天塩ニジマスの現在地

週中は、
お仕事で道北方面へ。

昨日は、
終日移動日だったので、
これ幸いとばかりに
天塩川に刺さってみる。

ただ、今回、
イトウ狙いは完全に封印。

ひさかたぶりに
天塩川本流で
ニジマス狙いを
敢行してみたのであった。

ところで、
天塩川でニジマスを狙ってみようと
思い至った背景に、
これといった
狙いがあったわけではない。

そう、ただ単純に
「そういう気分だった」のだ。

他方、あまりにも簡単に
デカニジが釣れすぎてしまい、
ちょっと興ざめして
天塩川中流域から
足が遠のくこと十数年。

ここ最近は
「めっきり釣れなくなった」と聞く
フィールドの現状を、
自分の感性で
ちゃんと確かめてみたいというのは
潜在的な意識の中に
ずっとあったのだと思う。

もちろん、
この十数年の中でも、
何度かは天塩川本流で
ニジマスを釣っている。

ただ、そのすべてが
「ちょっと寄り道」的な感じで、
フィールドの状況を
ちゃんと確かめられてはいなかった。

だから今回は、
気持ちを入れ直して
“ちゃんと”
釣りをしてみたというわけ。

そうすることではじめて、
天塩ニジマスの現在地が
ぼんやり見えてくるんじゃないかと
にわかに期待したからである。

今日は、
先に結論から
書いてしまおうと思う。

確かに
魚の数は減っていて、
サイズの平均も10センチ単位で
下がっているとは感じた。

ただし、
魚の数が半分になったとか、
1/3になったとかは
明らかに言い過ぎ。

いるスポットには
ちゃんと付いているし、
実際、全盛期の7~8割の頻度では
魚の反応を捉えることが
できたような気がしている。

ただし、
サイズ以外で
全盛期と明らかに異なる点に
気づいた部分もあった。

それは、
ニジマスの付き場だ。

大局的に言えば、
士別でも、名寄でも、美深でも、
淵でも、トロ瀬でも、ガンガン瀬でも、
特に大きく変わった
というほどのことはなかったと思う。

けれども、
各ポイントを細分化して考察してみると、
魚が定位しているポジションが
以前とは明らかに
変化したように感じられたのである。

全盛期は、
オープンウォーターに
無造作にルアーをキャストしても
魚が躊躇なく
バイトしてくることがほとんど。

だから、
特別な戦略なんて要らなかったし、
それっぽいポイントに入ってしまえば、
労せずして
スコアはどんどん積み重なっていく。

かつては
そんな感じだったと記憶している。

が、しかし、
昨日は、ちょっと様子が違った。

そう、ただ漠然と
それっぽいスポットに
ルアーを通すだけでは、
魚がなかなか口を使ってこないのである。

結局、
4か所のポイント回って、
キャッチしたニジマスの数は
二桁に及んだ。

ただし、
そのどれもがスプーキーな魚で、
一筋縄では
攻略できない魚ではあったと思う。

もし、余裕をぶちかまし
全盛期と同じようなアプローチで
魚たちに挑んでいたとしたら、
スコアはゼロだったかもしれない。

率直に言って、
それくらいの感触であった。

とは言え、
そこは圧倒的なスケールを誇る
天塩川本流のニジマス。

尻別川本流に潜む
大型ニジマスに見るような
極端に臆病な面や
研ぎ澄まされた賢さは感じられない。

だから、
丁寧に狙いさえすれば
キャリアの浅いアングラーにだって
攻略可能なレベルの話。

反面、
かつての成功体験そのままに
思考停止状態で
魚たちにアプローチしようものなら、
撃沈は免れない。

さじ加減的には、
そんなイメージでいいように思う。

つまるところ、
魚が釣れなくなると、
「魚がいなくなった」論が
隆盛を極めるのは
どこのフィールドも同じこと。

きっと、
ここ天塩川のニジマスも
例外ではないのだろう。

確かにニジマスの数が
一定程度減ったのは事実。
けれども、一般に言われているほど
深刻な状況であるとも到底思えない。

これが、
昨日、実釣してみての
正直な感想だ。

もちろん、
たった一日で
すべてを推し量ることなんて
到底無理な話。

ただ、
「釣れた=魚がいる」という図式が
普遍的なものであるということだけは
ここで強調しておきたいと思う。

そうそう、
少なくとも
魚がぜんぜんいないとか
そういうことじゃない。

ここは、
天塩ニジマスの現在地を評価する上で、
とても重要な
ポイントになるんじゃないかな。

ちなみに、
昨日の最大魚は、
この童顔の53cm。

口元には
過去に釣られた痕跡が残っていたし、
天塩の魚、
そしてこのサイズにしては、
それほどコンディションがいいと
言えるほどではなかったかな。

むしろ、
イイ魚だなと思わせてくれたのは
こっちのほう。

サイズこそ
40cm台後半なのだが、
魚体はブリブリで、
そのパワーはいっちょまえに
本流ニジのそれだった。

今回は、
調査的な意味合いの強い
釣りになってしまったのだけれど、
久しぶりに刺さった天塩川中流域は
やっぱり魅力的なフィールドだなと
あらためて認識させられる結果に。

個人的には、
サイズが下がったと言っても
アベレージは40cmを超えるのだし、
全盛期よりもむしろ今のほうが
より高い戦略性が求められる分、
純粋に釣りが面白いと感じられたかな。

普段、犀川などの
超激戦区で鱒と対峙している
アングラーの方なら、
間違いなく即通用のレベル。

まだまだコロナの感染状況は
予断を許さないけれど、
遠征が叶う状況になったら、
天塩ニジマスにも
是非、挑戦してほしいですね。

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