週中の出張帰り、
オホーツク海側から天北峠を抜けて、
音威子府(おといねっぷ)に出る。
時刻は、
ちょうどお昼前。
普段なら、ランチタイムに
音威子府そばを食す場面である。
けれど、
長距離の移動中、
食事処にお邪魔するのは
まだちょっと気が引ける。
それに、
大して腹も減っていない。
ならば、音威子府をスルーして、
となりまちの美深町まで走り
日本最北のセブンイレブンにでも寄って
小腹でも満たすとするか。
ん!?
ちょっと待てよ・・・
コンビニでランチを済ますなら、
1時間ちょっとは、
時間に余裕があるんじゃないの!?
ほらほら、天塩川、
いい水色をしてるじゃないか。
いいのか、このまま帰宅して。
後悔しても知らねーぞ!
いつものように、
悪魔が耳元でささやく。
あー、もう駄目だ。
気が付くと、
ほぼ反射的にR40号を右折して、
天塩川方向へと車を走らせていた。
このあたりの流れには
もう10年以上もご無沙汰。
けれど、
かつて何度も通った流域ゆえ、
短時間勝負が可能なスポットは
よく熟知している。
水量はかなり落ち着いていて、
天塩川独特の水色はしているけれど
水質はほぼクリア。
この条件なら、
このあたりでは有名な
あの大場所に入ればいいだろう。
時間も限られていたから、
エントリーするスポットは
ほぼ即決であった。
現地に到着すると、
幸い、そこに先行者の姿もなく、
スンナリと河畔に立つことができた。
鮮やかな新緑、
春ゼミの大合唱と
6月の天塩川らしい情景に
それだけで随分と心が洗われる。
時間もないので、
期待度の高いスポットから
順繰りに撃っていくが、反応はない。
ここ数年、
天塩川のニジマスは
かなりの不調だと聞いているから、
まあ、そんなもんなのかな!?
外気温は25℃で、
やや蒸し暑さも感じる。
水温も15℃は超えているから、
もう冷たさは感じない。
この感じだと、
深瀬よりも、水深の浅い平瀬かな?
その狙いは、的中した。
大したサイズじゃないが、
アブラビレの付いていそうな魚が
僕がキャストしたルアーを
ガブリとくわえたのだ。
ジリジリ・・・
ジリジリジリ・・・
イトウ用タックルには、
スピードもパワーも
完全に不足していたけれど、
やっぱり魚がヒットすれば愉しい。
推定、48cm。
天塩川としては
ぜんぜんなサイズだけど、
寄り道での出逢いとしては
まったくもって悪くない。
派手さはないものの
レッドバンドも浮き出た
お上品な美形。
あなたのおかげで
この先のドライブが楽しくなるよ!
この短時間、この1尾では
今の天塩川の状態を
正確に推し量ることはできない。
それでも、
釣れない説ばかりが先行している割には
ベタなスポットに
ちゃんと魚はいるじゃん。
なんて、軽い毒を吐きながら
新緑に彩られた
ワインディングルートを
のんびりと走るのも
なかなかどうして悪くないものだ。
そうそう、
今年は、コロナの影響で
グレートフィッシング然別湖
1stステージが
中止になってしまった。
ミヤベイワナに逢えないのは
とっても残念なことだけれど、
前向きに考えれば
いつもとは違う場所に
行く時間ができたとも言える。
やはり、
天塩川のニジマスもいい。
あとは、
どこがあったっけな!?