年末恒例の釣り納め DAY3

DAY2からつづく)

この日は、平成最後の大晦日。

それよりなにより、
夜中に降った雪の量が気になる。

外に出てみると、
あちこちに大きな吹き溜まりができていて、
駐車場に停めてあった車も
半分くらい雪に埋もれていた。

ただ、相当に吹雪いたことは事実でも
降った雪の量はさほどではない。

期待と不安が入り混じったまま、
この日、エントリーを予定している
ポイントへ向かう。

ポイントへ向かう道中、
除雪車が何台も行き交い、
至る所に吹き溜まりができていた。

それでも、予定していた駐車スペースは
むしろ雪が吹き飛ばされたくらいで、
車を置くのに支障は全くないし、
除雪作業の邪魔になる心配もない。

これなら、
なんとかエントリーはできそうだ。

いくつもの吹き溜まりを徒歩で乗り越え、
湖畔林までたどりつくと、
その先に大きな障害はもう無い。

額に少し汗がにじむ程度の力で、
思いのほか労せずして
目指すポイントに到着した。

ちょっとした風裏となるその場所は、
時折、風花が舞うときもあるけれど、
予報どおり、天気は概ね回復傾向。
冬の嵐は収束する方向に向かっていた。

ここまで姿を見かけることがなかった
オオハクチョウの出没も、
そのことを裏付けているようだ。

それでも、リトリーブ中のルアーが
湖流にかむ感触もしっかりと残っていて、
魚の岸寄りを期待できる状況。

さらに、吹雪の影響で、
前日、この場所にアングラーが
エントリーすることは
およそ不可能であっただろうから、
魚が溜まっている可能性だってある。

今、目の前にある状況は、
客観的に見ても、期待は十分。

自宅に戻る予定のこの日、
午前9時までの限られた時間しか
残されていないから、
少し早めではあったが、
まだ夜が明けきらない午前6時半に
釣りをスタートした。

スタートして5分も経たないうちに
足元のカケアガリで、
「ココンッ」と魚からのコンタクトがあった。

思いっきりアワセを入れると、
期待に反して、さほどの抵抗もなく、
水面を滑るようにニジマスが寄ってきた。

サイズは、およそ40cm。

屈斜路湖らしい美しい魚ではあったが、
贅沢を言うならば、
もう少しサイズアップしたいところだ。

それから数分も経たないうちに
今度はカミさんのロッドが曲がる。

少なく見積もっても、
どうやら40cmということはなさそうだ。

しばらくのファイトの後、
無事にランディング成功。

計測すると、
少しサビの出たオスの52cm。

ここまでの魚のクオリティーが高かったので、
これでもちょっと
物足りなさを感じてしまうけれど、
十分に素晴らしいニジマス。

そっとリリースして、
すぐにキャストを続ける。

ここまでは、
概ね期待どおりの展開だったのだが、
ここでしばらくアタリが途絶える。

それでも、湖の雰囲気は
相変わらず良好で、期待は十分。

そして、期待どおり、
およそ1時間の後、
私のロッドが曲がった。

ただ、ファイトにスピード感がない。

ゆっくりとランディングすると、
正体は、57cmのアメマス。

それでも、この時期にしては
コンディションは悪くなく、
全体に黄色味がかった
屈斜路湖のアメマスらしい特徴が出ていた。

例年、ニジマスと同じか
それ以上の数、姿を見せてくれるアメマス。

今年は、なぜかここまで
それらしきアタリすらなかったのだけれど、
ようやく最終日にして、姿を現してくれた。

産卵からの回復途上にあたるこの時期、
屈斜路湖のメインターゲットではないのだが、
すでにある程度コンディションを回復した
アメマスの姿を見られれば
決して悪い気はしないものだ。

この時点で、時刻は8時30分。

チェックアウトのため
宿まで戻る時間も考慮すると、
釣りができるのは、
せいぜい残り30分といったところ。

でも、この日は、
2018年の本当の釣り納め。

だから、悔いの残らぬよう
集中してキャストを続けた。

しかし、あと10投で終わりと決めてから
8投目のキャストが終わり、
ルアーが手元に戻ってくるまで
何も起こらなかった。

9投目のキャストをしようと
ロッドを振りかぶった瞬間、
となりで10投目を終え、
着水からリトリーブ態勢に入ったばかりの
カミさんのロッドが大きく弧を描いた。

沖合で、軽くジャンプ。
ボリューム感は、なかなかのものだ。

12月らしからぬ強烈なファイトを交わし、
何とか、ランディングに持ち込む。

ん、短い・・・

思わずそう呟いてしまったのだけれど、
それでも十分立派な54cm。

何より、尾ビレが異様なほど立派なので、
もっとデカいんじゃないかと
私も釣った本人も勘違い。

まあまあ、魚の価値は
長さだけで決まるわけじゃないから、
そういう意味では、文句のつけようがない
見事な個体であったと言っていいだろう。

時間もない中、少しだけ撮影させてもらって
そっとリリース。

これが、私たちの2018年釣り納め、
最後の魚となった。

今回の遠征を振り返ってみると、
3日間の合計で、
およそ8時間くらい釣りをして
1人5本ずつ、
2人合わせて10本の鱒をランディング。

写真撮影やら休憩やらの時間も考えれば、
感覚としては、飽きない程度に
魚からのコンタクトは
得られたかなという感覚である。

個人的には、例年に比べ、
やや消化不良の感もあるけれど、
その分、カミさんが気を吐いた印象で、
総体的には、十分満足な釣行となった。

年によって釣果に差はあるし、
サイズがまとまる傾向が強くて、
超ド級の期待はさほど大きくないという
側面はあるものの、
道内の他の止水フィールドに比べて、
安定感では群を抜いているのが
ここ屈斜路湖。

確かに、本州から遠征して来るには
冬用の装備を万全にしなきゃいけないので、
エントリーのハードルは
それなりに高いかもしれません。

けれど、普段、冬の犀川あたりで
平然とロッドを振っているアングラーなら、
いつものスタンスで
エントリーすることだって十分可能。

DAY1の冒頭でも触れたように
ロケーションの素晴らしさも加味すれば
現状のフィシングライフでは
十分に満足できないアングラーの方には、
かなり魅力的なフィールドと
断言していいと思います。

安全面には十分配慮しつつ、
是非一度、冬の屈斜路湖を
訪れてみてはいかがでしょうか。

なお、例年、結氷が始まるのが、
1月10日あたりから。

もちろん、シーズン差もあるので、
絶対とまでは言えないけれど、
通常は、成人の日あたりまでなら、
エントリー可能と考えていいでしょう。

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