天塩川の洗礼

週中は、道北でお仕事。

例のごとく、早朝に家を出て、
「行き掛けの駄賃」を
天塩川にせびってみることにした。

途中、遠別町から天塩町にかけて広がる
海岸沿いの砂丘では、
ハマヒルガオがちょうど見ごろに。

地味な花なのだけれど、
この花を見ていると、
また「道北に来たんだな」などと
感慨深い気持ちになるのが
なんとも不思議でたまらない。

そんな心の余裕があったのは、
せいぜい朝の時間帯までだったと思う。

その後、立ち寄った天塩川で、
厳しい洗礼を浴びることに
なってしまったのだ。

そこは、昨年、
はじめてエントリーしたポイントで、
いままでイトウからの反応を得たことは
ただの一度もない場所だった。

それでも、大型のイトウが定位するのに
十分な条件は揃っていたから、
それなりの色気と集中力をもって、
キャスト&リトリーブを
繰り返していたつもりだったのだが・・・

ドン!

ジジジジジィィィーーー

それは、いよいよポイントの
核心部に差し掛かったところで起こった。

だが、明らかにイトウの挙動がおかしい。

およそ不意にスレ掛かりするような
狭いスポットではなかったが、
ロッドティップから伝わってくる感触は、
「痛っ! オイ、口じゃないぞー」
というイトウからのメッセージ。

止まらない暴走に
ただただ呆然とするほかない。

およそ100m近く、
ラインが引き出されただろうか。

ようやく勢いが衰えてきはじめた頃、
ラインテンションは「フッ」と消えた。

虚しさを抱えて回収したルアーには、
1枚のデッカイ鱗が・・・

その大きさは、
メーターをちょっと超えたくらいとかの
レベルとは明らかに違う。

きっと、反転してルアーを襲ったときに
ミスバイトになって、
勢いあまって背中あたりに
フッキングしてしまったのだろう。

残ったのは、もう少し丁寧に
リトリーブしていればという後悔の念だけ。

写真を撮ることも忘れてしまうほどの
大きな落胆に見舞われ、
もはやモチベーションの維持は困難。

この日は、天塩川を早々に
後にすることとなってしまったのだった。

翌日は、みっちりと
仕事の予定が入っていたから、
リベンジのチャンスがあるとすれば、
出張最終日の帰りがけのみ。

ふつふつと湧き立つ気持ちを
何とかおさえつつ仕事をこなす。

そして、帰りがけ、
少しばかりの時間を確保し、
天塩川と再び向き合うこととなる。

待っていたのは、厳しい現実と
お情け程度のご褒美だった・・・。

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