今あるべきイトウとの接し方を探る

7月の猛暑と渇水の影響で
イトウの大量死が報告された
今年の道北地方。

この秋、
猿払村内を流れる河川での
イトウ釣り自粛要請が
地元自治体から発出されるなど
アングラーの間でも
大きな波紋を呼んでいる。

その一方、
どこの河川で
どの程度の数のイトウが死んだのか、
という点について、
正確な報告があるかと言えば、
現状においてそれはない。

つまり、
新聞記事に掲載された
死んだイトウが川に横たわる画だけが
強烈な印象として
独り歩きしているのも確かだろう。

そこで今日は、
この問題についての
ひとつの問題提起として、
僕個人の考えを
表明しておくことにしたいと思う。

ただし、
異なる考え方があって当然だし、
自分の考えを
このブログを見てくださっている
読者の皆さんに
一方的に押し付ける意図がないことを
あらかじめ補足しておきたい。

むしろ
ある一人のアングラーの
考えを知ることきっかけにして、
ひとりひとりが
自らの価値観に照らして、
今、どう行動すべきかを考えてもらう
きっかけにしてくれたらうれしい。

大変おこがましいのだが、
これが、今、僕が胸に抱いている
正直な願いであり、
あえて先んじて
自らの考えを表明することを決めた
主たる理由でもある。

さて、
北海道に棲息するイトウたちが
この先もずっと
いのちを繋いでいけることが
なによりも優先されるべきこと。

この点については、
アングラーならずとも
多くの人が共有できる
共通認識なのではないだろうか。

そうすると、
実際にイトウの大量死が確認された
猿払川とその支流で、
研究者による個体数調査が
今後、予定されていることを踏まえれば、
行政と地元の団体が協働して
今期のイトウ釣り自粛を
アングラー呼びかけるのは、
客観的に見ても、
極めて妥当な判断であると
理解していいように思える。

もちろん個人としても、
この要請を真正面から受け止め、
少なくとも来年5月までの期間は
猿払川でイトウを狙うことは
控えると決めている。

その一方で、
この秋、猿払川で
イトウを狙うアングラーを
SNSなどを通じて攻撃する風潮には
およそ同意できない。

なぜなら、実際、遠征で
猿払川を訪れるアングラーは、
この自粛要請を知らないまま
当地を訪れているケースが
少なくないと考えられるからだ。

もちろん、
「事前に情報を調べてから来い!」
という意見もあるだろう。

だが、そもそも
法律や条例で今期のイトウ釣りが
禁止されているわけではない。

しかも、
自粛要請であるという性格上、
周知に多くの予算をかけられるはずもなく、
行政の発信が広く行き届かないのは
当然ながらやむを得ない面もある。

こうした背景に思いを寄せれば、
自粛要請を知らずに
猿払川を訪れたアングラーたちを
まるで悪人かのごとく
上から目線でバンバンと叩くのが
正しい行動であるわけがないと
すぐに理解できるはずなのだが、、、

実際、
この秋に猿払川を訪れた
アングラーたちだって、
複雑な思いを抱えているに違いない。

要請を知って、
別の川に移動した人……。
要請を知って、
モヤモヤを抱えながらも
猿払川で釣りをした人……。

現実的に
いろいろな人がいるのだろうが、
要請に対し完全無視を決め込むアングラーや
「イトウの大量死なんて自分には関係ない」
とうそぶくアングラーは、
おそらくごく少数なんじゃないだろうか。

ならば
地元が自粛要請を発出した効果は
十分にあったということになるし、
このイトウ大量死問題を
自分事として捉える機会を得た
アングラーが増えたと考えれば、
この秋、一定数のアングラーが
猿払川に足を運んでいる事実だって、
むしろ前向きに捉えることもできるのだ。

そして、
僕自身のスタンスは、と言えば、
自粛要請の出ている猿払川水系のほか、
イトウの大量死が報告された
サロベツ川などの他河川でも
しばらくは釣りをしないと決めている。

また、その他の水域も含め、
10月までは
イトウ釣りを完全に自粛していたのだが、
これは自らの経験に基づく
独自の判断であった。

その一方で、
この秋、道北地方でのイトウ釣りを
完全に封印するかと言えば、
それはありえない。

なぜなら、
イトウの今を知らずして、
何が自分として正しい行動なのかを
判断することなどできないからだ。

大量死の具体的な報告がなく、
猛暑・渇水によるイトウへのストレスが
大きくなかったと考えられる河川では、
実際に釣りをやってみる価値がある。

簡単に言えば、
これが僕自身の現状のスタンス。

もし現場の肌感覚として
「ここは影響が残っているな」と感じれば
そこで釣りをやめればいい話だし、
「ここは例年通りだな」と感じれば、
そのまま釣りを続行すればいい。

このような
シンプルなアプローチで
今期もイトウと
接していけばいいと考えている。

ちょっとだけ毒を吐くと、
個人的には、根拠が希薄な
同調圧力ってヤツが本当に大嫌い。

ひとりひとりの価値観なんて
違って当たり前なのに、
ひとつの価値観が
まるで普遍的なものであるかのように
他人に押し付けるのは絶対に違う。

だから、
先に表明した僕の考えだって、
所詮、現時点での個人の考えであって、
決して普遍的なものだなんて
口が裂けても言わない。

ここまで読んでくださった方には、
まずは「イトウの大量死問題」に関する
各々の考えを整理してもらって、
あとは、その価値観に基づいて
ブレずに行動してもらえたらと願っている。

ちなみに、
先週、僕が天塩川で観た景色に中に
事態を深刻に受け止めるべき事情は
まったく含まれていなかった。

簡単な現場レポートについては、
別の投稿として
皆さんにお知らせしようと思っている。

以上、
ヒリヒリする話題にもかかわらず、
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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