郷愁そそる美渓

今週も、
週中に強制休暇を自主取得。

今年最後となる
秋ヤマメとの出逢いを求めて、
道南の小渓を彷徨い歩いた。

最初に入ったのは、
八雲町を流れる渓。

「八雲(やくも)」と言えば、
噴火湾に面した太平洋側のまちを
すぐに思い浮かべると思うのだけれど、
入渓したのは、
旧熊石町で日本海へと流れ込む渓流だ。

そうそう、
平成の大合併によって、
八雲町は、太平洋のみならず
日本海にも面したまちへと
その面積を大きく拡大。

ネットで住所を
検索してもらうとわかるのだが、
「二海郡(ふたみぐん)」とは、
よく言ったものである。

この渓には
はじめてのエントリーになるが、
ヤマメが棲息していることは
ネットの情報で掴んでいた。

だが、事前に
地理院地図で確認したところでは、
堰堤が何基も林立している。

さぞかし、
都会の香りが漂う
人工的な渓なんじゃないだろうか……

そんな
想像をしていたのだけれど、
現地に到着してみると、
イメージは一変。

水も底石も周囲の環境も、
どれをとっても健全で、
ところどころにそびえ立つ
人工建造物を除けば、
実に見事な美渓だったのである。

準備を整え、
傾斜を降り川に立つ。

ここは激戦区ではないようで、
先行者の足跡は皆無。

この様子だと、
最低でも数日以上は
釣り人が入っていないようである。

そんなタイミングの良さが
後押ししてくれたのか、
キャスト開始すると、
開始数投目に
小型ながらエゾイワナがヒット。

狙いの魚では
なかったけれど、
まずはアブラビレに出逢えて
ひと安心だ。

その後、
しばらく遡行を続けてみたのだが、
飽きない程度のペースで
エゾイワナがヒットし続けた。

30cmを少し超えたくらいが
MAXのサイズだったが、
川の規模を考えれば
それでもいっさい文句はない。

あえて不満を漏らすとすれば、
ここまで
ヤマメからの
明確なバイトがなかったこと。

一尾だけ
ピンコがヒットしたが、
親魚らしきチェイスは
まったく確認できなかったのだ。

ネイティブトラウトが
コンスタントにヒットする中で、
こんな不満を言ったら
それこそバチが当たる。

それは重々、
承知しているつもりなのだが、
それでもやっぱり
秋ヤマメに逢いたい。

仮に
このまま撃ち続けたとしても、
エゾイワナオンリーの状況が
おそらく変わることはないだろう。

そう考え、
上流域へ移動することを決めた。

その川の上流域は、
中・下流域以上に
健全な環境が保たれていた。

河畔は、
ブナ、道南スギと、
北海道ではめずらしい
植生に囲まれている。

そのせいか、
川を歩いていると
つい、かつて本州の渓を
徘徊していた時代を
ふと思い出してしまった。

そうそう、
ここは郷愁そそる
掛け値なしの美渓だったのだ。

北海道の渓では
あまり見かけない
ヘビまで登場してしまったのには
さすがにちょっと驚いたけどね。

ただし、
上流域に移動しても
ヒットしてくるのは
エゾイワナ、、、

エゾイワナ、、、

そして、エゾイワナ。

下流域よりも
サイズのアベレージは上がったし、
魚影もさらに濃くなった印象。

でも、偶発的にでも
ヤマメが飛び出してきそうな
雰囲気を感じ取ることは、
残念ながらできなかった。

普段なら
このミッションインコンプリートの状況に
ちょっとばかり
メンタルが凹むところ。

だけど、
この日はちょっと違っていた。

だって、
ヤマメは釣れないけど、
渓を歩いているだけ
なんとも心地よく、
そして愉しいのである。

なので、
自分の気が済むまで渓を歩き続け、
エゾイワナに遊んでもらう。

こういう
前向きな予定変更なら、
いつでも
それこそウェルカムである。

なんだかんだ
3~4時間ほど、
この渓で
愉しい時間を過ごさせてもらった。

飽きたというわけじゃなかったけど、
アラフィフのオッサンにとって
ちょっと体力的に
厳しくなってきたので、
ここで一旦休憩を挟むことに。

少し休んだら、
川を変え、
再度、秋ヤマメに挑戦しよう。

そう決めて
河原で一気飲みしたコーラは
最高に美味い一杯だったな。

次回に続く)

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする