自己中心的利他主義

先週末は、
天塩川イトウ釣りガイドへ。

祝日絡みの週末、
さらには猿払川での
イトウ釣り自粛期間のスタートと、
さまざまな条件が
重なっていたのは確かだが、
それにしても
アングラーの数が尋常ではない。

「ココ、犀川だっけ?」

正直、そんな感覚だったかな。

晴れたり、曇ったり、
そして時折
雪が舞うような厳しい気象条件の中、
キャスト、またキャスト……。

心折れることなく
ひたすらにキャストを繰り返した
ゲストの粘り強さと集中力は
「お見事!」のひと言であった。

すると、
最後の最後に
天塩川の女神様が……。

いや~、
この瞬間がたまらないのですよ。

サイズなんて、
もはやどうでもいい。

うんうん、
よかった、よかった、本当に。

ふと思い返してみると、
若い頃は
ひたすら自らの釣果ばかりを
追い求めていたっけな。

ところが、
年を重ねたことによって、
自分が鱒を
キャッチすることよりも
ゲストだったり、友人だったりが
素晴らしき鱒を手にして
満面の笑みを浮かべる瞬間に
立ち会えた時のほうが
間違いなく心が震えるようになった。

でもこれ、
意識してやっているとかではない。

そうそう、
ごくごく自然に、
そんな気持ちを
抱くようになったのである。

自己中心的利己主義から、
自己中心的利他主義へ。

思いっきりカッコつけて言えば、
こんな表現もできるのだが、
まあ、言い方なんて
どうでもいいような気がする。

要するに、
誰に言われたわけでもなく
自然とそんな境地に辿り着けたことが
何より純粋に心地よいのだ。

私自身、
いのちある限り
おそらく「自己中心的」な生き方を
続けて行くんだろうと思っている。

だから、
他者に迷惑をかけることも
しょっちゅうだろうし、
環境に負荷を与える場面も
決して少なくはないのだろう。

それでも最近は、
もし他者を利する
場面があるのだとしたら、
「自己中心的」な生き方も
あながち悪くはないんじゃないかと
素直に思えるようになった。

ゲスト、友人、
そしてイトウという魚は、
本当にいろんなことを
私に教えてくれる。

「感謝!」

そのひと言しか
頭には思い浮かばないな……。

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