久しぶりの感触

地震発生から2週間が過ぎ、
久々に流れに立ちたい衝動にかられ、
急遽、尻別川へ向かう。

美しい鱒に出逢えれば
もちろん最高だけれど、
あくまでも今日の目的はいのちの洗濯。

だから、秋の澄んだ青空の下、
ロッドを振れるだけで十分満足なのだ。

2週間の運動不足がたたり、
いつも以上に足元がおぼつかないので、
喜茂別地区の落差の少ない区間にエントリー。

平日とは言え、3連休明けの激戦区だから、
開けたポイントから鱒の反応はない。

ならばと、
岸際のエグレや倒木の際を丁寧に探ると
すぐに小型のニジマスが反応してくれた。

今朝の喜茂別地区は、5℃くらいまで
冷え込んでいたこともあってか、
流速のゆったりしたポイントに
ニジマスが溜まっているようだ。

その後も、いわゆる竿抜けとなりそうな
ポイントからは、次々に反応があるけれど、
釣れども釣れどもニジマスばかり。

たまに30cm台後半の魚が
少しばかりドラグを
鳴らしてくれるのだけれど、
ほとんどは20cm台後半のチビ。

それでも、
今日ばかりは、チビニジの価値が
いつもの10倍くらいに感じられた。

かれこれ30尾ほど
ニジマスをキャッチしただろうか。

季節は進んでも、
相変わらずの魚影の濃さ。
さすが、尻別川といったところである。

今日のところはニジマスでも十分と
肩の力を抜いて釣り下っていくと、
不意にニジマスとは異なるバイトが訪れた。

正体は、すでに産卵を終えたとおぼしき
黒ずんだ体色のヤマメ。
尾びれには、床を掘った跡が
はっきりと残っている。

本当はそっとしておきたい魚だから、
なんだか、少し申し訳ない気持ちになる。

まあ、9月も中旬だから、
ビカビカのヤマメを期待するのは
無理というものだろう。

そんなあきらめの気持ちとは裏腹に
次のキャストで、良型のヤマメがヒット。

こちらは、9月のヤマメとは思えないほど
素晴らしいコンディションだ。

いったい、どうなっているんだ尻別川は?

正直なところ、私の常識からすると、
この時期の尻別川で
ビカビカのヤマメが釣れることなど
全く想像していなかった。

でも、想像どおりにならないのが、
釣りの面白いところ。

想定外の出逢いに、
胸に去来する久々のワクワク感が
なんとも言えず心地よい。

その後も、小型ニジマスのラッシュに
時折、中型のニジマスとヤマメが混じる展開。

ヤマメは最初の1尾を除いて
すべてビカビカのコンディションだ。

バイトが途絶えることはほとんどなく、
たった500mほどを釣り下るのに
3時間もかかってしまった。

今日のところは
ロッドを振れるだけで十分だったはずなのに
たくさんの美しい鱒たちが
絶え間なく相手をしてくれたことには
本当に感謝の気持ちしかない。

自分には釣りがあってよかった・・・

改めてそんな想いにかられながら
秋の尻別川を後にした。

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