年末恒例の釣り納め DAY2

(DAY1からつづく)

2日目の朝、宿の玄関を出ると
冷たい季節風が頬を叩く。

気温は、せいぜいー3℃ほど。

冬の屈斜路湖の朝としては、
かなり暖かい気温であるが、
風は体感温度を極端に低下させるから
およそ快適と言えるような
コンディションとは言えない。

約25分ほど車を走らせて、
エントリーを予定していたポイントの
駐車スペースに着いたのだけれど、
爆風が吹き荒れ、
車を降りるのもひと苦労。

吹雪いたら遭難の危険すらあり得るので、
無理せず、ひとまず退散することを選択した。

次に向かったポイントは、
屈斜路湖きっての人気ポイント
「尾札部川インレット」周辺。

混雑するポイントが極端に苦手な私にとって、
ここは、アングラーの間に漂う
何かギスギスした雰囲気が気になって
正直、ここ数年ほどは、
エントリーを避けていた場所。

しかし、和琴半島が防風林代わりになるため
少しは強烈な北西の風を防ぐことができて、
さらに、低水温時の定石ともいえる
深場隣接の地形を加味すると、
この日の気象条件では、
消去法でこのポイントを
選択するほかなかったというのが
偽らざる本音であった。

到着した時、まだ薄暗い時間帯であったが、
駐車スペースには、
すでに地元ナンバーの先行者の車が数台。

こんな悪天候でも、複数のアングラーが
暗いうちからエントリーしているのだから、
人気のほどがうかがえる。

湖岸に出ると、すでに4人のアングラーが
ロッドを振っていた。

4人とも、やや風裏にあたるスポットに
釣り座を構えていたので、
私たちは、風と波が直接当たる
和琴半島側のスポットにエントリーした。

本当は、もう少しのんびりと
釣りをスタートする予定だったが、
風も強く、ボケっとしていても
体感温度が下がるだけなので、
早速、キャストを開始する。

スタートから5分も経たないうちに
となりにいたカミさんのロッドが曲がる。

それほど大きくロッドは曲がっていないが、
ロッドティップを叩くような挙動から、
その正体がニジマスであることは
すぐにわかった。

打ち付ける波に、しばし翻弄されながらも
ほどなくしてランディングに成功。

シルバーメタリックに輝く
コンディションの良い47cmであった。

まだまだ光が足りず、
撮影コンディションも良くないので、
数カットだけストロボ撮影して、
すぐにリリース。

すぐに、キャストを再開する。

ほどなくして、
今度は、私のロッドが曲がる。

およそ2秒くらいは
魚とつながっていただろうか。

しかし、すぐにテンションは消えた。

まあ、フッキングした瞬間、
皮1枚の感覚があったし、
なんせ、高波の影響もあって、
魚たちが上手にバイトできないような
状況でもあったから、
心の整理は比較的スムーズにできた。

それから約10分後、
強風に乗せて遠投したルアーが着水した直後、
ドスンとロッドに衝撃が伝わった。

が、またしてもフックアウト。

強風時にはありがちなこととは言え、
少しだけ気持ちが萎える。

その後も、断続的にアタリがあるが
フッキングに至らない。

ちょっと考えてから、
少しだけ自分の立ち位置を変えて、
風の影響をできるだけ小さくする
工夫をしてみると、
すぐにその効果が表れる。

かなり沖目でヒットしたニジマスは、
大きな波の間で横っ飛びを繰り返すが、
今度は、フックアウトしない。

それならばと、大胆に寄せて、
波の間隙をついて、一気にランディング。

48cmの少し婚姻色の出た
ニジマスであった。

やはり沖合でヒットする回遊系の個体は
背中が深い緑色をしているのが特徴だ。

やっと1本キャッチできただけで、
まだまだ満足とはいかなかったけれど、
状況に対処するひとつの方策が
見つかったという部分に、少しだけ安堵。

手早く写真撮影を済ませ、
すぐにキャストを開始する。

どうやら、この日は、
かなりの数のニジマスが
岸寄りしているようだった。

確かに、このポイントのポテンシャルが
屈斜路湖随一であることに
疑いの余地はない。

それにしても、
魚からのコンタクトの頻度が
通常よりも高いような気がした。

やはり、高波、ローライトと
魚が岸寄りする条件が
イイ感じで整っていたのかもしれない。

そんな期待感を裏切ることなく、
さほど時間を置かずに次のバイトは訪れた。

今度は、立ち位置を調整していた上、
比較的近距離でのバイトだったため、
落ち着いてファイトを楽しむ。

ほどなくしてランディングしたのは、
レッドバンドが特に美しい51cmのオス。

サイズがどうとかいうよりも
グッドルッキングフィッシュに
ようやく出逢えたことが
何よりもうれしい。

私の経験上、屈斜路湖では、
かなりめずらしいビビッドな赤。

表情だったり醸し出す雰囲気なんかも含め、
すべてのクオリティーに大満足の
見事なニジマスであった。

こんなバイトが連発する
フィールドコンディションに
なかなか出会えることはないし、
このままキャストを続ければ、
まだまだヒットに持ち込めそうな
予感は十分あった。

サイズアップだって、
可能性を感じないわけでは決してない。

ただ、天候悪化の予報もあったし、
何より、やっぱりどうしても
ポイントの雰囲気になじめない。

この時点で、まだ、午前9時前。

カミさんと相談の上、
正味2時間程度のエントリーではあったが、
この日の釣りは早々に切り上げ、
悪天候が避けられそうな鶴居村に移動して
タンチョウを観察することにした。

鶴居まで来ると、風は幾分強いものの
時折、青空も顔をのぞかせている。

まずは、伊藤サンクチュアリに向かい
およそ半年ぶりとなる
タンチョウとの再会を果たす。

やっぱり、タンチョウは
いつ見ても美しい。

写真で姿を切り取って見るタンチョウも
もちろんキレイだけれど、
やはり生で見るのが一番。

ここじゃ”外道”ともいえる
オオワシも姿を現し、
やっぱり、鶴居の自然は素晴らしいなと
改めて実感することとなった。

夕刻、弟子屈に戻る道すがら、
時折、ホワイトアウトになるほどの
悪天候に見舞われた。

ネットの情報を確認すると、
弟子屈以北は、どうやら午前中のうちから
吹雪模様になっていたらしい。

道北のえげつない猛吹雪に
慣らされていることもあって、
車を運転していて
それほど怖さを感じることはなかった。

ただ、翌日、
湖にエントリーできるかどうかが
何より気がかりだ。

そうは言っても、私が心配したところで
何も解決するわけじゃないので、
今日のところは、ご当地ラーメンを食べて
まずは冷えたカラダを温めてから
宿に戻ってゆっくりと温泉に浸かり、
翌日に備えることにした。

DAY3につづく・・・)

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