【参考】次期生物多様性国家戦略(案)

ブログをご覧いただいている
皆さんへの情報提供です。

環境省では、
標記国家戦略(案)に係る
パブリックコメントを
明日までの日程で実施しています。
https://www.env.go.jp/press/press_01124.html

この戦略は
バスフィッシングに限らず、
釣りをするすべての人に
関係するもの。

よって、
意見表明するか
否かにかかわらず、
まずは「関心を持つ」という意味で
文案をご一読
いただければと思っています。

意見表明を
お考えの場合は、
残された時間が少ないので、
急ぎご検討ください。

ちなみに私は、
以下の内容で意見を表明しました。

ただ、世論を扇動するとか、
そういった意図は
まったくありませんので、
あくまでも参考として
ご笑読いただければ幸いです。

————————————————————————————————

【意見概要】
P89 「1-3-44 外来種の遊漁利用のあり方検討」の項目について、表題及びすべての文言を次期生物多様性国家戦略(案)から削除すべき

【理由】
当該項目は、「第1章 生態系の健全性の回復/行動目標1-3 汚染の削減(生物多様性への影響を減らすことを目的として排出の管理と環境容量を考慮した適正な水準とする)や、侵略的外来種による負の影響の防止・削減(侵略的外来種の定着率を 50%削減等)に資する施策を実施する」との大目標に紐づける形で掲げられていますが、国内では「漁業権に基づきオオクチバスが遊漁利用されている湖沼」が芦ノ湖・河口湖・山中湖・西湖の4カ所に限られ、国家的な対策が必要な課題と位置付けるにはあまりに局所的なテーマであることを念頭に置くとすれば、あえて当該項目の記載内容を国家戦略の一部に取り込むべき蓋然性は乏しいといわざるをえません。
仮に「外来種の遊漁利用のあり方検討」という項目をあえて掲げるのであれば、特定の漁場を狙い撃ちにするのではなく、より広範な漁場を対象とした記載内容とすべきではないでしょうか。そのことによってはじめて、「生態系の健全性の回復」に資する具体的施策としての説得力を持つようになるのだろうと考えます。
また、社会通念に照らせば、「漁業権に基づきオオクチバスが遊漁利用されている湖沼における生業のあり方の検討」は、本来、各地域における個別の実情なども踏まえながら、漁業権更新に係る権限を持った都道府県(知事)と現漁業権者が膝を突き合わせて検討すべきもの。にもかかわらず、あえて局所的かつ地域的な課題にとどまる内容を国家戦略上に明記するとなれば、まさにそれは「国として都道府県(知事)に圧力をかけることを狙ったもの」との批判は免れないでしょう。
加えて、文言整理上でも懸念すべき点があり、「侵略的外来種」という概念が、一般的に「外国外来種に限らず内国外来種も含まれる」とされることを前提とするならば、「外来種に頼らない生業のあり方」との書きぶりは、すなわち「芦ノ湖におけるマス類の漁業権にも踏み込んで生業のあり方を検討する」と言っているのと同義であるものとも考えられます。はたしてこの文言が、特定の意図を持って文案に埋め込まれたものであるかどうかは定かでありませんが、いずれにしても特定の漁業権者に著しい不利益を与える可能性を想起させるような国家戦略上の文言整理のあり方は、直接的ステークホルダーではない一般国民の目線から見ても、あまりに不適当であると考えます。

【結語】
以上のとおり、次期生物多様性国家戦略(案)P89 「1-3-44 外来種の遊漁利用のあり方検討」として記載されている表題及び内容は、大目標となる「生態系の健全性の回復」にどの程度の強度で寄与するものなのか必ずしも判然としないだけにとどまらず、「特定の者に対し国が不当な圧力をかけようとしている」とも取れる内容が文案中に含まれることから、国家戦略として位置付けるにはなじまないとの意見をここに表明します。

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