GF然別湖 5週目のミヤベイワナ

さてさて、前回からの続きとなります。

この1週間ほどの間に、
湖水が一気にクリアになった然別湖

この急激な変化は、この時期になると
毎年、決まって繰り返されます。

こうした変化が起こる理由としては、
水温の上昇とともに、
水中に漂っていたプランクトンが
ある一定のところで
急激に分解されるためという説が有力。

濁度に変化が起こることで、
良くも悪くも
魚にいろいろな影響が及ぶのは
ここ然別湖も例外ではありません。

魚たちにフォーカスした時、
このタイミングで起こる
変化として顕著なのは、
まず、ニジマスの活性が上昇すること。

ただ、湖水の濁度が下がること、
すなわち透明度が高くなることと
ニジマスの活性が上がることに
直接的な因果関係があるかと言えば、
それを合理的に説明するのは
やや難しいのかなという印象があります。

むしろ、湖水の濁度が下がるのと
ほぼ時を同じくして
虫たちの動きが活発になることが
ニジマスの活性に
大きな影響を与えていると考えた方が
より自然なのかもしれません。

そしてもうひとつの目立った変化が、
ミヤベイワナの体色。

然別湖の湖水は、クリアになっていくほど
徐々に青みを増していきます。

それに伴って、
緑色だったミヤベイワナの背中に
少しずつですが、ほんのりと
ブルーの色彩が広がりはじめるんですね。

これが、ミヤベイワナの体色が
グリーンバックからブルーバックに
変化をはじめるサインのようなもの。

そこから季節の進行とともに、
ミヤベイワナの体色はさらに青みを帯び、
やがて、神秘的とさえ称される
"ブルーバック"の個体が
出現するようになるわけです。

下の写真は、6月23日(日)に行った
釣獲調査時に釣りあげられたミヤベイワナ。

カラダ全体が緑色の色彩に覆われた、
"グリーンバック"の典型
とも言えそうな個体ですね。

けれど、ズームインしてみると
背中の上部だけ、
ほんのりと青色を
帯び始めているようにも見えます。

青色と言っても、
いわゆるエメラルドグリーン的な
イメージに近い発色。

私が最も美しいと感じる
瑠璃色に変化するまでは
まだちょっと時間がかかりそうな
雰囲気ではあります。

"ブルーバック"と呼べる個体の画像は
こちらのページにアップしてありますので、
是非、比較してみてください。

今年は、ミヤベイワナたちの体色が
これからどのように変化していくのか、
興味は尽きません。

この感じで行くと、
7月1日(月)までの然別湖特別解禁
ファーストステージ開催期間中に、
完全な"ブルーバック"
と呼べる個体に出逢えるかは
かなり微妙な線ではあります。

それでも、この画像の個体よりは
"青色の発色が強い"ミヤベイワナに
出逢える可能性はかなり高いと
言っていいでしょう。

上段で触れたように
"ブルーバック"の出現と
湖水の色は密接にリンクします。

よって、少しでも青みがかった
ミヤベイワナとの出逢いを目論むなら、
湖水がより青く見えるスポットを
入念に探るのが近道。

そうすると、そこは、
必然的に湖の中央付近が多くなります。

ただ、湖水は、
1日の中でも大きく動きますから、
同じ場所に固執することなく、
柔軟に場所を移動していくことも必要。

その"さじ加減"が
とても重要になると言えるでしょう。

岸際でリアルな
"青いイワナ"の写真を撮ろうとするならば、
美しい色が褪せてしまう前に
ミヤベイワナを
岸際まで誘導しなければなりません。

先ほどの画像の魚は、
水から一度も出すことなく
岸際まで誘導することに成功し、
間髪入れずに撮影したのですが、
ヒットした場所が
岸からやや離れていたこともあって、
実際のところ、
ヒット直後と比べると
確実に色が褪せてしまっている印象です。

それ以前の問題として、
もし、湖の中央付近で
ミヤベイワナをヒットしたとすると、
岸にたどり着くまでの間に
残念ながら、
フックが外れてしまうことも多いでしょう。

「バーブレスフック限定」という
レギュレーションは
絶対に守らなければなりませんから、
バレのリスクは
すべて受け入れなくてはなりません。

よしんば、今回のように
首尾よく岸際に誘導できたとしても、
色褪せを避けられないケースも
多々あるのですから、
最高の状態を維持したままの
ミヤベイワナを写真に収めるのは難しい。

かと言って、
一度でも魚を水中から上げてしまうと、
魚にかかる負担は想像以上に大きく、
魚体から放たれていた美しい色彩は、
瞬時に色褪せてゆきますから、
水槽などに入れて運ぶという方法も
およそ得策とは言えないわけです。

そうすると、
できるだけ岸から距離の近いところで、
"青いイワナ"を
ヒットさせなければならないことになり、
やや矛盾しているようにも聞こえる
このミッションをクリアするためには、
多少の運が味方してくれることも
当然、必要になってきます。

それでも、湖流や風などの条件が揃えば、
岸から極端に離れることなく
"青いイワナ"をヒットさせる
チャンスは必ず訪れるので、
何度も然別湖に通いこみ、
あえて難しいミッションに
果敢にトライしてみるのも
面白いのではないでしょうか。

深場に落ちたミヤベイワナを狙う方法は
こちらのコラムでも紹介していますので、
是非、参考にしてください。

決して平坦ではない
"ブルーバック"への道のり。

だからこそのやりがいと
たどり着いた先にある珠玉の1尾。

鱒をこよなく愛するアングラーの方が
"青いイワナ"を手にして
思わず心震わせるシーンを
1度でも多く、
目にすることができたらいいなと思います。

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