ダメダメな日

朝早くから仕事にとりかかり、
目途がついたのが、
午前11時過ぎのこと。

今日を逃したら
今週は不戦敗確定ということもあって、
バタバタとタックルを車に積み込む。

外は、とても
秋の北海道とは思えないような
ヒドイ蒸し暑さ。

折れそうになる心を奮い立たせ
ひとまず羊蹄山麓に向け、
車を走らせた。

そんなこんなで今日は、
目的の川があるわけじゃないし、
明確なターゲットがあるわけでもない。

頭に浮かんでいたのは、
とりあえず、湧水の豊富な
川に浸かっていれば
干物にはならないだろうという
浅はかな考えだけ。

喜茂別の街に着いた時、
車内の温度計で28℃と、
思ったほどの暑さではなかったから
ひとまず、尻別川に入ってみる。

川に入ると、
水温は思ったほど高くは感じない。

それでも、週明けの
月曜日ということもあって、
川岸には、前日のモノとおぼしき
足跡がたくさん残っている。

そんな状況だから、
ある程度は苦戦するんだろうなという
心の準備はできていた。

ところが、いつもは何も起こらない
入渓点の目の前のポイントで
40cmクラスのニジマスがヒット。

今日は、なんて幸先が
いいのだろうなんて思って
魚をよく見ると、両方の唇がない。

至って元気な様子に少し安堵したが、
ちょっと切ない気分になって、
写真も撮らずに、即リリースする。

そこから、少し下った深瀬でも
やはり40cmクラスの
ニジマスがヒット。

けれど今度は、エラのあたりで
黒い寄生虫が
ウニョウニョとうごめいている。

ありゃ、こいつも
フォトジェニックじゃないな。

魚自体はキレイなんだけれど、
やっぱり撮影せずに、リリース。

今日は、なんだかツキがないようだ。

この後は、いつものように
小ニジパラダイス。

ワンカットだけ写真を撮ってから、
その後は、
キャッチ&即リリースを繰り返し、
手返し良く釣り下っていく。

しばらく下っていくと、
岩盤のスリットから、
良型のエゾイワナがヒット。

やっとニジマス以外の
魚が釣れたと喜んだのも束の間、
ラインが絡まって
できたと思われる傷が
何とも痛々しいではないか。

またまた切ない気持ちになって、
すぐにリリースする。

ところで、今日はずっと
気になっていたのだけれど、
ラインに、ぶにょぶにょした
気持ち悪い異物が絡んできて、
釣りづらいし、気分も悪い。

もしかすると、上流にある
終末処理場の
掃除でもしているのだろうか。

そんなことを考えていたら、
一気にテンション急降下。
一旦、車に戻ることにした。

今日は、どうにもリズムが悪い。

魚が釣れないわけじゃないのに、
なんだかスッキリとしない
展開が続いている。

そこで思い浮かんだのが、
バイカモが美しい湧水の川。

そこに行けば、
きっと流れが変わるに違いないと
ちょっと期待して、
少し車を走らせることにした。

農作業の
邪魔にならない場所に車を停め、
湧水の川をのぞき込む。

いつも通りの清冽な流れが
そこにはあった。

早速、バイカモの周りを這わせるように
ルアーをリトリーブすると、
元気なオショロコマがヒット。

ド派手なオレンジ色に染まった魚体は、
これぞ、秋色オショロコマ。

サイズは20cmクラスだったけれど、
まさに会心の一撃だ。

が、しかし・・・

やっぱり、今日は
「もってない男」だった。

カメラを準備し、バイカモの上に
ネットに入れたオショロコマを乗せて
撮影しようとした瞬間、
悲劇は起こった。

美しきオショロコマは、
その一瞬にすべてを賭けていたかのような
機敏なジャンプを繰り出し、
大脱走を成功させてしまったのだ。

すとん。。

魂が抜け落ちる音がした。

The End・・・

まあ、何十年もアングラーをやっていれば、
こんなダメダメな日だって当然ある。

たいした慰めにもならないけれど、
そんなふうに気持ちを整理。

だって、
気持ちの整理くらいしておかないと
今日は、帰り道で
エゾシカを轢きそうな
とっても嫌な流れだったから。

そんなこともあって、
いつも以上に慎重にハンドルを握る。

おかげさまで、
無事帰宅することができたから、
今日のところはヨシとするかな。

あ~あ、かなり消化不良だぞ~・・・

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