2022 釣り納め DAY2

2日目、
年に一度の
朝マヅメからの釣り。

若い頃は
「よく釣れるから」という理由で
夜駆け朝討ちを敢行したものであるが、
アラフィフ世代となった今や、
そんな胆力は残っていない。

この湖で
美しい景色を眺めながら
いっさいの邪念を捨てて
ただロッドを振っていたい。

その一心での
早朝出発である。

予報どおり、
この日も湖面は
どこまでも穏やかであった。

ー8℃と冷え込みが
極端ではなかった分、
屈斜路湖名物の見事なけあらしを
観ることはできなかったが、
それでもこの景色なら
何ひとつ文句はないだろう。

こりゃ、
釣れネェーな!

直感的に
そう思ったのは確かだったが、
この穏やかな景色だから、
まあそれも仕方ない。

それでもカミさんが、
この時間帯に
30センチクラスの
アメマスをキャッチ。

なんとも酷い
写真ではあるけれど、
すぐにリリースするためには
これがもっとも手っ取り早く、
小型魚に対する負担も
総体的に軽くなるのでやむを得まい。

その後、
ちょっとばかり
太陽が昇ったタイミングで
少しだけ写真撮影タイム。

これはインスタにも
同じことを書いたのだが、
このアングルで
写真を撮ろうなんて
バカなことを考えるのは、
変態鱒釣り師以外におそらく
誰もいないのではないだろうか。

だって、
この極寒のフィールドで
入水する人って、
だいたいは
釣り人くらいのものなんだから(笑)。

結局、
朝のいい時間帯は
穏やかな時間が過ぎるばかりで
その後、カミさんが
極小アメマスを一尾追加するも
こちらには何もなく終了。

いや~、厳しい!
本当に厳しいってばー!!

もはや
そんな感想しかなかったかな。

その後、
川湯温泉近くにある
「摩周そば道楽」さんへ立ち寄り、
絶品の手打ちそばを
今年もいただく。

いや~、
このお蕎麦の香り、
何度リピートしても
マジ、たまらんのですよねー。

そして迎えた午後の部、
徐々に吹き出した西風が
左斜め前方から当たる
エリアへと入ってみた。

このエリアは、
基本的に不人気なエリアゆえ、
アングラーの姿は皆無。

ただ、西風の時には、
このエリアで魚が一気に
岸寄りする可能性があることを
私は知っていた。

だから、
選択するエリアに
一切の迷いはなかったのだが……。

いかにも
釣れそうな景色の中
ロッドを無心で振り続けたが、
魚からの反応は
一向に訪れる様子もない。

1時間、2時間……

あっという間に
時は過ぎ去って行った。

もうそろそろ
あきらめることにするか……。

それは、
そう考え始めた時のことだった。

ココン!

まるで重量感はなかったが、
その瞬間、
魚と一本のラインで
つながったのは間違いなかった。

大事な魚だから慎重に……
と変にリズムを崩すなこともなく、
いつもどおりの間合いで
無事にランディング。

正体は、
アベレージサイズの
金アメであった。

まあまあ、
普段の屈斜路湖であれば、
もう少し贅沢を言いたい
ところではあったのだけれど、
この日の状況では
これが精一杯だろう。

最後にもう一回だけ、
アブラビレを
拝むことができてよかった……。

安堵というか、何というか、
アメマスをキャッチした瞬間は
なんとも言えない
ちょっと複雑な心持ち。

まあでも、
この艶めかしい
魚体を見せつけられたら、
それで満足しないアングラーは
おそらくいないだろう。

ニジマスとのコンタクトが
一度もない初の年末となったことなんて、
もはやどうでもいいと
思うようになっていたかな、
もうこの時には。

結局、年末恒例の
釣り納め釣行はこれにて終了。

この企画を
スタートして17年目の今回、
初めてニジマスをキャッチできない
年末となってしまった。

けれども、
フィールドコンディションを考えたら
正直、そんな贅沢も
言っていられなかったと思う。

素晴らしい景色の中で
釣りを愉しむことができて、
さらにちゃんと
アメマスを出逢えたのに
文句なんか言ったら魚に怒られる。
今は、そう納得している。

なお、ニジマスの個体数が
減っていそうなことに関しては、
また別の機会に
私なりの検証をしてみることに
しようと思っています。

もともと、
ワイルドトラウトの
自然再生産には
限界があるフィールド。

残念ながら
地元に漁業権がない中で、
地域の方々が頑張って
フィールドとしての価値を
ギリギリ保っているというのが
実情なのかな、と。

入漁料を払わずに
スーパートラウトが棲む湖で
釣りができるほうが
むしろ異常なくらいで、
そう発想を転換すれば、
安易に誰かを批判することも
なくなるのでしょう。

「釣り=有料」が
自分にとって当たり前の感覚だった
元道外アングラーの身からすると、
今の屈斜路湖の現状でも
奇跡に近い環境が
維持されているほう。

さまざまな課題が山積している
フィールドであることを承知しつつも、
感覚的に
私はそう感じているので……。

やっぱ、
スーパートラウトが
釣れて当たり前のフィールドなんて、
あるわけがないのですよね。

そこには
人間が説明できない
自然の摂理があって、
かつ、陰ながら地元で
コツコツと努力を続けている人がいる。

そのことだけは
絶対に忘れちゃいけないのだ、と。

私の備忘録としての
意味合いを含め、
あとで読み返した時に
すぐに原点に立ち戻れるよう、
遠征記録の最後に
このことを記しておくことにしました。

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