昨日は、週中に設定した全休日。
イトウ、ニジマス、ヤマメ。
週明けからターゲットをどうしようかと
どうにも決めかねていた。
週末に降った雨の影響で、
全道的に、川の水位はやや高め。
濁りはほぼ取れているから、
状況は悪くはないだろう。
ただ、ここ数日の全道的な猛暑の影響も
当然、考慮しなければならない。
検討を要するファクターが
いくつか絡み合っていたため、
迷いが生じていたのだ。
テレメータで水温を確認すると、
天塩川美深橋でなんと23℃台、
石狩川伊納大橋でも
20℃台を示している。
「ほとんどお湯じゃないか!」と
思わずため息をついてしまうような水温だ。
それを確認した時点で、
道北方面に向かう選択肢は消えた。
次に週間天気に目をやると、
北見や帯広は、
連日35℃前後の予報が。
これじゃ、水温云々以前に
人間の方がやられてしまう。
いろいろと情報を集めた結果、
ターゲットをヤマメに設定し、
後志(しりべし)、渡島(おしま)方面に
ひとまず車を走らせることを決めた。
でも、家を出発する時点では、
入渓する河川までは決まらず。
尻別川、長万部川など
いくつかの候補を頭に入れつつ、
まずは喜茂別方面を目指す。
喜茂別の分岐に
差し掛かるタイミングが、
決断の時だ。
先週の良いイメージがあったから、
近くに車を停めて
尻別川にエントリーすることも
ギリギリまで考えていた。
けれど、違う河川も
やっぱり気になる。
少し思案して、
結局、留寿都、豊浦を経由して
長万部川に向かうことを決断した。
現地に到着し、
橋の上から川をのぞき込むと
水質はクリアで、水位はやや高め。
パッと見た感じでは、
状況は悪くなさそうに見える。
ここ長万部川は、
私にとって"特別な川"。
まずは、釣果を度返しして、
川の雰囲気を楽しみながら、
ルアーをキャストしていく。
魚影が濃いとは決して言えない
長万部川ではあるが、
この日は、入渓点の大場所から
すぐに鱒から反応を得ることができた。
ヒットしたのは、なんとニジマス。
ジャンプ一発、
フックアウトしてしまったが、
この川でニジマスを掛けたのは、
たぶん27~8年ぶりだと思う。
当時のニジマスの末裔が
細々と命をつないできたのか、
はたまた、最近になって、
人為的に放流されたものなのか
定かではない。
それをうかがい知るヒントを得るためにも
できることなら
キャッチしておきたい1尾だったから、
アディオスという結果に
少しばかりの悔いが残る。
それでも、同じポイントから、
次のバイトが訪れた。
ヒットしたのは、アメマス。
サイズは30cmを
少し超えるくらいだけれど、
見た目的には、
居付きというよりも、
遡上魚っぽいルックスをしている。
サイズの割に
ホワイトスポットが大きい。
これは、総じて言うと、
噴火湾流入河川に共通する
傾向と言えるかもしれない。
そのまま釣り上がっていくと、
今度は、20cmクラスのヤマメがヒット。
やっぱり、ヤマメは大場所よりも
流速のある平瀬に入っていた。
ここから、平瀬を探っていくと
サイズは小さいながらも
ヤマメが断続的にヒット。
ルックスは、
釣れてくる個体ごとに
それぞれ特徴があるようだ。
よくてもせいぜい22cm程度と
サイズアップはしないから
どの個体も、表情にあどけなさを残す。
それでも、やっぱり夏ヤマメ釣りは
十分に愉しい!
その後も、鱒たちからの反応は
断続的に訪れた。
平瀬ではヤマメ、
たまに現れる大場所を丁寧に探れば
アメマスがヒットしてくるといった
展開がしばらく続く。
ヤマメのサイズが伸びないので、
今度は、少し下流のポイントに移動。
目の前に広がる大渕をのぞき込むと
なんとカラフトマスの群れが見える。
7月の長万部川で、カラフトマス!?
そんなこともあるんだなと
新しい発見に、驚きを隠せない。
ただ、カラフトマスの遡上を見つけて、
大型ヤマメへの期待が
シュ~っとしぼんでしまったのも
また事実ではあった。
仕方がないので
入渓点まで引き返そうとすると、
浅瀬に頭と骨だけを残した
カラフトマスの死骸を発見。
さらに、近くには、
大きく盛り上がった動物のフンが
2塊も残されている。
これは・・・
市街地からも離れておらず、
近くに民家もある場所だから、
少し油断していたけれど、
これはヒグマの痕跡に違いない。
フンの様子から、
さすがに今日とは言わないけれど、
昨日、一昨日くらいに
落としたものであることもうかがえる。
暑さでボーっとしていた意識が
一気に回復してしまうほどの緊張感。
写真を撮ろうかと少し迷ったけれど、
そこは身の安全が最優先と判断し、
すぐにタックルをしまい込んで、
逃げるように
その場を後にすることとなった。
確かに、夏の渓流釣りは
冒険みたいなもの。
派手な鱒たちの反応にドキドキする反面、
スズメバチやマダニなど
凶暴生物の活性も高いから
いろんな意味で心拍数が早まるのは
仕方がないことだろう。
けれど、今日の冒険は、
あまりにリアルすぎ。
さすがに、クマさんとの遭遇だけは
なんとしても避けたい。
本当は、
上流域にリエントリーする
予定もあったのだけれど、
あえなく断念。
すこしクールダウンしてから、
別の川で夏ヤマメに
再チャレンジすることを決めた。
(次回へつづく)