大増水の爪痕

久しぶりの
日高の川歩きは
とても気持ちよかった。

けれども、
消化不良気味の心ばかりは
如何ともし難く……。

ならば、
週末を迎える前に
きちんと休みを取って
気持ちをスッキリさせないと。

そう思い立ち、
自主休業を決め込んだ週後半、
今度は道南方面へと
車を走らせてみることとした。

ただし、
実はこちら方面も
お盆前後に
大雨が降っていたのだ。

多くの川では
私が北海道に来て以降、
最高水位を記録。

したがって、
川の状態がどうなっているのか
その不安ばかりが
先行していたのである。

そうそう、
もちろん鱒には出逢いたいけれど、
川が荒れ果てていないか、
そちらのほうが
心配で仕方がない。

それが当時の
正直な気持ちだったと思う。

この日、
まず最初に
訪れたのは、
尻別川喜茂別地区。

実際に
川に降りてみると
かなりの大水が出た痕跡が
くっきりと残されていた。

おそらく
地元の方が
恐怖を感じるくらいの雨が、
一気に降り注いだのだろう。

うわ~、
こりゃヒドイわ……。

ただ救いは、
この地域の森が今もなお
概ね健全に保たれている分、
土砂が流入して
川が埋まっているような
ヒドイ状況ではなかったこと。

う~ん、
これぞ尻別川の底力だな……。

思わず
そう感嘆せずにはいられない
状況だったかな。

魚のほうは、
事前に想像していたとおりで
一定数、
確実に抜けてしまっていた。

だが、
小ニジと小エゾイワナが
単発でヒット。

バイトの頻度は、
盛期と比べると
せいぜい1/5~1/10程度。

それでも、
大増水の中で
しっかり生き延びた個体が、
今、目の前の流れで
命をつないでいたことが
何よりもうれしかった。

次に訪れたのは
黒松内町を流れる朱太川。

こちらは
氾濫発生情報もあったくらいで
尻別川以上に心配が大きかったのだが、
見た感じの雰囲気は
ほぼ以前のまま。

もちろん、
アシがなぎ倒されていたり、
倒木の位置が
変わっていたりはするものの、
流れの筋に
大きな変化は生じていなかったのだ。

いや~、
ブナの森が育む川は
やはりひと味もふた味も違う。
率直にそう思った。

とは言え、
魚は確実に
抜けてしまっていたと思う。

それでも、
ピンコや小鮎の姿は目視できたし、
ルアーを投げれば
小型のニジマスや
ヤマメが活発にアタックしてきた。

いやはや、
自然の蘇生力恐るべし。

そのことを肌で感じる
とても有意義な
時間を過ごせたのではないか。
そんな気がした。

結局、
写真に撮ろうと思えた個体は
このヤマメ一尾だけ。

とは言え
この魚とて、
せいぜい20cm程度の
サイズ感だったと思う。

けれども、
それでもこの状況下で
鱒をキャッチできたことが
とにかくうれしかった。

うんうん、
野生の生命力って
本当に本当にスゴイんだな。

結局、
「鱒に出逢う」という意味では
消化不良を解消するには
至らなかった。

それでも、
気持ちはもうスッキリ。

そうそう、
鱒たちの力強い生命力を
肌で感じることができて
勇気100倍!

ヨシ、
これで明日から
もっともっと
前向きに生きられそうだぞ(笑)

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