一昨日は大都会札幌で、
6時間しゃべりっぱなしのお仕事。
やりがいもあって
とっても素敵なお仕事だったんだけど、
体力の衰えが目立つオッサンには、
ちょいと堪えた。
その疲れを引きずっていた昨日は、
終日デスクワークの予定・・・
・・・だったんだけど、
PCとにらめっこしているのが
なんだかとってもツライ。
どうやら疲れていたのは
カラダよりも
ココロの方だったみたい。
アーとかウーとか言いながら
キーボードを叩いていても
仕事なんぞ、はかどるわけがない。
そんな時、
ふと頭に浮かんできたのが
支笏湖の情景。
「あ~、もう無理!」
ついに理性という名のタガは外れ、
仕事サボりを決断。
早いお昼ご飯をかき込んで、
現実から逃げ出すように
支笏湖へと車を走らせた。
あまりに衝動的な行動だったので、
気象情報すらちゃんと調べていない。
さすがに
そんなんじゃ勝負にならないので、
少しばかり車を停めて
スマホで天気予報をチェック。
昼過ぎから夕方にかけて
やや強い南寄りの風が吹き
弱い雨が降る予報になっていた。
その時点ではまだ
おひさまが差していたから、
結果的にちょうどよいタイミングで
出陣することになったようだ。
天気予報を確認し、
どこのエリアに入ろうか
自分自身に問うてみる。
なんだかんだ、
今年、秋の支笏湖に刺さるのは
この日が初めて。
そんなこともあって、
釣れる釣れないはともかく、
雰囲気の良い場所に
エントリーしたいなというのが
素直な気持ちであった。
そうすると、
北岸は条件がよさそうだけれど、
テトラの上で釣りをするのは
ちょっと味気ない。
ならば、南岸で、
横から波が入ってくるエリアに
入ってみようかな。
思ったよりも
スンナリと方針が決まった。
ん・・・!?
「秋の支笏湖」って、
表現としてどうなの?
確かに、まだ11月ではあるけど、
景色はもう秋じゃないよね。
狙いを付けた
南岸のポイントに向かうと、
近くに先行者の姿はない。
この日は特に
せわしない釣りをしたくなかったので、
誰もいないところで
のんびりと釣りができるのは好都合。
しかも、湖畔に出ると
イイ感じの波が当たっていて、
なんだか釣れそうな雰囲気すら
漂っているではないか。
その様子を見て、
それまでのまったりモードから一変。
フツフツと湧き立つ邪念が、
「早くキャストしろよ!」と
急き立てるように背中を押す。
キャストを開始すると、
適度なカレントが効いていて、
引き心地もなかなかいい感じ。
大して秋シーズンの
データも持ってないくせに、
ひとりテンションは上がり続けた。
釣れるイメージができている時、
リトリーブのリズムは
自然と良くなるもの。
釣りを始めて10分足らずで
ロッドティップに伝わる
かすかな違和感を捉えた。
渾身のアワセを入れると、
ロッドティップは一気に引き込まれ、
次の瞬間、魚がジャンプ。
魚種はブラウン。
サイズは、60cm以上
70cm未満と言ったところか。
どうやら、
フッキングは大丈夫そうだ。
そこからは、
時折響く心地よいドラグ音に
耳を傾けながら、
しばし至福の時を堪能する。
そして、無事ネットイン。
おお、鼻曲がりのイケメンじゃないか。
サイズも70cm近くはある。
少し色が出始めているが、
魚体にハリがあって健康状態も良好。
いや~、やっぱり
仕事はサボってみるもんだな(笑)
きっとこの時、
そんなナメ腐ったこちらの心理を
ヤツは確実に見抜いていたのだろう。
それは、即席のいけすに
ヤツを安定させ、
バッグからカメラを取り出そうとした
瞬間の出来事だった。
バシャバシャバシャバシャ!!!
尖った頭を掘削機のように使って
即席のいけすを見事に破壊し、
ヤツは悠然と
湖に姿を消してしまったのだ。
あ~あ、やっちまった。
これじゃ、キャッチした証拠も
何も残らないじゃないか。
まあ、記憶には残っているから
それはそれでいい。
魚を傷つけたくないし、
できるだけキレイな姿を
写真におさめたいというエゴもあって、
こうした事態が起こるのも
一応は織り込み済み。
でもね・・・
カッコよかっただけに
ワンカットでイイから、
写真撮らせて欲しかったなあ~
それが正直な気持ちだった。
仕事サボりを正当化してるから
そんなことになる。
もはや天罰みたいなもんだから、
それは甘んじて受けるほかないのだ。
その後、湖には虹がかかった。
天罰は喰らわされたけれど、
気が付けば、
いのちの洗濯は無事完了したようだ。
魚の写真がないのはやや心残りだが、
これ以上粘る理由もない。
充実した気持ちと
少しの後悔を胸に抱えながら
雨に煙る支笏湖を後にした。
今度こそ、
ちゃんと仕事を整理してから
釣り場に向かわなきゃダメですね(笑)