2020 釣り納め DAY3(最終日)

前回からつづく)

完デコが
すぐそこにまで迫っている
2020釣り納め釣行
最終日の朝、
意を決して向かったのは
昨年、ニジマスの
好釣果をもたらしてくれた場所。

でもそこは、
特段、ポジティブな理由があって
選んだポイントではなかった。

困ったときの最終手段としては
過去の実績と
その時に直感を信じてみるしかない。

そう、そうする以外、
もはや打つ手は
残されていなかったのである。

ポイントに到着したのは、
まだ完全には
夜が明けきらない時間帯。

いつもの年なら、
ほぼ貸し切り状態の
ポイントなはずなのだけれど、
この日は、直後に
3人のアングラーがエントリーしてきて、
僕らの両側を囲むような状態に。

これはもう、
人気フィールドにエントリーする時の
いわば宿命みたいな
ものではあるのだけれど、
こうなってしまうと、
ほとんど身動きをとることもできず、
なんだかとても息苦しい。

とはいえ、その状況に
強いストレスを感じたところで
何もイイことはない。

要は、その時にできることを
ただ愚直にやり続けるしかないわけで、
そこは割り切って
目の前の釣りに集中。

キャストしてはリトリーブ、
キャストしてはリトリーブという動作を
ただひたすらに繰り返していく。

エントリーしてからおよそ1時間、
やはりというか何というか、
僕らがキャストするルアーには
何の異常も起こらなかった。

後からエントリーしてきた
アングラーたちも同様の状況。

そんなこともあって、
ポイント全体が
なんだか淀んだ空気に包まれる。

う~ん、
やっぱり今シーズンの屈斜路湖は
明らかに何かがおかしい。

ここまでは、
頭に浮かんだ悪い予感が
すべて的中している状態。

さらに、何をやっても
状況を打開できずにいるのだから
当然、メンタルも
徐々に下降線を描くことになる。

ただ、あきらめたら
その瞬間にすべては終わり。

水中にルアーがある限り、
いつ何時、予期せぬバイトが
訪れるかもわからないのだから・・・

ガツン!

ロッドを握る
僕の右手に衝撃が走ったのは
本当に突然のことだった。

ただ、そのワンチャンスを逃すことが
いったい何を意味するのか
十分すぎるほどの自覚があった分、
集中力の欠如もなく、
しっかりとカラダが反応。

強く大きくアワセを入れると
期待どおり
ロッドは美しい弧を描いている。

ヨシ!

うまくアワセは決まったのだが、
なんせ、外気温はー8℃。

慎重にやり取りしないと
ガイドが凍り付いて
ドラグがうまく
機能してくれない。

まあ、事前にガラコを
たっぷりと塗ってあるから、
凍ったガイドを
湖水で融かしながらやり取りすれば、
なんとか獲れるはず。

そう自分に言い聞かせながら
ゆっくり、焦らず
魚との距離を
少しずつ詰めていった。

エイ!

お~、入った。

普段ならそれほど苦労せずに
ネットインできる魚でも、
いざランディング態勢に入ってみると、
ネットが凍って
フライパン状になっていたりして、
厳寒期はいろいろと
気を遣うことが多いもの。

その分、ネットインに
ややモタつく場面はあったものの、
無事にキャッチに成功。

目の前では、
ビカビカの姿をしたニジマスが
その魚体を
キラキラと輝かせている。

そうそう、この湖では、
100尾のアメマスを釣るよりも
たった1尾のダイアナと呼ばれる
ビカビカのニジマスを
キャッチすることを優先したい。

たとえ舞台が
厳寒期の湖であっても、だ。

少ない確率でも、
ビカビカのニジマスを
選択的に狙える可能性があるのなら、
マイスタイルを
あえて変えないといけない理由はない。

郷に入っても、郷に従わず。

そんな僕のこだわりが、
この時、
まさにピタリとハマったのだ。

だからこそこのニジマスは、
僕にとって、いつも以上に
うれしい一尾となったのである。

サイズを測ると、59cm。

残念ながらLLサイズには
少しだけ足りなかったけれど、
もう、この魚体を拝めれば
何も言うことはない。

それまでの苦労なんて、
一瞬にして
全部吹っ飛んでしまう。

どんなに苦戦が続いていても
決して信念を曲げることなく、
ビカビカのニジマスだけに
ターゲットを絞る。

ちょっとばかりストイックな
フィッシングスタイルではあるけれど、
こうやってちゃんと
報われる瞬間が訪れるのだから
やっぱり簡単には
やめられないよなあ~(汗)

結局、午前の部は、
このワンバイト、
ワンキャッチで終了。

どうにもこうにも
厳しい状況は続いていたが、
スコアボードには
ついに「1」という数字が
刻まれることとなった。

こんな体験をすると
やっぱり釣りの世界では
「0」と「1」との間に
比べようもないほどの
大きな隔たりがあるのだということを
改めて実感したりもする。

だからこそ、
どんなに厳しい状況に置かれても
あきらめないことが何より肝心。

そうすることで、
真っ暗にしか見えなかった未来に
突然光が差し込むことだって
たまには起こりうることなのである。

この後、
休憩を挟んで挑んだ午後の部。

やはり
今シーズンの屈斜路湖は
優しく接してなどくれない。

ザブンザブンに荒れ狂った湖は
僕たちアングラーを
簡単には寄せ付けて
くれなかったのである。

いくつかのポイントを
回ってみたのだけれど、
どこも波が高すぎて
まともな釣りが成立しない。

最後に残された手段は
わずかにひとつだけ。

かろうじて
風裏のポイントができる
オサッペの
旧インレット周辺に移動して、
キャストできる範囲を
細々と探っていくほかなかったのだ。

もはやノーチャンスかと
思われる状況の中ではあったが、
あきらめなければ
予期せぬことが
起こったりするもの。

なんと、
ポイントに到着したその一投目に
カミさんのロッドが
大きく弧を描いたのだ。

大きな波がザブンザブンと
押し寄せる中でのことだったので、
ランディングにはひと苦労。

何度か、寄せては出され、
寄せては出されを
繰り返すこととなった。

それでも、
なんとか無事にネットインに成功!

サイズこそ50cmを
少し超える程度ではあったが、
そのイカツイ表情は
なかなかのもの。

これだけ厳しい状況下において
最終日の夕方に
スコアをひとつ積み上げられたことは
とっても大きな成果だったと思う。

もちろん、その立役者は
僕じゃないんだけどね(笑)

湖岸に激しく波が
打ちつける中ではあったけれど、
魚に過度な負荷をかけない範囲で
あと数カットだけ
写真撮影させてもらう。

その後、しっかりと
魚のコンディションを回復させて
リリースも無事完了。

この15年間でもっとも過酷な
屈斜路湖釣り納め釣行は
こうして、なんとか無事に
幕を下ろすことになったのであった。

今回は、非常に厳しい
釣行にはなったけれど、
それでもちゃんと
スコアを絞り出せるのが
屈斜路湖というフィールドの
マジでスゴイところ。

屈斜路湖、
なんだかんだ言っても、
ここはやっぱり
素晴らしいフィールドだな。

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