2022 初釣り

昨日、3月2日、
2022年の初釣りに出かけた。

トラウトアングラーにとって
「いよいよフィールドに
足を運べる日がやってきた」
というそのワクワク感は
何ものにも代えがたいものである。

だから、
釣れる、釣れないは
二の次で構わない。

北海道の大自然の中で、
とにもかくにも
気持ちよくロッドを振れさえすれば、
それだけでもう十分なのだ。

もちろん本来なら、
例年どおりに
自主禁漁を解く
3月1日に出陣したかったところ。

けれども、
あいにくワクチン
3回目接種の副反応が
思いのほか
長引くこととなってしまい、、、

さすがに
そんな状態で
出陣はできないと判断し、
前日は泣く泣く自重。

だって、
モデルナアームが
改善されないまま
雪深い斜面を上り下りするのは
かなり危険だからね。

この日、
目指したのは、
例年どおり近場の支笏湖。

積雪の状態が
心配ではあったけれど、
そればっかりは、
現地に行ってみないとわからない。

現場の状況が
あまりにひどいようなら
無理をせずに
退散すればいいだけのこと。

全体的に積雪量が多い
今年の北海道、
現地で行き当たりばったりの
対応を迫られることは
受け入れざるを得ない現実なのである。

午前中に
急ぎの仕事を
片付けてからの出発だったので、
現地に到着したのは、
午後3時前くらいだっただろうか。

下界は
例年の約3倍の積雪量。
だから到着前は
ずいぶんと不安だったのだけれど、
幸い、支笏湖畔の
積雪はほぼ平年並みか少し多い程度。

おー、ラッキー!

これなら、
安全に車を停めることができるし、
斜面の上り下りにも
特段の問題はなさそうだ。

なにはともあれ、
この日は
今年初めてフィールドに
自らの脚で立つことこそが主目的。

なので、わざわざ
他のアングラーと干渉するような
ポイントに入る必要はないし、
危険を冒してまで
急斜面を降りて行く理由もない。

そこで、
まずは南岸の国道を
美笛の入口までひと流し。

風、波、先行者の状況を
ひととおり
チェックしてみることにした。

車窓から
横目で湖面を覗く限りにおいて、
風は西寄り。

苔の洞門あたりまでは、
風を受けて
湖面がソコソコ波立っている様子を
遠くからでも確認することができた。

だが、その間、
釣り人のものとおぼしき車は
たったの一台。

理由はよくわからないけど、
この日の支笏湖は、
思いのほか空いていた。

路側帯には
多くの轍が確認できたから、
もしかすると
朝は多くのアングラーが
エントリーしていたのかもしれない。

ただそれにしても、
こちらが拍子抜けしまうほど
アングラーの姿が
数少なかったのである。

ところが、、、だった。

苔の洞門の
長い直線を過ぎたあたりから、
アングラーのものとおぼしき車が
徐々に目立ちはじめ、
トンネルを過ぎると
さらにその密度は上昇。

もしかしたら
釣果情報が
こちら方面に集中しているとか
何らかの事情が
あるのかもしれない。

ただそれにしても
その異常な偏りは
私の眼には
あまりに不可解なものと映った。

だって、
この日の風は西。
つまり、
こっちは風裏になるのだ。

セオリーに照らしても、
多くのアングラーが
美笛方面に集中しなければならない
理由を見つけるのは難しい。

う~ん、
なんだかよくわからないなあ~。

ただ、
そんな状況を
早々に確認できたことで、
この日の選択はとても楽になった。

やるべきは、
引き返して
誰もいなかった南東側のポイントに
エントリーすればいいだけのこと。

そうすれば、
他のアングラーと干渉することもないし、
むしろプレッシャーが低い分、
鱒との接点が増える可能性だってある。

ヨシヨシ、
今日は、あっちだな。

斜面についた踏み跡をたどり、
慎重に湖畔まで降りると、
全体に適度な波があって、
上々の雰囲気が漂っていた。

こんなふうに
景色はまだ冬だけど、
肌を刺す風は、
どことなくぬくもりを帯びている。

この日は、
そもそもがリハビリ感覚。

偶発的にでも
「一尾の鱒と出逢えたら超ラッキー」
という程度の
ゆるゆるなスタンスだ。

だから、
気持ちはニュートラル。

純粋な気持ちで
釣りを楽しめることは
何ものにも代えがたい
唯一無二の喜びなのである。

ゴン!!

