天塩川ワンデイトリップ

今週、釣りに行くために
確保できた時間は1日だけ。

待ちに待った、
大型イトウのスペシャルウィーク。

なのに、
なんだかんだと
予定が詰まっているのが
何とも歯がゆい。

意識的に
広域をめぐるようにしている
ここ最近ではあるけれど、
この週だけは、やっぱり天塩。

そう決めてはいたものの
あいにくの天気が続き、
天塩川の水位は、
ここしばらく
かなり高い状態で推移していた。

それでも、
まったく手も足も出ないというほどの
ヒドイ増水ではない。

まあ、行ってダメなら仕方がない。
そんなふうに割り切って
深夜の高速を北へと向かった。

ところどころ凍結する路面に
随分と肝を冷やしながらの運転。

そう、この11月の路面が
一年でもっとも恐ろしいのだ。

それでも、
いつも以上に慎重な運転を心掛け、
午前7時には現地に到着。

分厚い鉛色の雲が
勢いよく頭上を通り過ぎてはいるけれど
時折、朝の日差しも差し込む
この時季の道北らしい空が広がっていた。

準備を整え、土手を降りると、
案の定、水位は高く、
河畔の木々も完全に水没。

濁りも
事前の想定よりもややキツイ。

う~ん、なかなか厳しい状況だな。

とは言え、
愚痴ったって仕方がないので、
ひとまずはキャストを開始。

だが、イトウが
潜んでいそうな緩流帯には
枯れ葉がものすごい密度で渦巻き、
ワンキャスト、
ワン枯れ葉ヒット状態。

あきらめて
流れのある場所を狙ってみるも、
今度は流れが速すぎて、
イトウが喰ってきそうな
雰囲気すら感じられない。

あ~、困ったな。
さてさて、どうしよう。

枯れ葉を避けるには、
やはり比較的流れが穏やかな
下流部に行くしかないだろう。

ノーストレスになることは
きっとないのだろうけれど、
少しはまともな釣りができるはず。

そう考えて、
藁にもすがるような気持ちで
下流部のポイントへと
移動することを決断した。

あらかじめ
狙いをつけていたポイントに到着。

とりあえず準備を整えて
河畔に降りてみるが、
水位が高すぎて
ポイントが消えてなくなっている。

あらあら、いよいよ絶対絶命。

こうなると、
可能性が残るポイントが
あと2カ所しか思い浮かばない。

そこでダメなら、オデコ確定。
そんな最悪の流れが
その時、まさに
できあがろうとしていたのだ。

一縷の望みを抱きつつ向かった
次なるポイント。

実はこの場所、
雰囲気は悪くないのに
もうかれこれ
10年近くもバイトが得られていない
相性最悪のポイントだ。

ここ天塩川にあって、
めずらしいほどの低打率。

プロ野球選手なら、
とっくにクビになっているような
驚くべき確率の悪さなのである。

そうは言っても、
状況が状況なだけに、
もう泣き言を言っていられるような
場合ではなかった。

「きっとダメだろう」という
ネガティブな感情は捨て去り、
ラストチャンスを逃すまじと集中。

キツイ濁りの入った流れに
ルアーを慎重に通していく。

カスッ、、、

ん…
なんだこの感触は。

またしてもフックが
枯れ葉を拾ったのか???

疑心暗鬼なまま
もう一度キャスト。

モォソ、、、

いやいや、
これは絶対に魚に違いない。

これは、
濁りが強い時に起こりがちな反応だ。

過去に濁りの入った天塩川で
何度も同じ経験をしている。

濁りで魚の視野が狭くなった時に
ミスバイトがかすかに手元に伝わる
一種の前アタリのようなもの。

だから、
必ずもう一度バイトしてくる。
そう、絶対に。

次のキャスト、
今度は、少しだけ方向を変え、
魚に長くルアーを見せることを意識。

そして…

ドン!

ついに、
待ちに待ったその瞬間が訪れた。

サイズは、ぜんぜん。

でも、この状況下で
苦労してバイトに持ち込めたことが
何よりうれしい。

いつも以上に重たい
天塩川の流れに翻弄されつつも
慌てずにファイトして
無事、キャッチに成功。

サイズは74cmと
やや物足りなくはあったが、
コンディションの良い
天塩川らしい見事なイトウであった。

実はこの魚、
隻眼であったのだ。

ちょっと心が痛むので
反対側からしか撮影をしなかったが、
この濁りの中で
しっかりとルアーを
バイトできるんだから頼もしい。

こちらの眼が
この魚の未来を左右する。

だから、
このカットを撮影して
すぐに回復を図りリリース。

これから先も
厳しい環境の中を
生き抜いていかなければならないが
是非、メーターを超えるサイズにまで
無事、育ってくれたらうれしい。

ドン!

ジジジィーーー

それは、
さっきのイトウをリリースして
一投目の出来事だった。

今度は、さらにサイズダウン。

なのに、
イトウとは思えないような
鋭い瞬発力を発揮して
必死の抵抗を繰り返す。

きっと、この水位では
心地よく定位できる場所が
限られているのだろう。

それゆえの
連続ヒットのようにも思えた。

キャッチしたイトウは
およそ60cm台後半。

ただ、銀色に光る魚体と
でっぷりとしたお腹が印象的な
グラマラスちゃんだ。

おそらく、海と行き来しながら
栄養を蓄えていたのだろう。

先ほどの魚以上に
見事なコンディションを誇っていた。

四苦八苦したけれど、
なんとか2尾のイトウに
出逢うことができて
もう十分に満足。

もう一カ所、
可能性のあるポイントが残っていたが
そこには向かわずに
ストップフィッシングとすることに。

今回は、
さすがにデコを覚悟したけれど
それでも、こうやって
ギリギリ絞り出せるんだから
やっぱり天塩川は
スゴイフィールドだ。

でも次は、
違うフィールドに足を運ぼうと思う。

そうしないと
ほぼ天塩川だけで
僕の釣り人生が
終わってしまいそうだからね。

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