この日は、
午後からの予定が
スッポリと抜けたので、
久しぶりに
本流に刺さってみることにした。
秋の日は
釣瓶落とし。
太陽はもう傾きつつあったので、
叩くのはこの瀬限定。
めぼしい駐車スペースには、
必ずと言っていいほど
アングラーの車が停まっていたので、
どっちみち撃てる場所は
限られるわけだし……。
流れに刺さってみると
水況は悪くないとすぐに理解できた。
ただ平日のこの日も、
朝から何人ものアングラーが
この瀬を叩いているであろうことは、
足跡などの痕跡から疑う余地なし。
ならば、
やるべきことはただ一つ。
瀬の中に
点在するであろう「竿抜け」を
丁寧に丁寧に
ひたすら撃っていくのみである。
ゴツン!
「やったか!」
と思ったのも束の間、
すぐにその正体が
何であるかを悟った。
もちろん、
この川でのメインターゲットは
暴走ファイターとして名高い
体高のあるニジマス。
だが、
仮にその正体が
外道であったとしても、
この激戦区で
鱒に相手をしてもらえるということは
それだけでありがたいこと。
しばし
そんなことを考えながら、
のんびりと
ファイトを愉しませてもらった。
今年は、
この川にもそれなりの数、
シロザケが
遡上しているようであった。
このアメマスは、
シロザケをストーキングしながら、
ひたすら卵を狙っていた
個体なのだろう。
ガツンと
バイトしてきたスポットから、
勝手にそんな
妄想をしてみたりもして……
結局、
この瀬で本命に出逢うことは
できなかった。
けれども、
一尾のアメマスと共に
充実した午後のひとときを
過ごすことができたので、
もう十分に満足。
久しぶりの本流、
やっぱり本流には
本流ならではの良さがある。
今さらながら、
この日の午後は
それを再認識する有意義な時間に
することができたかな……。