夏ヤマメは衣替えの真っ最中

昨日は、
約2週間ぶりの終日休暇。

今年最後になるかもしれない
ヤマメ釣りに出かけることにした。

ここ北海道では、
最近、まとまった雨が降っておらず、
どこの河川も渇水傾向。

しかも、季節は進んで
気がつけば
すでに8月も下旬なのだ。

これだけ悪い条件が重なると、
ピタリと読みが的中しない限り、
ハイクオリティーな
ヤマメに出逢うことは難しいだろう。

さて、どっちの方向に向かおうか?
ちょっと、悩んじゃうな……

少し悩んで出した結論は、
とりあえず尻別川や朱太川が流れる
後志(しりべし)方面に向かうこと。

尻別川は、
あちこちから湧水が流れ込んでいるし、
朱太川は、流域に広がる
ブナ林の保水力が高いため、
渇水するにしても程度はマシ。

ならば、魚の活性が
ある程度は保たれているはず。
そんなふうに考えたのだ。

ちょうど農作業がはじまる時間帯、
喜茂別町内を流れる尻別川に到着。

が、しかし・・・、だった。

予想以上に水位は低いし、
お決まりのエントリー場所には
アングラーのものとおぼしき車が
すでにたくさん停まっている。

う~ん、チビニジならまだしも
これじゃあ、良型ヤマメは期待薄。

ならば、もはや
ここにとどまる理由はないだろう。

そうと決まれば、やることは一つ。
タイムロスを覚悟で、
黒松内町内を流れる
朱太川に向かうことを決断したのだった。

喜茂別から1時間ちょっと走って、
無事、黒松内に到着。

橋の上から川を見る限り、
渇水はしているが、
ノーチャンスではなさそう。
そんな印象であった。

早速、下流域の
お気に入りのポイントへと向かうと、
幸い、そこにアユ師の姿はない。

よし、まずここで気球を上げてみて、
川の状況を推し量ることにしよう。

準備を整えて、
早速、川に降りてみる。

いつも思うことだが、
これだけ渇水していても
川がまったく死んでいない。
さすがは、朱太川といったとこか。

やっぱり、地域の人々が
北限のブナ原生林を
昔から大事にしてきた証しだろう。

そのとなり町で、
電源立地地域対策交付金を目当てにした
高レベル放射性廃棄物
最終処分場誘致関連の動きがあるのは、
なんとも皮肉なこと。

一度手を付けたら
未来永劫、
依存し続けることになるであろう
"麻薬"なんかに手を出す前に
地元に眠れる資源をもっと発掘して
まちの存続を目指す努力を
地道に積み重ねていけばいいのに…

つい、そんなことを思ってしまう。

閑話休題、
まずはチャラ瀬に出て、
水に手を突っ込み水温を確認。

肌感覚で、およそ17℃。
渇水状況の割には、
悪くない水温だろう。

そんな好感触を携え、
いつも期待に応えてくれる
ボサ際のポイントへとルアーをキャスト。

ところが、
ヤマメからの反応はない。

周囲のポイントも丁寧に探ってみたが、
やはり結果は同じ。

結局、何事も起こらないまま、
お気に入りのポイントを
離れることになってしまったのである。

季節が進んで
下流域から魚が抜けてしまったのか、
はたまた、低水位の状況が続いて
魚の着き場が大きく変わったのか。

ヤマメからの反応が得られない理由は、
おそらくそのどちらかであろう。

そう推察し、
今度は、近くのチャラ瀬が続く
ポイントにエントリー。

すると、その数投目、
この日、初のヤマメのバイトを
とらえることに成功した。

ところが、
魚とつながってから
5秒もしないうちにフックオフ!

もちろん、
やっちまった感はあったが、
これで、ひとつの
ヒントが得られた意味は大きい。

続くチャラ瀬にルアーを投じると、
すぐに次のバイトが訪れる。

寄ってきたのは、
26~27cmくらいのヤマメ。

サイズも悪くないし、
この時季の一尾は、
釣りにくいシーズンだけに
いつも以上の喜びが湧いてくるものだ。

それにしてもこの魚、
体高があって、幅が広い。

道外では、
しばしば見かける幅広ヤマメであるが、
ここ北海道では
さすがにここまでの
体高を誇る魚はめずらしい。

それともうひとつ、
このヤマメ、
もう夏ヤマメと呼ぶにはふさわしくない。

顔は、こんなふうに
夏ヤマメの肌艶を保っているのだが・・・

よく見ると、
鼻先も少し尖ってきているし、
体色のトーンも落ちてきている。

ただいま、衣替えの真っ最中!
そんな表現がぴったりの
姿態をしていたと思う。

いや~、イイ魚!
あと一尾、こんなヤマメが釣れたら、
きっと満足するだろうな。

ところが、
そうは問屋が卸さない。

チャラ瀬を外すと、
沈黙の時間は続いた。

なんで、チャラ瀬だけ?

ここまで魚のポジションが偏っていると、
当然、そんな疑問も湧いてくる。

そこで、深瀬や淵を
じっくりと観察してみることに・・・

するとどうだろう、
遡上魚が底が見えないほどの密度で
ポイントを占拠しているではないか。

そうか、
日本海河川だからと少し油断していたが、
ここもこういう状況なんだ。

どうりで
アユ師を見かけないはずだ。

まあ、これでわかった。
チャラ瀬がいいんじゃなくて、
チャラ瀬しか居場所がないんだ。

ここまで情報が揃えば、
あと、やることは一つ。

条件が揃ったポイントを
ひたすらに探せばいいのである。

ただし、この朱太川、
先ほど反応があったスポットに似た
チャラ瀬のポイントが少ないのだ。

だから、
車を停めては川を眺める。
ひたすら、これの繰り返し。

そして、
ようやく行きついた狭い流域で
ついにプチパラダイスを
発見したのであった。

次回に続く)

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