人間、歳を重ねると
月日の流れが
速く感じられるものらしい。
地震に航空機事故と
やるせない出来事が続いた
2024年の年はじめ。
あれから
もう1年が過ぎたのか……
被災された方々に
少しでも寄り添えたらと思うと同時に、
いつ何時、
どんな災難が自分の身に
降りかかるかわからないのだから、
「今」という時間を
大事にして生きていかなきゃ。
自らにそう言い聞かせながら
生きて来ざるを得なかった、
いろいろと胸騒ぎの多い
一年だったかもしれない。
そんなこんなもあって、
2024年は決して
ポジティブな感情だけで
過ごせた一年ではなかったけれど、
可能な限り
フィールドに足を運ぶということだけは
実践してきたつもりだ。
そう、
魚釣りのない人生など
私には
到底ありえないからである。
さて年末は、
我が家の恒例行事となっている
屈斜路湖での
年末釣り納め釣行へ。
昔は時間が許す限り
ロッドを振り続けたものだが、
今年は2泊3日の行程で
釣りは初日の午後と2日目だけ。
以前とは違って
かなりゆとりのある
スケジュールを
組むことにしたのであった。
そうそう、
オッサン化した今はもう
長い時間ダラダラと釣りをする
体力もなければ
集中力だって続かないからね(苦笑)
釧路のまちで買い物をした後、
しばらく車を走らせて
湖に到着したのは、
概ね13:00頃のことだっただろうか。
この日は日曜日だったので、
どこのポイントも
満員御礼かと思ったのだが、
現地に行ってみると
予想に反しアングラーの車はまばら。
もともと先行者がいる
ポイントへは入らない主義。
そんな
私たちにとっては、
ストレスのない展開に
まずは安堵することとなった。
そんな中で
エントリーすることにしたのは、
深場が隣接していて
ニジマスの回遊が期待できる場所。
真新しい足跡が
複数残っていたので、
この日の朝、
何人かのアングラーが
このポイントに
入っていたのは間違いない。
ちなみにだが、
この日、山越えの
風が吹き始めるのは午後から
というのが事前の予報。
午前中の風のない難しい
コンディションを嫌って、
先行者は早々に
退散してしまったのだろうか。
冬の屈斜路湖の釣りにおいて、
先行者の有無が
自らの釣果に
影響を与えることはない。
経験上それを知っているので、
誰にも干渉されず
ストレスなく釣りをのんびり
楽しめそうだというだけで
ワクワク感は
もう爆上がりである。
準備を済ませ
そそくさと湖畔に立つと、
予報どおり
強い山越えの風が吹き始めた。
ただし
湖の状態としては、
明確な湖流もなく
お世辞にも上々とは言えない。
それでも
ペタンペタンよりはよっぽどマシだし、
何より貸し切り状態で
ロッドを振れるんだから
これ以上の贅沢を言っちゃダメ。
あとは運よくトラウトが
回遊してくることを願い、
美しい景色を眺めながら
贅沢な釣りを存分に
愉しめばいいだけなのだ。
コツコツ
釣り始めから
およそ30分ほど、
それは視界がなくなるほどの
激しい吹雪が
止んだ直後の出来事であった。
待ってましたとばかりに
思い切りアワセを入れると、
首尾よく
しっかりとフッキング。
一瞬で
その魚がニジマスであるとわかる
荒々しいファイトをいなしながら、
しばし幸せな時間を堪能。
頃合いを見計らって
岸に誘導すると、
なんとこの季節に
ギンギンビカビカの
回遊系ニジマスじゃないか。
おなかに
鳥に襲われたような跡はあったが、
それ以外は
この湖の魚らしい
まさに完璧な魚体。
しかも、
つい先ほどまで
ディープレンジを回遊していたと
ひと目でわかる
見事なブルーバックレインボーだ。
そうそう、
ここ北海道でも
なかなかお目にかかれない
希少なカラーリング。
おそらく
先ほどの激しい吹雪が
この魚を
岸寄りさせてくれたのだろう。
ニジマスが
釣れただけでもラッキーなのに、
それがブルーバックだなんて
ずいぶんと
ツキがあるじゃないか。
今回の釣り納めで
これ以上のクオリティフィッシュは
キャッチできない。
正直、そう思ったほど。
サイズ的に
50cmそこそこでも、
このビジュアルの個体に
お目にかかれたら、
それだけでもう十分だろう。
うんうん、
あとはカミさんに
グッドコンディションのトラウトを
キャッチしてもらえば
それこそ100点満点。
さてさて、
そんな簡単に
物事がうまく運ぶのだろうか?
いや、運ぶときは運ぶのだ。
ダメなときは、
何をやっても
ぜんぜん噛み合わないのにね(笑)
まあまあ、
釣りというのは
もともとそういう
ドラマティック性を帯びた
アクティビティなのだろう……
(次回へ続く)