絶世の美女に酔いしれる

(前回から続く)

激レアさんを
リリース後の最初のキャスト。

釣りのリズムがいい時は
キャストのアキュラシーも
高いレベルで安定するもの。

寸分の狂いもなく
狙い通りのスポットに
ルアーを撃ち込むことができた。

すると・・・

ゴン!

またしても、ヒット。

今度は、押しの強い
流れの中でヒットした分、
今までよりも
魚のファイトが強く感じる。

ヒットしてしばらくは、
ただ単純にそう思っていた・・・

ん!?
やっぱり、なんか違う。

これは、
魚種が違うんじゃないか?

しばらく、
やり取りを続けていると
やはりその瞬発力が
アメマスとは明らかに違う。

そう、正体は
ニジマスだったのだ。

しかも、ニジマスが
水中で身を翻した瞬間に
発せられる鮮やかな色彩は
ハイクオリティーな魚であることを
確信させるもの。

いやはや、コイツは
なんとかして
ランディングまで持ち込みたい。

そんな邪念のせいで
少し硬くなったせいもあるだろう。

オロオロ、バタバタ・・・

ネットを左手に抱えたまま、
瀬の中で右往左往してしまった。

それでも、ブサイクな恰好ながら
なんとかネットインすることに成功。

うわっ! なんじゃこりゃ!!

サイズ的には、
せいぜい50cmを少し超えたくらい。

でも、この魚、
掛け値なしの美形である。

見た目で、
メスだということはわかっていた。

だから、パッと頭に浮かんだ言葉、
それが"絶世の美女"。

魚に対して使う表現として
適切なのかはわからないけれど、
その姿は、
息を呑むほどに美しかったのだ。

産卵に参加したと見えて、
尾ビレの先には、
まだ痛々しい傷が残っている。

だから、コンディションは
まだ回復途上なのだろう。

それでいて、
この発色はスゴイ!

レッドバンドというよりは
オレンジバンド。

しかも、お腹周りも
透き通ったオレンジ色に
染まっているではないか。

もちろん、
胸ヒレもオレンジ色。

ド派手というよりも
実に上品でエレガントなのである。

幸い、イイ感じの
撮影場所にも恵まれたので、
いつもより多めに
カットを撮られてもらいながら、
その美しさに酔いしれる。

画像だと、その美しさを
臨場感を持って伝えきれないのが
なんとも残念。

それほどまでに、
心揺さぶられる美しさであった。

本当に濃密だった、この数時間。

なんだかちょっと名残惜しいけれど、
この場所にも別れを告げて、
当初の予定通り、
オショロコマの聖域へと向かうことにする。

この絶世の美女に出逢えた喜びを
グッと噛みしめながら・・・

(次回へつづく)

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