドッコイである。

次に姿を現したのは、
なんとこのオショロコマ。

えっ?ナニナニ、
この川って、
アメマスとオショロコマが
混生してるってこと???

この一尾で、
少しだけ頭の中が混乱……

でもでも、
答えを探すには
もう少しだけ
このまま釣り続けるしかない。

すると今度は、
同じポイントから
ビジュアルの印象が
大きく異なるオショロコマが……

アレッ?
いやー、もうー、
コレ、わけわからんって。

その後も、、、

エゾイワナ、オショロコマ……
エゾイワナ、オショロコマ……

こんな感じで
釣れ続く時間がしばらく続いた。

うんうん、
理由はわからないけど、
ここはこの2魚種が
折り合いをつけながら
うまいこと共存しているのだろう。

シンプルに
そう理解することを決めた。

これまで私は、
エゾイワナとオショロコマが
半々くらいの割合で
共存している環境に
出逢った経験が一度もない。

両者が同じ川に
共存していることはあっても、
大概は流域で棲み分けしているもの。
そんなふうに考えていた。

もちろん、
晩秋という時季が
こうした状況を生み出している
可能性は否定できない。

けれでも、
それにしても今回は
ものすごく新鮮な体験。

とても有意義な
人生勉強の機会になったのは
間違いないだろう。

ところで
この川のオショロコマは、
異常なまでに
歯が発達していたから不思議。

甲虫を偏食しているからなのか、
それともまったく別の理由があるのか、
想像してみるだけでも
それはそれで楽しいものだ。

うんうん、
今回の冒険は
これにて終了でもういいだろう。

あっという間ではあったけれど、
もう十分に満足。

さてさて、
時間が余った時にやることは
すでに心の中で決めてある。

ヨシ、
そろそろ水温も
イイ感じで上がってくる時間帯。
さあ行くぞ、あの本流へ。

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