ヤマメ釣り行脚 ~午後の部~

午前の部からつづく)

まずは水分補給を、と
長万部のコンビニで見つけた
缶入りのドクターペッパーを
一気に喉の奥へと流し込む。

関東では
どこでも普通に売っていた
ドクターペッパーだが、
北海道で見つけるのは
意外にも難しい。

商品棚に並んでいるのを見つけると、
なんだか懐かしくなって、
ついつい衝動買いしてしまうクセ。

いい歳なんだから
もうそろそろ
どうにかしたいものだよな~(笑)

そんなこんな昼食を摂りながら、
次はどこへ向かおうかと
しばし思案してみる。

まだ時間もあるから、
もう少し、南下してもいいだろう。

ということで、
今シーズンはまだ
エントリーしていなかった
国縫川の様子を
少しだけ見てみることにした。

川に到着すると、
未だ先週の増水の爪痕が
くっきりと残されているではないか。

確かに、このあたりの川では
氾濫注意水位を超えたところも
いくつかあったのは知っていた。

それでも、
底石が掘り返されていたり、
大きな流木が淵に沈んでいたりして
その爪痕は想像以上。

果たしてヤマメが無事なのかどうか
少し心配になるくらいの
川の荒れ方であったのだ。

いつもならすぐにバイトが出る
ポイントを攻めてみるも、
まったくの無反応。

そこから、少し釣り下ってみても、
なかなかアタリは出ない。

底石の様子を見ても
やっぱり、大増水の後遺症が
無視できない程度に
残っていそうな雰囲気ではあった。

それでも、
しばらく釣り下った
チャラ瀬でのこと。

ようやくヤマメの
アタリをとらえることができた。

サイズは、20cmほど。

それでも、
この川らしい姿をした
美しいヤマメである。

その後、同じポイントで
同サイズを追加。

おかげでタンデムカットも
ササッと撮影することができた。

ところでこの国縫川、
地質学や火山学などの世界では
グリーンタフの
地層があることで有名らしい。

そのためか、
今回の増水の影響で
上流から流されてきたとおぼしき
緑色の石がたくさん転がっていた。

せっかくだからと思って、
緑色の石だけを並べて
ヤマメの背景にしてみたのだが、
するとみるみるうちに
魚の体色が薄くなっていく。

うわ~、魚の擬態って、
本当に瞬間技なんだな。

いつもどおりとはいかなかったが、
国縫川でも、
なんとかヤマメを
キャッチすることに成功。

すぐに、次の移動先を考える。

久しぶりに
遊楽部川に行こうかとも
考えたのだけれど、
八雲町内ではつい先日、
飼っていたヤギが襲われたばかり。

肉の味を覚えたクマほど
恐ろしいものはないから、
今回は、やっぱりやめておこう。

そうすると、
これ以上、南下するのも違うかな。

ならば、地理的にも移動しやすい
後志利別川にでも
久しぶりに行ってみるか。

久しぶりに訪れた後志利別川は
かつてのイメージと変わらず
田んぼの中を縫うようにして流れていた。

知名度こそ今金男爵に譲るが、
このあたりは道南有数のコメどころ。

道内で言えば、
尻別川しかり、石狩川しかり。

道外で言えば、
魚野川しかり、九頭竜川しかり。

いい川が流れているところに
うまいコメが育つのは、
全国共通の普遍的ルールなのである。

川に入ると、
ここまで立ち寄った川よりも
幾分水温が高いように感じられる。

そう、この後志利別川の上流には、
美利河(ピリカ)ダムがあるのだ。

このダムは、
僕が長万部に住んでいた頃に
ちょうど完成したのだけれど、
何を隠そう
高機能な魚道が設置された
当時の最先端を行く
環境配慮型ダムなのだ。

ダムの稼働後も、
少なくとも数値上は
下流域での水質悪化も見られないほど
かなりのスグレものなのだけれど
さすがに水温に及ぼす影響だけは
どうにも避けられないらしい。

ここ最近、
異常気象が常態化する中で
いっそう注目度が増している
ダムの功罪。

治水対策と環境保全の両立は
やっぱり難しい課題なのだと
改めて実感した瞬間でもあった。

水温の影響は、
実に正直だった。

この川で
最初にバイトしてきたのは、
大型のウグイ。

いかに瀬尻とは言え、
一定の流速がある場所で
ウグイが喰ってくるというのは、
高水温時の定番パターンだろう。

仕方がないので、
流れの緩いこんな大場所は
選択肢から完全に消去。

ガンガン瀬を中心に
流速のある場所だけを攻めてみる。

すると、
狙い通り、ヤマメが喰ってきた。

が、すぐにフックアウト。

明らかに良型だったから、
なんとか獲りたかったけど
悔やんだところで
済んだことは仕方がない。

気を取り直して
ランガンしていくと、
3つ先のポイントで、
ようやくヤマメと出逢うことができた。

サイズは、22cm。

う~ん、なかなか
サイズアップしないな・・・

でも、今日、
これまでに出逢ったヤマメより
確実に魚体が肥えている。

そうそう、
それは田園地帯の
里川で釣れるヤマメそのもの。

ちょっと太ったそのヤマメの姿に
水田に囲まれた周りの景色も相まって、
まるで本州の里川で
釣りをしているんじゃないかと
思わず錯覚しそうになってしまった。

その後もキャストを続けるが、
次のアタリは遠い。

ここは人気河川ゆえ、
人為的プレッシャーの影響も
あるのかもしれないが、
魚影もさほど濃くはないようだ。

そうこうしているうちに
時刻は、もうすでに夕方。

目の前に広がる深瀬を
この日最後のポイントと決め、
瀬頭を中心に丁寧に攻めていった。

するとここで、
今日一番のアタリをとらえた。

騒ぐほどではなかったが、
サイズアップは間違いなさそうだ。

慎重にやり取りして、
無事にランディング成功。

まあまあサイズの
キレイなヤマメであった。

サイズを測ると、26cm。

大型ではないが、
十分に納得のサイズ。

やはり、これくらいのサイズになると、
ヤマメらしい精悍さが
表情に浮かんでいるようにも見える。

うんうん、
やっぱりヤマメはいいな。

これにて、
この日のヤマメ釣り行脚は終了。

帰りがけ、
せっかくここに来たならと
A-COOP今金店に立ち寄って、
僕の大のお気に入り、
小西豆腐店さんのざる豆腐を2つ購入。

やっぱり、この豆腐は
何度食べても感動的に旨い!

そうそう、
おいしい豆腐って
名川の流域で
よく見かけるんだよなあ~。

加えてここ今金町では
良質な大豆も手に入るし、
つくりてのこだわりも超一流。

そりゃあ、
旨い豆腐が誕生するわけだよな。

結局、大型魚にこそ出逢えなかったが、
回った4つの水系すべてで
美しいヤマメと出逢うことができた。

水系や棲息環境によって
色合いやパーマークの形も違っていて
そんな多様なヤマメの姿を
たった一日の中で拝めるとは、
なんて贅沢なんだろう。

日帰りにしては、
やや強行軍になってしまったけれど、
十分にその甲斐はあった。

さてさて、
次はどこの地域を行脚しようかな?

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