ロッドを握る右手に
ルアーを激しくひったくるような
強い衝撃が伝わったのは、
エントリーして
およそ45分後のことであった。

即座にアワセを入れると、
ロッドティップが
やや控えめに曲がった。

サイズは
大したことないけど、
バイトの感覚から、
フッキングへの不安は一切ない。

うんうん、
このズンズンと
ロッドティップが引き込まれる感覚、
やっぱ、たまらんなあ~!

その後、
しばらくファイトを楽しみ、
タイミングを見計らって
慎重に魚をネットに収める。

サイズこそ
50cmを少し
超えたくらいではあるけれど、
コンディションは上々だ。

いや~、
今年も一発目の釣行で
ワイルドトラウトの顔を拝めるなんて、
なんてラッキーなんだろう。

しかも、
狙いどおりの回遊系。

もはや
サイズなんてどうでもいい。

うんうん、
これは納得の
ワイルドブラウンだな。

人間、「無欲」というのは
どうやら魚を惹きつけるらしい。

コスッ!!

次のバイトが訪れたのは、
先ほどのブラウンを
リリースしてから約5分後。
たったの10キャストもしないうちの
出来事であった。

今度はやや沖目での
ショートバイトだったので、
カラダ全体を使って、
渾身のアワセを入れる。

ジー、ジー、ジー……

控え目なスピードながら
今度はドラグが
心地よい音を立てて
ゆっくりと出されてゆく。

ワイルドトラウトと
一本のラインでつながった
至福の時間。

一回ならともかく、
初釣りから二回も味わえるなんて
なんだか夢のようだな。

サイズアップした分、
今度はより慎重にネットイン!

ヨシヨシ、
またしても回遊系の
グッドコンディションじゃないか。

しかも
胴回りがぶっとくて、
サイズも悪くない。

一応、ザックリと
サイズを測ってみると、
62,3cmと言ったところ。

太さが強調された魚体の分、
ファイト中に想像していたほどの
長さはなかったけれど、
初釣りとしては、
これでも十分すぎるサイズだろう。

なんたって、
そもそもは釣果なんて二の次、
だったんだからね。

けれども
「無欲」というのは
本当に恐ろしいもので、
なんとこの日は、
これで終わらなかったのである。

首尾よく2尾もキャッチできたし、
予定よりも
だいぶ時間は早いけれど、
そろそろ帰ろうかな。

それは、
そう考えていた
矢先のことであった。

ガツ!

先ほどのブラウントラウトを
リリースしてから2キャスト目、
なんと次なるバイトが
早々に訪れたのである。

3回目のファイトともなれば、
カラダももう慣れたもの。

効率良く魚の抵抗をいなし、
無駄に時間をかけることもなく
ランディングへと
スムーズに持ち込むことができた。

ヨシヨシ、
またしても回遊系の
グッドコンディションだ。

しかも、
さらにサイズアップまで
してるじゃないか。

いや~、
こりゃー出来すぎだわ。

サイズはとうとう
60cm台後半にまで
伸びてきた。

でもそこは、
私にとって
さして重要なことではなかったかな。

この素晴らしい
コンディションの魚を
キャッチできていることが
純粋にうれしい。

そうそう、
魚の価値は
大きさだけじゃ測れないのだ。

私のツボは、
やっぱ鱒のビジュアル。

ありゃ、
根っからの変態を
これじゃあわざわざ
自白しているようなものだな……(笑)

さすがに
これ以上は釣りを続ける
理由がなかったので、
ここでストップフィッシング。

写真撮影も含め、
およそ90分で
ブラウン3本の釣果は
にわかに出来すぎだったとは思う。

その一方で、
自分のフィッシングスタイルが
完全にハマった時は、
こんなことがめずらしくないのも
ここ支笏湖の特徴。

この湖のポテンシャル、
今さらだけど
やっぱり超ヤバイぞ!(笑)

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