消化不良な平日

週中の平日、
久しぶりに川を歩く機会を得た。

お盆休みにかけて、
幸いにして新型コロナに
感染することはなかったのだが、
ここ北海道も
広い範囲で大雨による増水の連続。

その気になれば
出歩く時間はあったのだけれど、
渓に向かおうとする
モチベーションが上がることはなく……

概ね2週間以上ぶりの
エントリーとなってしまったのである。

出かけた先は、
日高山脈を水源とする
川が流れる地域。

所詮は仕事ついでであり、
決してのこの地域を
選んだというわけではなかったが、
だいぶご無沙汰していたこともあって、
胸は高鳴っていたのだが、、、

沙流川本流はもとより、
有望な支流群は
どこもコーヒー牛乳色の
どちゃ濁り状態。

とてもじゃないけれど、
まっとうに
釣りができるような
水況ではなかったのだ。

濁りの原因は
お盆前後に降った大雨。

この地域の川は、
一度濁りが出てしまうと
長期間にわたって
濁りが取れない川が多いのである。

こうなると、
やれ「オショロコマに逢いたい」だとか、
「ニジマスがいい」だなんて、
勝手なことは
言ってはいられない。

とにもかくにも
釣りができそうな小渓流を探し、
一か八かで
エントリーしてみるしかないだろう。

そう考えて、
とりあえずは
比較的まちに近いエリアを徘徊。

そこで
偶然見つけた流れに
一縷の望みを
託してみることにしたのであった。

エントリーした小渓流は、
いかにも
日高山脈を水源とする川らしく
函が続く急峻な流れ。

当然、コレといった
ポイントには乏しいのだが、
この際、
もう贅沢など
言っている余裕はないのだ。

ただし、
景観そのものは悪くない。

土壌が水分を
多く含んでいる影響なのか、
このような小さな滝が
あちこちに出現していて、
景色を眺めているだけでも
十分に川歩きが楽しめてしまう。

が、しかし、、、

結局、
魚からのバイトは
得られずじまい……。

ほどなくして、
この渓に
見切りをつけることと
なってしまったのである。

さらにここからも
苦難の連続。

どこもかしこも濁りがひどく、
次のエントリー場所を
見つけることだけでも
かなり大変な状況で、
いよいよ心が折れそうに……。

時間も時間、
そろそろあきらめて帰ろうか……

そう思っていた時に
たまたま通りかかった沢の水色が
不意に目に飛び込んできた。

うんうん、
この色ならいけるかも。

そんな直感を
唯一の拠りどころに、
ダメ元でいいからと、
この沢でのラストチャンスに
賭けてみようと決めた。

川に降りると、
上から眺めていた時よりも
濁りが強く感じる。

流れも無機質で、
直感的に
生命感も薄く感じられた。

ありゃ、
これはかなり厳しいかも……

この時点では、
前向きになれる材料を
何ひとつ
持ち合わせていなかったのだか、、、

釣りというのは
本当に面白いもので、
あきらめなければ
やっぱりそのうち何かが起こる。

そうそう、
だいたいは
そんなふうに
相場が決まっているのだ。

そしてこの日も
例外ではなかった。

半ば奇跡的に……
ではあったけれど、
不意に一尾のエゾイワナと
出逢うことができたのである。

サイズは、
25cmといったところ。

釣り慣れたサイズだし、
平凡な個体と言えばそうなのだろう。

ただ、
この状況での一尾は
心底うれしかったし、、、

気のせいか
スポットが黄色味を帯びているように
見えたこともあって、
しばらくまじまじと
エゾイワナに見入ってしまった。

やっぱりに
スポットの色が
どうしても気になったので、
一応、アップでも撮影。

有色斑点というには
発色が足りないような気もするけど、
こうやってアップの画像を見て見ると、
黄色の色素が入っていることだけは
どうやら間違いなさそう。

うんうん、
これはこれで
ミステリアスなままに
しておけばいいだろう。

所詮、
私なんかただの釣り人。
一枚の画像を残しておけば
それで十分なんじゃないかな……。

こうして、
久しぶりの川遊びは終了。

とりあえずは、
奇跡だろうが何だろうが
一尾の鱒に出逢えて
本当によかった。

でも、
なんだかやっぱり
消化不良の感は正直残る。

次は一日時間を取って、
ちゃんと川を歩けるといいな。

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