単独河川でイトウを狙う

今週は、3週間ぶりに道北へ。

仕事と宿泊は、
日本最北のマクドナルドがあるまち。

このあたりの川には、
基本的にどこでもイトウは棲んでいる。

天塩川猿払川には
川のスケールで見劣るけれど、
楽しい釣りが成立しないわけではない。

だから、今回は少しだけ肩の力を抜いて、
道北の単独河川でイトウを狙うことにした。

1日目は仕事で、時間が余ったら釣り。
2日目は久しぶりの完全自由時間。
早朝から昼くらいまで釣りをして、
夕方までに帰るプランで臨む。

初日、カラダが空いた時には、
外はもう日が暮れかけていた。

時計の針は、まだ16時を
少しばかり回ったところだというのに、
最北の秋の日暮れは本当に早いものだ。

何とか30分はできるかな?

時間もないので、
勝手知ったるポイントに立つ。

ワンキャスト・・・

ツーキャスト・・・

魚がいれば勝負は早いはずなのだけれど、
バイトは訪れない。

17時を前にして、
空を包む光の量が極端に少なくなってきた。

「今日は、あと3キャストで止めよう。」

それからワンキャスト・・・

そして、ツーキャスト目のこと・・・

ロッドを握る手に、小さいストロークで
首を振る感触が伝わってきた。

そのファイトから、
小さいイトウであることは明らか。

それでも、そこは秋のイトウ。
サイズの割にファイトが強い。

ファイトをしている数分のうちにも
辺りはどんどん暗くなる。

ちょっと早仕掛けではあったけれど、
力勝負でランディングに持ち込んだ。

サイズ的には、
70cmくらいか、少し足りないか。

撮影を試みるも、光が足りない。
仕方なく、スマホでストロボ撮影したら
ブサイクな画像になってしまった。。

じっくりと蘇生させて、
イトウをリリースするころには、
暗がりが広がっていた。

2日目は、朝早くから川に立った。

風もあって雰囲気は悪くないが、
魚からの反応はない。

この時期だから、
春ほどはポイントを絞り込まずに
幅広く狙っていく。

10月も中旬だというのに、
まだ、河原のハマナスが
真っ赤な実をつけている。

イトウの棲む道北の大地も
季節の進行が遅れていることは
明らかだった。

それでも、昨夕、小さいながらも
イトウに出逢えたという事実が
なんとか集中力を持続させてくれる。

しかし、すっかり日も高くなり、
雰囲気がどんどん薄くなっていく。

そろそろ休憩でもしようかと
深呼吸しながら天を仰ぐと、
黒い雲がこちらにだんだんと
近づいてくるのがわかった。

最後のチャンスか・・・

こちらの期待通り、
太陽の光が黒い雲にさえぎられる。

それから、ロッドを握る手に
衝撃が訪れるまで、
そう時間はかからなかった。

首振りのストロークから
大型でないことはすぐにわかった。

それでも、強めに調整してあるドラグを
ジー・・・ジー・・・と鳴らす
強いファイトを見せてくれた。

フッキング位置を確認してからは
無理をせずに、少しだけ魚との距離を取る。

魚の突進が止まった瞬間、
間髪を入れずテンションをかけ、
一気にランディングに持ち込んだ。

サイズ的には、
80cmを少し超えたくらいだろうか。

手元に伝わる感触のとおり、
大型ではなかったけれど、
なかなかのファイトで楽しませてくれた。

秋のイトウは、
やはり強くて美しいのが魅力だ。

正直、サイズ的な物足りなさが
ないわけではない。

それでも、強くて美しい個体に
出逢えたことの方が
素直にうれしかった。

イトウの顔色をうかがいながら
写真を撮らせてもらう。

体色が薄くなってきたり、
瞳が中央に寄ってきたりしたら、
魚が弱ってきたことを表す重要なサイン。

そうならないよう、
魚に十分な酸素が供給されるような
態勢を確保しておけば、
撮影しているうちに、
自然と体力は回復していく。

この魚も、蘇生措置を施す間もなく
私に水を引っ掛けながら、
元気に流れに帰っていった。

イトウは、一旦スイッチが入ると
連発することが多い。

変化のあるポイントを丁寧に探っていると
すぐにアタリが来た。

サイズ的には、先ほどの魚と
ほぼ同じくらいだろうか。

これでもう満足。

そそくさとウェーダーを脱いで、
車に乗り込んだ。

予定より少し時間は早いが、
少しの充実感に浸りながら、
南へ向けて車を走らせる。

天塩川、どうなってるかな?

心に引っ掛かるものを感じたまま
最北の川を後にした。

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする