浮力という概念

少し間が開いてしまったので、
今日はこのテーマで
戯言を少しだけ
綴ってみたいと思います。

これは極めて
感覚的な話なのですが、
昔と比べて最近は
近くのポイントに入った
ルアーアングラーの多くが、
「ドボン!」という音を響かせながら
釣りをしているような気がします。

もちろん
釣りのスタイルは
人それぞれでいいわけですから、
別にこれは
批判でもなんでもありませんよ。

良い/悪い…じゃなくて、
ただ単純に、なるほど
「そういう傾向があるんだな」と
感じているだけです。

そう考えてみると、
確かに今、
ミノーイングの世界では
ヘビーシンキングミノー隆盛の
時代なんですよね。

湖では、
スライド系スプーンや
ジグを使ったスタイルが
主流になっていることもあってか、
たまに大型釣具店の
ルアーコーナーに立ち寄ってみれば、
確かに「ドボン系」のルアーが
棚を占拠している印象が強いな、と。

実のところ私自身も、
昔はよく「ドボン系」のルアーを
よく使っていた時代がありましたから、
そのメリットはそれなりに
理解しているつもりではあります。

とにかくよく飛ぶし、
魚の泳層に素早く
ルアーを届けることができるから、
手際よく広範囲を探れるという点で、
他のルアーの追随を許さないというのは
よくわかる話ではあるんですよね。

一方で、
「ドボン系」のルアーが
偏重されている現状には、
当然、違和感も覚えます。

「ドボン」という
音がしないルアーには、
そのルアーなりの
ストロングポイントがありますから、
私が溺愛するこのネクトンにも、
「ドボン系」のルアーでは
絶対に演出することができない
微妙な動きがありますからね。

そうそう、
私がよく思うのは、
この「浮力」という概念は、
トラウトフィッシングの世界では
今も昔も変わらず
大事な要素なのであろうと。

でも、セミルアーなど
一部で流行したものを除けば、
その概念がずいぶんと
軽視されるようになってしまったのは
確かなのではないでしょうか。

ところで、
私がなぜ今回、
この話題を取り上げたのか……

それは、昨年、
然別湖の特別解禁期間中に
さまざまなテストをしていて
ビビッと来たことが
あったからなんですよね。

然別湖の秋のニジマスは、
例年、とてもスプーキーで、
フライでは釣れるけど、
ルアーで釣るのはかなり難しい。

これがいわば
定説のようになっていました。

私はフライフィッシャーの方とも
一緒に釣りをさせてもらう機会が
しばしばあるので、
この定説に誤りがないことは
よくわかっていました。

でも、さらに一歩
踏み込んで考えてみれば、
秋の然別湖の大型ニジマスを
ルアーで攻略できる可能性だって
十分にあるんじゃないか。
そう思いついたのですよね。

確かに「ドボン系」の
ルアーを投げている限りは、
スレていない
ごく一部のニジマスしか釣れない……。

でも、そうじゃない
別のアプローチをしてみたら、
結果が変わることだって
あっていいんじゃないの?
そんな発想でした。

そこで、
小さいフローティングミノー、
管理釣り場で使うような
タイニークランクベイト、
樹脂製の低比重スプーンなどを
フックを外して
テスト的に投げてみたんですね。

するとどうでしょう、
これまでなら簡単に
ルアーを見切っていたニジマスたちが
何の躊躇もなく
アタックしてくるじゃないですか。

そうなんですよ、
スレて「ドボン系」のルアーには
全く反応しなくなったトラウトたちを
攻略するための糸口は
まだまだ残されていたのだ、と。

思いつきでやってみた
テストを通じ、
そうあらためて
気付かされたというわけなんです。

ちなみに
私が実際に投げてみたのは、
タックルハウスさんの
ネクトンとツインクルディープ
ValkeINさんのクーガ、
カルテラスさんのパラトなど。

※画像は然別湖とは別のフィールドで撮影したものです。

これらのルアーに
然別湖のスレたニジマスを
惹きつける魔力があることは
すでに証明できたわけですけど、
個人的には、
「これらのルアーじゃないと釣れない」
というわけでもないと考えます。

お手持ちの
低比重ルアーでもいいですし、
今月は横浜で
「釣りフェス」も開催されますから、
会場で新製品を
探してみるのもいいでしょう。

大事なのは、
スレた鱒にアクセスしようと思ったら
「浮力という概念」を
忘れちゃいけないということ。

その意識を持つだけで、
今までは見えなかった
新しい景色が
浮かび上がってくるのかな、と。

繰り返しにはなりますが、
私は「ドボン系」のルアーを
否定しているわけでは
ありませんからね(笑)。

それを偏重しすぎて
視野が狭くなり、
気付いたら
ネイティブトラウトの世界を
俯瞰できなくなっていた……。

そんなことになったら
やっぱりもったいないじゃないですか。

そうそう、
だから自戒の意味も込めつつ
備忘録として
あえて文字に書き起こしたまで。

そう理解してもらえたら
素直にうれしいです!

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