シーズンラストの天塩アメマス

週末、おそらく
今シーズンラストになるであろう
天塩川へと向かった。

11月の1週目以降、
低温、高水位と
ずっと条件が良くなかったのだけれど、
ようやく訪れた釣り日和。

ガイドが凍らない状況の中、
天塩川でまともに釣りができるのは、
およそ2か月ぶりだろうか。

って言ったって、
日中、気温が0℃を
ギリギリ超えるくらいなんだけどね(笑)

途中、高速道路は
路面凍結で50km/hの
速度規制がかかっていた。

時折出現する
ブラックアイスバーンには、
いかに凍結路面に慣れた
北海道民といえども
やっぱり肝を冷やすもの。

何を隠そう、
もっとも運転に気を遣うのが
雪が積もりはじめる
今頃のシーズンなのだ。

それでも、
ビビリーな運転で
なんとか留萌ICに到達。

ところどころで
路面が凍結してはいるものの、
海沿いを走るオロロンラインは、
慎重に運転すれば
問題なく走れる状況であった。

だが、天塩川方面に向かって
少しだけ内陸の道に入ると、
状況は一気に急変。

ツルッツル、
テッカテカの路面が
待ち受けていたのである。

それでも、
悪路を慎重にクリアし、
なんとか国道40号線に出る。

ところがそこは、
さらにヒドイ路面状況だった。

ここは、
道北唯一の幹線道路ゆえ、
タンクローリーや
トレーラーなどの大型車が
頻繁に通る道。

その重たい車によって
積もった雪がギュッと踏み固められ、
さらにどんどんと磨かれていく。

そう、路面はもはや
スケートリンクと化していたのだ。

まっすぐな直線なのに
時速40km/hでも
安定して走れないほどの
最悪のコンディション。

自分は気をつけていても、
対向車が、いつこちらに
はみ出してくるかもわからない。

これは
走っちゃいけない状況だな。

すぐにそう判断して、
目的地を変更することを決めた。

どうしようもないのは、
国道40号線だけ。

ならば、
少しは状況がマシな裏道を使って
ポイントにアクセスすればいい。

そう判断し、
予定にはなかった
比較的安全に
近づけるポイントを思案。

ふと頭に浮かんだ
そのポイントに向け、
ひとまずは
慎重に車を走らせることとした。

現地に到着し、
すぐに準備を開始。

河畔に降りると、
そこには、久しぶりに見る
クリアな水が流れている。

そうそう、
今年はずっと茶色い水が
流れていたっけな。

予定していた
ポイントではなかったが、
この際、釣りができるだけで
何の文句もない。

立ち位置を決め、
魚が定位するなら
ココだろうと思われる
適水勢のあたりをめがけて
おもむろに
ルアーをキャストしてみる。

ゴン!

激しい衝撃に反応して
咄嗟に大きくアワセを入れる。

ギラッ、ギラッ、ギラッ…

う~ん、残念!
本命のイトウではないようだ。

ただ、サイズはそれなり。

時折、心地よくドラグを鳴らし、
激しい抵抗を見せる。

しばらくやり取りして、
ようやく魚の姿を確認。

悪くないサイズの
アメマスのようだ。

晩秋のアメマスにしては
激しいファイトであったが、
無事、キャッチすることに成功。

ぶっとい胴回りをした
70cm台半ばのイケメンである。

これがシーズンラストの
天塩アメマスになるかも…

ふと、そんな思いが
頭の端っこをよぎったりもしつつ、
このアメマスの精悍な表情に
つい見惚れてしまった。

ところで、
この魚の胸ビレには、
養殖魚によくみられるような
ちょっとした変形があった。

でも、この個体が
放流魚であるとは
にわかに考えづらい。

きっと、若い頃、
流されてきた岩か何かに当たって
怪我をしたのかもしれないな。

それからもうひとつ、
最近、気づいたことがあるので、
上記の魚の画像を
もう一度見てもらいたい。

一般的な話として、
アメマスが大型化すると、
体側のホワイトスポットが
ドーナツ状になることが知られている。

ところが、
ここ天塩川のアメマスは、
70cmを越えても
ドーナツ型の
スポットのない個体が多いのである。

実際、この魚も
キッチリと測って
75cmあったのだけれど、
スポットの形状に
多少の変形があるものの、
ドーナツ化しそうな雰囲気は
微塵も感じさせない。

もし、道東の河川や島牧の海岸で、
同じようなサイズの
アメマスをキャッチしたとすれば、
十中八九、体側に
ドーナツ型のスポットを
確認することができるだろう。

つまり、同じ北海道内でも
地域によって、
アメマスのビジュアルに
明らかな違いが
あるようにも思えるのである。

今どきの言葉で言えば、
その違いを指し示すような
明確なエビデンスはない。

ただし、
エビデンスがないからと言って、
それが真実でないかと言えば、
決してそんなことはないだろう。

格調高き科学の領域においても、
すべての原点は、
人間のちょっとした"気づき"。

う~ん、
こういう自分なりの
"気づき"があるのもまた、
釣りの面白さの
ひとつと言えるのかもしれないな。

こうして、
ひとまずは
納得のグッドフィッシュに
出逢うことができた。

でも、できるなら、
やっぱりイトウをキャッチして
今シーズンを締めくくりたい。

それが、その時の
正直な気持ちだったと思う。

少し時間も経って、
多少は道路状況もマシになってきた。

これなら、
国道を利用しての移動も
なんとかできそうだ。

よし、このシーズン、
もっとも確率が高い
あのピンスポットに行ってみよう。

そう決断し、
慎重な運転で
目的の場所を目指すことを決めた。

途中、何台か
アングラーのものとおぼしき
車を見かけたが
目的の場所に人の姿はない。

よし、今年は
ここで締めくくりだ。

少しだけ気合を注入してから
河畔に向かって
ゆっくりと歩を進める。

そして、その数分後…

次回へ続く)

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