偶然の出逢い

昨日は、もともと出張の予定が
入っていたのだけれど、
コロナの影響を考慮して、
双方合意の上、キャンセルに。

今は無理をする時期じゃないし、
もちろん、仕事が減るのは痛いけれど、
なによりいのちが大切。

コロナ騒動が起こる前を
スタンダードと考えるから、
いろいろと文句が出てくるわけで、
今がスタンダードと考えれば、
収入が大きく減っていても
いのちがつなげるのなら、
それで満足しなきゃいけない。

だって、いのちさえあれば、
必ずいい時もやってくるのだから・・・

内職の予定がなかった日に、
一日、室内にこもるのは
僕の性格上、ちょっとキツイ。

たまには、
昼の釣りもいいかな。

そう思って、めずらしく
午前中から支笏湖へと向かった。

予報では、北寄りの風が
4mくらい吹くことになっていたけれど、
現地に着くと、北西から2mくらい
ゆるやかに風が吹いている程度。

ローライトコンディション
であることを除けば、
大きな期待感を抱けるような
状況には見えなかった。

ただ、朝から
気温が低かったこともあってか、
ここしばらくの状況と比べれば、
アングラーの数は確実に少ない。

最近にはめずらしく
支笏湖トンネル周辺の
ポイントが空いていたので、
まずは、様子を見てみることにした。

湖畔に降りて
早速キャストを開始してみるも、
やっぱり異常は起こらない。

引き抵抗はそれなりにあるし、
見た目ほどは
絶望的な状況ではなかったけれど、
昼間の釣りは、
やはり難易度が上がるのだ。

感覚的に言うと、
魚の目の前をルアーが通るケースは
何度かはあったはず。

でも、口を使わすことができていない。
そんな状況だったと思う。

湖畔でランチを楽しんだりしながら、
のんびりと3時間近く探ってみたが、
やっぱり、アタリは出ず。

これ以上粘っても仕方ないので、
もう少し波の当たっているポイントに
移動することにした。

移動中、国道には、
やはり何台もの
アングラーの車が停まっているが、
それでも、入る場所がない
というほどの状況ではない。

しばらく走ると、
めずらしく虹鱒橋が空いていたので、
衝動的にハンドルを切ってしまった。

人気の割に期待値が高いポイントだとは
思っていないのだけれど、
しばらく来ていなかったから、
ちょっと様子を見てみたかったのである。

湖畔に降りると、
トンネル付近よりは
やはり雰囲気がいい。

左から右への風で、
それほどいい条件と
いうわけではなかったけれど、
ローライトだし、
何となくチャンスはありそうかな。

そんな、ゆるゆるな感じで、
キャストを開始した。

周辺を2時間ほど探ってみたけど、
やっぱり異常なし。

はっきりしたバイトはもちろん、
ちょっと怪しいなという違和感すらない。

まあ、こちらが魚に
アジャストできていないことだけは明白。

だって、コレだけ歩いて、
魚の目の前を
一回もルアーが通ってないなんて言ったら、
支笏湖の魚たちに笑われちゃうよね(笑)

体力的にもキツくなってきて、
集中力もだんだんと低下。

息が切れるたびに小休止を入れながら
ここまで5時間も
キャストを繰り返してきたけれど、
さすがに限界は近づいていた。

「もうそろそろ、やめようかな。」

湖畔の大岩に腰を下ろして、
納竿のタイミングを推し量りながら、
いつもの麦茶を喉の奥に流し込んでいると、
急に風向きが変わり、
風裏で休んでいたはずの僕に顔面に
冷たい風が吹きつけるようになった。

それに伴って、
左から右に向かっていた波も
正面からこちらに向かってくる方向へと
少しずつ変化していく。

「釣れるなら、今だな」

はっきりと、
そう、確信できる状況だった。

逆に言うと、
このタイミングで何も起こらないなら、
この日は僕の完敗ということ。

そんなふうに潔く
気持ちの整理ができた時、
人間の集中力は極限まで高まる。

ドン!

その瞬間が訪れるまで、
麦茶を飲み干し、重い腰を上げてから
2分とかからなかったと思う。

ジィーーーーーーーーーーーーーーーー

えっ!?

なんか、魚がいつもと違うんじゃない。

集中力は高まっていたけれど、
ヒット直後の魚の挙動は
さすがにちょっと想定外。

そうは言っても、
こっちにできることは、
あわてず冷静に対処する以外にはない。

しばらく押し問答を続けていると
やっと魚の正体が見えた。

魚の体力を
ロッドを通して聴きながら
距離感を少しずつ詰めていく。

エイ!

おー、入った。

やっぱりいつもとは違ったよね。

正体は、いいサイズのニジマス。

産卵は終わっていたけれど、
まだアフターな感じで、
これでも本来のパフォーマンスには
程遠かったのだと思う。

それでも、
このヒレが生み出す推進力はさすが。

本来は、
もう少しそっとしておきたい魚。

でも、この姿を見ちゃうと
やっぱり、正直うれしい。

サイズは、61~62cmくらい。

元来、僕のフィッシングスタイルと
支笏湖のニジマスの相性は良くないから、
もしかすると、
支笏湖でキャッチした
最大サイズのニジマスかもしれない。

とは言え、
サイズなんておまけみたいなもの。

5時間やって何もなかったのに、
たった2分で形勢が逆転するんだから、
やっぱり湖の釣りは愉しい!

まあ、狙って釣ったなんて
声高に言えるもんじゃなくて、
ちょっと小難しい言葉を使えば、
”邂逅(かいこう)”とでも言うのかな。

そう、偶然出逢えただけ。

内容で負けて、勝負に勝つ。
フットボールシーンでたまに見かける
ジャイキリのように。

たまにはそんなことがあったって、
バチは当たらないよね。

あれっ、先月も似たようなこと、
言ってたっけな(笑)

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする