
天塩川河畔にて(今年の写真ではありません)
今年の北海道は、
6月、7月が異常に暑かった影響で
例年以上に山中にエサが少ないのか、
人里やそれに近いエリアでの
クマ出没が非常に多い印象があります。
釣り人ではありませんが、
人身事故という悲劇が
2件も起こってしまった現状も踏まえ、
今日は、現時点における
私なりのクマ対策について、
備忘録の意味を込め
投稿しておこうと思います。
なお、
ここに書き込むのは
誰もが知っているような
一丁目一番地的な内容ばかり。
ですが、
北海道のフィールドに
不慣れなアングラーの方には
役に立つ部分もあると思いますので、
よろしければ
ご参考になさってください。
クマ対策は、
シンプルに
以下のこの二点に
集約されると私は理解しています。
①なにより遭遇しないような行動をとること
②万一襲われた時に、応戦する術を備えておくこと
先に②ついて補足すると、
たとえ応戦する術を備えていたとしても、
いざという時に
効果的な逆襲ができるかと言えば、
おそらく簡単ではないのでしょう。
そのことは
容易に想像が付きますし、
私自身、クマと戦って
撃退できる自信など
まったくないというのが
正直なところでもあります。
ただ、
さすがに丸腰でいるよりは、
”武器”を身につけておいたほうが
川歩きの際の安心感にもつながりますので、
私は必ずナタを携行。
クマが襲ってくる時は、
頭や首などの急所を狙ってきますので、
取っ組み合いになったときに
ナタで一撃を加えられるかどうかが
生死を分ける。
そんなイメージです。
クマスプレーに関しては、
ないよりはあったほうがいいでしょう。
ただ、
武器がクマスプレーだけというのは
さすがに
不安でしかありません。
よって、
どうせならば
ナタとクマスプレーの
両方を携行するのがおススメ。
そうすることで、
クマに対して自分が風下にいたり、
スプレーを取り出す時間的猶予なく
相手に襲い掛かられた場合でも、
一縷の望みはつながるというのが
私なりの考え方です。
とは言え、
②に関しては
いわゆる対処療法でしかなく、
しかもその策は
人間にとってあまりに脆弱であると
いわざるを得ないでしょう。
よってクマ対策のキモは、
間違いなく①になるのだと考えます。
私は北海道に移住してから
釣り場で6頭のヒグマと遭遇していますが、
そのすべてが
移住後最初の5年間に集中。
その後の15年間は、
足跡などの痕跡は頻繁に見るものの、
幸いなことに
”現物”との遭遇は今のところありません。
もちろん
こうなるには
明確な理由が
存在するのですよ。
わたくし、
移住した当時は、
クマの行動パターンなんて
まったく理解できて
いなかったのですよね。
移住前、
本州でクマに遭遇した経験は
たったの一回だけ。
しかも遭遇場所は
相模川水系の谷太郎川で、
バス通りのすぐ横で
真昼間に偶然遭遇して
しまったようなものでしたから、
そこから何かを
学び取ることはできませんでした。
その程度の経験値しかない中で、
むやみやたらに
北海道の湖や川を釣り歩いていたら、
そりゃあクマにだって
頻繁に遭遇するわけですよ。
思い返すと
本当に恐ろしく、
無責任な行動をしていたなと
今でも反省しきりです。
6頭のクマとの
遭遇から学んだことは、
クマに襲われて死にたくなかったら
朝マズメと夕マズメの釣りは
一切止めにしなさいということでした。
そう、
例外はありますが
クマと遭遇する時間帯は
場所は違えど
ほぼ共通しているのですよね。
しかも遭遇した場所は、
すべて人家に近いところであり、
決して山奥にあるクマの住処に
自ら進んで入り込んで
行ったわけではありませんでした。
こうした経験から、
日中の山奥よりも
マズメ時の人里に近いエリアのほうが
よっぽどクマとの遭遇リスクが高い。
そう学んだのです。
マズメ時を避けるだけで、
かなり部分でクマとの遭遇リスクを
減らすことができると思いますが、
それ以外のポイントについても
書き込んでおくことにします。
渡島地方を流れる長万部川では、
例年、7月20頃から
カラフトマスの遡上が始まるのですが、
その頃になると毎年決まって
クマは山から下りて川へと向かいます。
雨上がりの日などには、
泥のついたクマの大きな足跡が
国道5号線上に
くっきりとついていたりもしますので、
クマがどのルートを通って
山から下りてきているか一目瞭然。
クマは知っているんですよ、
あの浅瀬で待っていれば、
勝手に餌のほうから
自分に近づいてくる、とね。
だから遡上魚が入ってきたら、
そういう川の
そういう場所には
決して近づかない。
これは
とても大事なポイントです。
ちなみに
道北の天塩川にも
同じような
クマの狩場というものが存在します。
こちらのターゲットは
シロザケですが、
クマの足跡が山から川へと
一直線に残されている点は、
長万部川のケースとまったく一緒。
ただそこは、
国道40号線からも
よく見える場所なんですよね。
単独遠征のアングラーなら
何も知らずにエントリーしてしまいそうな
ところでもありますから、
クマの痕跡には
くれぐれも注意を払ってもらいたいな、と。
そのほかでは、
拙書「feat.鱒」の中でも触れていますが、
収穫を控えたデントコーン畑には
絶対に近づかないこと。
クマの餌場に近づかない
という意味においては、
遡上魚の話と共通する点が
あると言えるでしょうか。
最後にもう一点、
幹線道路の横を流れる川には
特に気をつけろ!です。
これ、最初は私も
よくわからなかったのですが、
幹線道路沿いのクマは、
なぜか人間から
距離を取ろうとしないんですよ。
そう、
もうお気づきの方が
いるかもしれませんね。
とても残念なことではありますが、
北海道の幹線道路沿いは
目を覆いたくなるほどの
不法投棄の温床になっているのです。
もちろん、
その中には
キャンパーが投棄したであろう
生ごみなんかも普通にありますから、
おそらくクマたちは
人間の近くにはエサがあると
すでに学習しているのでしょう。
もしかすると
クマを見かけた観光客が
餌あげをしたケースだって
中にはあるかもしれません。
だから私は、
幹線道路沿いを流れる川には
原則として
エントリーしないようにしています。
道路と川が
隣接しているところや
橋の周辺は特に危険。
しょうもない輩がいかにも
ゴミを捨てて行きそうな場所に
エントリーするのは
極力避けたほうが賢明でしょう。
以上、
こんな意識を持つだけで
クマとの遭遇リスクを下げられますよ
という内容を書き込んでみました。
すべては
自らの経験のみに依拠したものですので、
その点はどうかご理解いただいた上で、
参考情報として
ご活用いただけたらと思っています。