層雲峡の鱒

週中は、
石北峠を越えて
オホーツク方面へ。

少しだけ
時間に余裕があったので、
その途中、層雲峡で
道草を喰うことにした。

紅葉の盛りは
ちょうど温泉街周辺。

そこから
少し標高を下がったあたりで
こんな感じの
色づき具合であった。

今年の北海道は、
全体的に紅葉の当たり年。

層雲峡の紅葉は
もともと見事ではある。

でも、ここ数年は
台風が来たり、
雪が早く降ったりで、
ここ本来の色鮮やかな景色を
眺めることはできていなかった。

でも、今年はいい。

これだけコントラストが
はっきりしているシーズンは
いったい
いつ以来のことだろう。

天気が良ければ
もっと美しく見えるはず。

それくらい、
生で見る景色は
素晴らしいものに感じられた。

これだけ美しい景色が
広がっている以上、
当然、川に降りて
みないわけにはいかない。

そうそう、
これが釣り人の性。

だって、
流れの中に立って眺める紅葉ほど
美しいものはないと
アングラーは皆、
よく知っているのだから。

……とかなんとか言いつつも、
ちゃっかり
タックル一式を携えて
川に降りたのは言うまでもない。

だってそこを流れるのは、
日本で二番目に長い川、
そう、石狩川なんですもの(笑)

とは言え、この日は
さすがにのんびりと
釣りを楽しんでいるほどの
時間の余裕はなかった。

だから、
川への降り口近くにある
めぼしいポイントを
とりあえず撃ってみることにした。

踏み跡の明瞭さ加減からして、
魚がハイプレッシャーに
晒されていることは
ほぼ間違いない。

それでも、
変わりやすい
この日の天気が味方してくれたようで
労せずして
連続バイトを得ることに成功。

実際は、
ちょっと道草を喰いに来ただけ。

それでこんな
ツーショットを撮影できたのは、
かなりラッキーな
出来事だったんじゃないかと思う。

ただ……

本当は、
スリーショットのはずだった。

もう一尾、
上の写真には
到底収まらないサイズのデカ鱒が
いけすの中に
確かに居たはずだったのだが、、、

そう、
実はこの直前に
大脱走事件が起こっていたのだ。

オショロコマ用の
ライトタックルを伸されながら
なんとかランディングした
50cm超のニジマス。

3魚種並べて
ハイ、パシャリ……

とやろうとした瞬間、
バシャバシャバシャっと
勢いよくいけすを破壊し、
元の住処へと
悠々と帰って行ったのであった。

まあまあ
あちゃ~とは思ったけど、
こういう時、
不思議と悔しさとかはない。

こちらを油断させておきながら、
突如、不意打ちを喰らわす鱒の賢さに触れ、
むしろ妙にほっこりとした
気持ちになったりもする。

鱒をこよなく愛する
変態アングラーの方なら、
この気持ち、
ちょっとはわかってくれますよね(笑)

ところで
このオショロコマ、
石狩川本流域らしい
独特の姿態をしていたので、
何カットか
追加で撮影させてもらった。

特徴としては、
体側の青みが強いこと。

腹部のオレンジ色との
グラデーションが
この川の鱒らしさを
見事に表現している。

う~ん、
オショロコマって、
何度観ても美しい魚だな……。

この日、
釣りと写真撮影の時間を合わせて
おおよそ1時間。

短い時間ではあったけれど、
層雲峡、石狩川という
素晴らしいフィールドのおかげで
濃密な時を過ごすことができた。

こんな
メジャーな観光地でさえも、
これだけの魚が
ストックされている。

やっぱり北海道は
トラウトパラダイスなんだな。

この後、
石北峠を越えて
オホーツク方面へと向かった。

峠の気温は3℃、
天気はみぞれ交じりの冷たい雨。

そして
右前方に見える十勝岳連峰は
うっすらと雪化粧していた。

雪虫の乱舞もはじまり、
季節はいよいよ
冬へとまっしぐら。

北国の秋は、
今、足早に過ぎ去ろうとしている。

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