今年の北海道は、
昨年と比べ
本格的な冬の訪れが
ずいぶんと遅れている。
この感じからすると、
天塩川泣きの
もう一回も
十分にありだな……
そんな思いを抱きつつ、
日々を過ごしていた。
本来なら、
先週末の土日が
そのベストタイミングで
あったのだろう。
だが、
どうしても外せない予定が
入っていたので、
半ばあきらめかけていたのだが、、、
週明け、
天候が徐々に悪化していくのは
十分承知していた。
それでも、
川が結氷するまでには
まだ少しだけ
時間的猶予がある。
ならば、
行動あるのみ。
やらないで後悔するくらいなら、
どんな結果になろうとも
やるだけやれば
納得感がぜんぜん違うからね。
けれども、
泣きのもう一回は、
アクシデントの
連続になってしまった。
まずは出発直後、
これ以上ないほど恐ろしい
ブラックアイスバーンが出現し、
前方では
大型トレーラーを含む
多重衝突事故が発生。
ルートを変更して
なんとか北上を続けることができたが、
その後もツルツル路面の連続で
かなり神経をすり減らす展開に。
そんなこんなもあり、
あらかじめ予定していた
ポイントに到着したのは
予定の2時間遅れとなってしまった。
それでも、
川は完全に開いていて、
十分に釣りが成立する状態。
12月にしては濁りが強く、
それが少し気になったものの
前回時よりも
川の雰囲気は悪くない。
うんうん、
これなら納得の釣りはできる。
そうそう
釣れる、釣れないは二の次。
何より
やり切った感を得ることが
今回のプチ遠征
最大の目的なんだから。
キャストを開始すると、
一投目からアメマスがヒット。

シーズン最終盤らしい
スタートと言えるだろう。
この時期のアメマスは、
一か所にかなりの数が溜まりがち。
カメラを
首に掛けながらの釣りでも、
バイトが止むことは
しばらくの間なかった。

とは言え、
アメマス溜まりを
撃ち続けたところで、
イトウに迫れる可能性は高くない。
まれに
アメマスを釣り切ってから
イトウがバイトしてくるパターンも
あるにはあるのだが、
その確率に賭けるには
残り時間が少なすぎる。
ということで、
すぐに移動を決断。
目指すは、
釣れればイトウだろうという
下流域のポイントだ。
このポイント、
エントリーが容易な分、
アングラーが
ひっきりなしに入っている。
けれども
イトウの付き場に
ちょっとしたクセがあるので、
先行者がいても
特に気にする必要はない。
そんな特徴があるのだ。
週明けの
月曜日にもかかわらず、
この日も
先行者の姿が……
仕方がないので
隣のポイントで
アメマスを釣って時間を潰し、
先行者がいなくなったタイミングで
エントリー。
そしてすぐに
狙い通りの展開になったのだが、、、

サイズ的には、
60cm台半ばといったところか。
もっと大きな魚がバイトしてくる
イメージを持っていただけに、
正直、ちょっと
「あれっ」となったのだが、
サイズに関係なく
ラストチャンスで
イトウにお目にかかれたことは
ただただ純粋にうれしい。
そしてこのイトウ、
浅瀬に誘導すると
ベイトを吐き出したのだ。

ん、ん、ん、
たぶんコレ、
ヤツメウナギだろう。
北海道には何種類かの
ヤツメウナギが棲息しているし、
イトウが吐き出したやつだから
希少種なのかどうかは判別不能。
もちろん、
見る人が見れば
判別できるのかも
しれないけれどね。

まあまあ、
これまでイトウが
トンギョやウグイを
吐き出したケースには
何度も遭遇しているけれど、
ヤツメウナギが出てきたのは
今回が初めてのこと。
食物連鎖の常識と言ってしまえば
まあそれまでなんだけど、
こんな残酷であると同時に
なるほどと思える
レアなシーンに遭遇できたことは、
たぶん一生の思い出に
なってゆくのだろうと思っている。
この日の釣りは、
これにて終了。
翌日は冬型の気圧配置が
強まる予報だから、
釣りが成立するか
どうかもわからない。
だから、
いつものように
川に礼をして
感謝の気持ちを示しておく。
そうすることで、
もしも翌日のエントリーが
叶わなかったとしても、
やり残したことはないと
胸を張って自分自身に言えるからね。
(DAY2へ続く)