ここ北海道は、
11月に入ってから
雪が何度か降ったこともあり、
景色はすでに初冬の趣に。
ただし、
総体としてみれば
暖かい11月であることは確かで、
まだまだ渓での釣りが成立する
状況にあるとは言えるだろう。
今月は、
10月に仕事をさぼった分を
しっかりと取り返すべく、
ややタイトな予定を組んでいる。
そのため、
のんびりと
プライベートフィッシングに
興じる時間はほとんどない。
けれども、
渓に立つことなくして
私の人生は成立せず(苦笑)
なので、昨日、
半ば無理やり時間をつくって
気になる内陸の河川へと
車を走らせることにした。
現地に到着すると、
積雪はゼロになっていて
すでに問題なく
釣りをできる状況に。
とは言え、
広葉樹の葉はすべて落ち、
初冬の寒々しい
景色が広がっていた。
念のため
流速のある瀬も叩いてみたが、
残念ながら
そこに鱒の姿は確認できず。
まあ仕方がない、
水温一桁では彼らにとって
速い流れに定位するメリットは
ほぼ残っていないのだろう。
そうすると、
アングラーなら誰もが攻める
緩流帯の攻略が
キモになってくる。
だとすれば、
鱒と出逢うハードルが
一気に高まるのは
自明と言えるだろう。
現にこの日も、
いくつかのポイントを
丁寧に攻めてみたが、
魚からの反応はなかなか得られず。
この日の
状況にマッチした
ポイントはどこかと
必死に思いを巡らせ……
足を使って
ランガンを繰り返すも、
一尾が遠い状況が
しばらく続くこととなった。
こんな時、
少しの気温上昇が
アングラーの強い味方に
なってくれることがある。
ガツン!
ロッドを握る右手が
不意に衝撃を検知したのは、
昼が近づき、
わずかながらでも
日差しのぬくもりを
感じるようになった
まさにその時のことだった。
プライベート
フィッシングにおいて、
ノーフィッシュは
まったくもって恐るるに足りず。
だから、
置きにいくような
ショボい釣りに
流れる理由は一切ない。
その分、
何か魚がヒットすれば
クオリティフィッシュである確率は
必然的に高まる。
そうそう、
リスクを取ることこそが
こんな素晴らしい鱒に
出逢うための近道。
そう私は信じている。
それにしても
このニジマスの発色は
見事であった。
もともとハイクオリティな
個体が多い渓ではあるが、
その中でも
なかなかの上物だろう。
フッキングした場所が悪く、
激しいファイトの最中に
口周りを少しばかり
傷つけてしまったことは心残り。
その一点を除けば、
初冬の渓で訪れた出逢いとしては
最高に近いもの
だったかもしれないな……
何よりコンディションは抜群だし、
サイズ感にも大いに納得。
うんうん、
この一尾に出逢えれば
もう十分に満足だな。
とは言え、
無理やりつくった
せっかくの貴重な
プライベートフィッシングタイム。
一尾の余韻に浸り
午後の数時間を無駄にするのは、
あまりに
もったいないじゃないか。
コンビニで
軽い昼食を調達した後、
そんなスケベ心が
沸き上がってきたのだ。
うんうん、
じゃあしょうがない。
近くを流れる
別の渓を軽く叩いてから
帰ることにしよう。
そう決めて、
予定にはなかった午後の部に
急遽突入することに
なったのであった。