今週は、ちょっと用事があって、
ニセコ、蘭越方面へ。
もちろん、
用事のついでは新米と釣り。
たとえイイ鱒は釣れなくても、
ツヤツヤの蘭越米をGETできれば
とりあえずはそれでいいのだ。
家を出たのは、
午前9時ちょっと前。
車の温度計は、
5℃と表示されていた。
しばらく走って
山間部に差し掛かると、
木々の色づきが
イイ感じで進んでいる。
ただし、
今年の紅葉はイマイチ。
キレイはキレイなんだけど、
広葉樹の赤や黄色が
例年よりも
ややくすんでいるように見える。
やがて峠を越えると、
視界に入ってきた羊蹄山には
白い部分がはっきりと確認できた。
10月も中旬、
北の大地の秋は、
一瞬のうちに駆け抜けていくのである。
取り急ぎの用事を済ませてから、
蘭越米の直売店に向かい
無事、ゆめぴりかの新米をGET。
国道5号沿いに店を構える
黒川農場さんの直売所は
ちょっとした僕のお気に入り。
しばしば
アタリハズレがある新米だけど、
ココで買っておけば
とりあえず不安は皆無。
これでしばらくの間は
至福のディナータイムを
満喫できるに違いない。
この時、
時刻はちょうどお昼過ぎ。
帰宅予定時刻から逆算すると
釣りができるのは
およそ2時間ほどだ。
外は時雨模様で
陽が差したと思ったら
今度はザーザー降りの雨。
人間には、少しばかり
つらいコンディションではあったが
せっかく蘭越にいるのに
ロッドを振らずに帰るのは
さすがにもったいない。
う~ん、どうしよう。
昆布川にするか、本流にするか???
ロッドは、
本流用と支流用の2本を
車に積んできている。
ちょっと迷ったけれど
時間もないし、
あいにくの空模様でもある。
そう考えると、
気軽にエントリー可能な
ところがいいだろう。
アクセスが楽なのは、
やっぱり尻別川本流。
昆布川で
繊細な釣りをする選択を捨て、
尻別川本流で、
一発、特大ホームラン狙いの釣りを
2時間やり通すことを決めた。
とは言え、
このあたりのポイントを
熟知しているわけでもないから、
とりあえずということで、
僕の夏休み前半戦で
Mサイズをバラした場所へと
向かってみることに。
車で少し走ってポイントに着くと
そこに先行者の姿はない。
よしよし、
今日はこのポイントと心中だ。
ただ、あまりに
エントリーが容易なポイントゆえ、
雑な釣りなんかしていたら
魚にバカにされるだけ。
ならば、
およそ100mほど続く瀬の中で
魚が付いていそうな底石を
ひとつひとつ丁寧に
叩いていくことにしよう。
こうして
すぐに作戦は決まった。
まずは瀬頭に立ち、
ダウンクロスにキャスト。
ロッドティップに流れを感じながら
底石を舐めるように
ルアーを操っていく。
手元に伝わる感触は悪くない。
これなら、魚が付いていれば
うまいこと
口を使わせることができるかもしれない。
かつて天塩川の本流で
デカニジと対峙していた頃を
思い出しながら、
いろんな妄想をしつつニヤニヤ。
一瞬、ココが超激戦区として名高い
蘭越地区の
尻別川本流だということも忘れ、
大型がバイトしてくるイメージだけは
明確に描けていたと思う。
そんな時、人間の集中力は
MAXまで上昇するもの。
おそらくいつも以上に
ルアーは艶めかしい動きで
魚たちを誘惑していたに違いない。
ドン!
ジィィィーーーーーーーーーーーー
その瞬間は、
何の前触れもなく訪れた。
まずは最初のひとっ走りを
ロッドを寝かせ気味にして耐える。
うん、これは絶対にデカい。
首を振るストロークの大きさが
おおよそのサイズを教えてくれるのだ。
ブン、ブン、ブ~ン、ブン
今度は、ゆっくりと首を振りながら
力を込めて
底にべったりと張り付いている。
イメージ的には、
動くの嫌がった犬が
地面をつかんで離さないような感じ。
激しい動きこそないものの
こちらにじわりと圧力をかけ、
綱引き序盤戦によくある
まるで相手の力を測っているかのような
実に老獪なファイトである。
下流に走られたら
そこにはガンガン瀬が待ち構える。
持久戦を覚悟するか、
それともこちらから勝負を仕掛けるか。
どちらにしても、リスクはある。
ただ、フッキングの感触は悪くなかった。
ならば、こちらから仕掛けて
下流に一気に走られるくらいなら
針穴が広がるリスクはあっても
持久戦に持ち込んだほうが
キャッチできる可能性は高いだろう。
相手は、
おそらく歴戦のツワモノだろうから
焦りだけは絶対に禁物。
真綿で首を絞めるように
ゆっくりと体力を奪っていくしかない。
そこからは、
ラインテンションを強め保って、
常時、魚にプレッシャーをかけつつも
こちらから仕掛けることはせずに
ひたすら耐え続けた。
ブン…、ブン…、ブン…
耐えることおよそ10分、
相変わらず首を横に振りながら
必死に底に張り付いているが、
ヤツの首振りにも
だいぶ力強さがなくなってきた。
よし!
そろそろ、
勝負をかけてもいいだろう。
ラインテンションを強め、
魚の動きを確かめてみる。
ジィーーーーー
おっと、危ない!
けどヤツのほうも、
だいぶ息が上がっているような雰囲気。
ならば、休ませることなく
今こそ勝負をかける時だ!
意を決し、
少しだけドラグを締めてから
一気に手前の巻き返しに
ヤツを引き込んだ。
エイ!!!
およそ15分にもおよぶ
ガチンコの勝負がついに決着。
浅瀬に横たわるニジマスは
とっても端正な顔立ちをしていて、
頰は真っ赤に染まっている。
サイズを測ると63cm。
ヒット直後の感触から
おそらく65cmクラスの
ニジマスだろうと想像していたから、
予想よりはやや小さかった。
ただ、体高がものすごく、
ボリューム感だけで言えば
65cmクラスと言ってもいいくらい。
レッドバンドも、
こんなふうに実にビビッド。
いかにも、ハイクオリティーな
秋の本流ニジマスらしい
存在感抜群のいでたちである。
いや~、コイツはうれしい一尾。
一発狙いを公言してはいたけど
さすがにここまで
ハイクオリティーなニジマスを
期待していたわけではない。
しかも、用事のついでに
ちょっと立ち寄っただけなのに
こんな時にかぎって
ドラマが起こるんだから面白い。
しばらく美しい魚体にみとれてから
じっくりと回復させてリリース。
ぶっとい尾を翻し
本流の重たい流れへと帰っていった。
流域に美味しいお米を実らせ、
流れの中では
ハイクオリティーなニジマスを育む。
いやはや、
尻別川ってやっぱりスゴイ川だな。
いつも
本当にありがとうございます。
そして、これからも
ずっとお世話になります。
尻別川に一礼をして
この日の釣りは終了となった。
いや~、このシーズンは
カラダがひとつじゃ足りない。
時間を見つけたら、
カラダにムチを打ってでも
フィールドに出かけなきゃ。
さ~て来週は
道北?道東?道南?
どっち方面に
向かうことになるのかな???
いずれにしても、
楽しみなのだー(笑)