休戦協定破り DAY1

この冬、
屈斜路湖畔に立ったのは、
年が明けてからのこと。

つまりは、
鱒たちとの間で結んだ
「1月2月は釣りをしない」
とする休戦協定を
一方的に破棄したことになる。

休戦協定を破ってまで
あえて年明けに
湖畔に立ったのには、
もちろん相応の理由が。

そう、ここ数年、
北海道にも押し寄せるようになった
温暖化の波が、
湖のコンディションに
はたしてどんな影響を及ぼしているのか、
自分なりに
肌で感じておきたかったからだ。

ここ10年、
秋の屈斜路湖における
トラウトたちの接岸は、
下手をすると1か月単位で
後ろ倒しになってきている実感がある。

15年、20年前は、
9月の下旬には徐々に岸寄りが始まり、
紅葉がピークを迎える10月半ばには
数多くの鱒たちが
岸近くのカケアガリまで
回遊してきていたものだが、
令和の時代に入ってからというもの、
10月にシャローエリアで見かけるのは
ほぼウグイとヒメマスだけ。

SNSから流れてくる
現地の様子を見ていても、
屈斜路湖らしい
ニジマスの釣果は
11月の中旬あたりに集中。

このことからしても、
夏季の極度な水温上昇が
鱒たちの行動に変化を生んでいることは
ほぼ間違いないのだろう。

実際、
私たちは例年
年末の釣り納めで
この屈斜路湖を訪れていたのだが、
年々、12月に釣れる
ニジマスのコンディションが
良くなっていると実感してもいた。

じゃあ、
1月はどうなんだ???
そんな疑問が湧くのは
至極自然なこと。

一方的な
協定破棄はいただけないが、
今回一回限り、
加えて明確な理由なあれば、
鱒たちも許してくれるのではないか。

まあまあ、
そんな勝手な考えは、
所詮、人間側の都合でしか
ないのだけれどね。

そんな
背景があった中でのDAY1。

湖畔に立ったのは
午後1時を過ぎた頃のこと。

この時季にしてはめずらしく、
穏やかな南寄りの風が
湖面にわずかな変化を
生んでいるような状況。

いや~、
これは結構厳しいんじゃないか。
そんな第一印象であった。

そんな悲観的展望をよそに、
手前のカケアガリを狙っていた
カミさんのロッドが
弧を描くまで
5分とかからなかったのには
少々驚かされた。

ヒットしたのは、
屈斜路湖ではおなじみのこの魚。

かつて阿寒湖から
人為的に持ち込まれた
個体の遺伝子が
少しばかり残っていそうな
ビジュアルではあったけれど、
ハイクオリティフィッシュであるのは
間違いないだろう。

風向きの関係で
湖底から温泉が湧くエリアの
比較的温度の高い水が
流れ込んできていたことが功を奏した。
そう考えるのが自然かもしれない。

だが、
ここからしばらくは
沈黙の時間が続くことに。

なんせ、
この時季の日暮れは早く、
午後3時を過ぎれば
終了時刻はすぐそこまで迫っている。
そんな季節感なのである。

そんな折、
ほんの数分だけだが
風が少しだけ強まる
瞬間が訪れた。

湖の釣りでは、
こうしたちょっとした変化が
魚を沖から岸へと
運んできてくれることがある。

そう、
この日もこの瞬間的な風が
明らかなゲームチェンジャーとなって
魚たちを岸へと
運んできてくれたようであった。

最初に沈黙を破ったのは、
マイロッドのほう。

ギラギラとしたファイトは
明らかにアメマスとは違ったのだが、
その感触は
かつて本州のリザーバーで
得ていたものとほぼ同じ。

そう、
この魚である。

このランドロックサクラマスも
屈斜路湖ではおなじみの魚だが、
従前から12月よりも
1月に入ってからよくヒットしたもの。

だから
その点だけを切り取ってみれば、
15年前の湖の様子と
特に変化はないとも言えるだろう。

ちなみに釧路川を介し
海とつながっている屈斜路湖で
ヒットするサクラマスに関しては、
ランドロックなのか、
それとも遡上魚なのか、
ヒリヒリとした事情があるのも確か。

現状における
私のなりの理解および対応については、
DAY2投稿の最後に
書き添えておこうと思う。

そんなこんな
ランドロックサクラマスの
写真を撮影していると、
なにやら後ろで
魚が激しく暴れる音が、、、

とっさにネットを用意して
ランディングすると、
先ほどのランドロックサクラよりも
ひと回り大きいオスの
ニジマスであった。

何より屈斜路湖のいいところは、
釣りのキャリアに関係なく
ハイクオリティフィッシュを
手にできるところ。

最近は年に一回しか
ロッドを握らないカミさんでも、
こんなニジマスを
ほぼ毎年キャッチできているのだから
この湖のポテンシャルはスゴイ。

それはそれとして、
ランドロックサクラとニジマスが
ほぼ同時に接岸……

そうそう、
確かに15年ほど前にも
似たようなことが
よくあったっけな。

今年は全面結氷まで
もう少し時間がかかりそうだけれど、
この時季になって起こる特異な現象は
実は以前とあまり
変わっていないのかもしれない。

ただ、
魚たちのコンディションは
かつての1月のそれとは
完全に別物。

この時季、
ランドロックサクラの
コンディションがいいのは
以前からのことだが、
ニジマスのサビの出方は
昔とは違って明らかに穏やかだし、
激やせしたアメマスを見る機会が
極端に減ったことも
やはり印象的ではある。

まあまあ、
たった3尾、
しかも1魚種1尾ずつじゃ
なんもわかったものじゃないけれど、
それでもこの湖の実情に迫る何かしらの
ヒントにはなるじゃないかな。

そんでもって
この日の釣りは、
これにて終了。

意図せずランドロックサクラと
ニジマスのタンデム画像が撮れたのは
期待以上の
成果ではあったのかな、と。

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