波乱の道南遠征 DAY_3

(DAY_2からつづく)

翌日は、
遠征最終日となる3日目。

ただ、
前日の夜に接した
バスの事故に関する
ニュースのショックは、
私にとってあまりに大きすぎた。

悪い夢といい、
たまたま見かけた
荒い運転をするバスといい、
そのバスが起こした事故といい、
冷静に考えれば
単なる偶然の連鎖でしかないのだが、
こんなにも偶然が重なると
人間、いよいよ嫌な予感しか
しなくなってしまうものなのだ。

そうそう、
人間なんて、
決して強い動物ではないからね。

そんなこともあったので、
この日は
サラリとだけ釣りをやって、
早々に帰路に就くことを決めた。

ところが、
前日に決めていた
入渓点から川に降りると、
そこは不法に投棄された
ホタテの貝殻だらけ。

海に近い
北海道の渓流に架かる橋周辺では、
いわば日常茶飯事とも言える
見慣れた光景ではあるが、
こんな光景を見るたびに
本当に情けない気持ちに……。

誰が捨てたかは
すぐに想像できるのだが、
海には捨てず
あえて川に捨てるところが、
なんとも人間臭くて
正直、嫌気が差してしまう。

ただ、
地元で大事にされていない
そんな小渓流にも
渓魚はちゃんと棲息している。

入渓早々、
リリースサイズのヤマメが連発。

そして
間髪入れずに続いたのが
このエゾイワナ。

決して大きくはないが、
キョトンとした
愛くるしい目元に
思わずうっとりとしてしまった。

それでも、
森の栄養をたっぷりと吸い込んだ
極めて健全な小渓流に
ホタテの貝殻は
やっぱり似合わない。

すぐに嫌気が差して、
ロッドをたたむこととした。

だがこの後も、
あずましくない出来事は
まだまだ
続くこととなった。

帰りの国道では
スマホ見ながら運転のダンプカーが
センターラインをオーバーして
こちらに突っ込んでくるし、、、

道央自動車道
国縫インターすぐ近くの国道上では、
子熊がおもむろに立ち上がって
周囲をキョロキョロ。

え~と~、
そこ、国縫川への
メジャーな入渓点なんですけど、、、

そして、
なんとか無事に
帰宅できたのはよかったのだが、
その翌日には
こんなニュースが……。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220708/7000048370.html

そうそう、
この相沼内川って、
2日目に入ろうかどうしようかと
迷っていた川。

結局、1日目の夜に見た
悪夢をきっかけとして
エントリーをあきらめたのだが、
その川で帰宅した翌日に
残念な事故が起こってしまったのである。

まあまあ、
これらすべては
偶然の出来事でしかない。

でも、
さすがにモヤモヤはする。

人によっては、
「お祓いに行ったほうがいいよ!」
と私に言うのだろう。

でも、無宗教である私は、
お祓いに行くよりも、
自身の行動を見つめ直す
きっかけにしなけければならない。
そうドライに考えている。

アラフィフにもなれば、
身体能力は
ひたすら下降の一途。
当然、その自覚はある。

だから、車の運転は
今までどおりでいいのか、
川を渡渉する時の集中力は
今までどおりで大丈夫なのか、
自己検証すべき時が
そろそろ来ているのだろう。

「今までは大丈夫だったから……」

人間のフィジカル的な
パフォーマンスが
ピークアウトした時、
もはやこんな理屈は通用しないのだ。

たくさんの価値ある
鱒に出逢うことができたけれど、
ただそれ以上に、
いろいろと
考えさせられることが多かった
道南遠征になったような気がする。

しかしながら、
決してこれらの事象を
ネガティブなことと捉える必要はない。
そうも考えている。

どことなく
運転時や川歩きの際の
緊張感が薄れつつある自分に、
今回のさまざまな出来事が
気づきのチャンスを与えてくれた。

そう考えれば、
こんな経験もまた、
自分にとっての財産となるのだ。

そんなこんなで、
今年初の道南遠征は終了。

でもでも、
何があっても
決してめげませんよ、私は(笑)。

だって、
北海道の渓には
素晴らしい鱒たちが
たくさんたくさん
暮らしているのですから……。

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする