さて、
天塩川のイトウの現況は
いったいどうなっているのか。
レポートの第2弾では、
いよいよ本題へと
入って行きたいと思う。
まず、この夏に
イトウの大量死が報告された場所は
概ねこんな雰囲気のところが多い。
上の写真は、
この夏の渇水時に
イトウの死体を確認したという
信頼度の高い情報があった河川の今。
パッと見では、
例年のこの時期に水量に戻っているし、
これといって
普段と変わった様子も窺えない。
ただ、
こういった雰囲気を持った
道北の湿原河川では、
数日間でも猛暑が続けば、
あっという間に
水温が跳ね上がってしまうのは確か。
しかも流れに落差がないため、
水中の溶存酸素量も
十分に確保されない可能性が高い。
そのため、
水温の低い場所を求めて
イトウが退避するための
時間的猶予がなかったのであろう。
こうした規模の小さい河川では、
悲しいかな、
命を落とすことになった個体が
多数いたことも想像に難くない。
その一方、
天塩川本流のような場所では、
まったくイトウの逃げ場がない
ということはないはずだ。
極端な話、
下流域のイトウは、
海に降ってしまえば
低水温と十分な酸素量を確保できる。
また、
中・上流域に棲むイトウは、
水温が低い支流の
合流点近くなどに一時退避すれば、
たとえそこが厳しい環境であったとしても
さすがに命を脅かされるところまでは
いかないのではないだろうか。
実際、先日、
天塩川本流でヒットしたイトウは
素晴らしい
コンディションを誇っていた。
カラダのどこかに
ダメージを負っている様子はなかったし、
なによりも、
魚体がブリブリ、
パッツンパッツンなのだ。
長さは90cm台半ばでも
おそらくウエイトは
10kgに迫っていただろう。
ヒットした場所も
例年のこの時季らしいスポット。
そして、
ファイトの強烈さだって、
例年とまったく変わりがなかった。
こと天塩川本流の魚に関しては、
この夏の渇水の影響を
過度に心配する必要はない。
これが
実際に現場に立ってみての感想。
正直なところ
最初の一本に出逢うまでは、
いろいろと心配もしていた。
でも、一本、また一本と
イトウに出逢うたびに
不安は安堵へと変わっていった。
これは、
あくまでも個人の所感なので、
これがすべてだなんて
口が裂けても言わない。
真実の一部を
切り取っただけの可能性だって、
もちろん、
否定はできないのだから。
だが、
イトウ愛を強く自覚する
僕の立場から見ても、
来春に向け、
天塩川本流のイトウ釣りを
自粛すべきほどの状況にないことは
ほぼ明らかだと思っている。
実際、
そう確信させるだけの
確かな手応えが、
天塩川の現場にはあったのだ。
そんなこんな
若干グダグダではありますが、
以上、天塩川現場レポートは
ひとまずこれで終了となります。
今回は、
ひとりのアングラーの立場で
現場の近況を報告しました。
来期に向け、
道北のイトウと
どのように向き合っていくべきか、
考え方はいろいろあると思います。
ただ、現場を知らずして
あれこれと物申すのだけは
絶対に違うと思ったので、
あえて天塩川本流に出向いた次第です。
今後は、
自分以外のアングラーが
現場で感じたことについても、
アンテナを張り巡らし、
情報収集を進めていこう。
そう思っています。
そして、
実体験から知り得たことに加え、
信頼に足る外部情報も
しっかりと精査した上で、
来春のイトウ釣りシーズンに備える。
プランはこんな感じですね。
なお、今年のイトウ釣りは、
フィールドを
大河と湖に限定した上で
結氷して釣りが困難な状況になるまで
例年どおりやる予定。
釣行の様子や
得られた新たな知見などは
このブログで発信していきますので、
引き続き「北の大地に鱒を追う」に
お付き合いいただきますよう
どうぞよろしくお願いいたします!