リセットはベニヤ原生花園で

(前回からつづく)

一旦、宿に戻って
少しだけ仮眠をとった後、
まずは大事なお仕事へと向かった。

いろいろあっても、
やるべきことは
ちゃんとやらないとダメ。

この時点で、
朝のモヤモヤ感は
だいぶ薄まってきていたとは思う。

けれども、残念ながら
完全にモヤモヤを
払しょくするところまでには
至らず、だったかな……。

昼間の長いこの時季、
釣りをして、仕事をして……、
なんてことをやってても、
時間的には、ずいぶんと余裕がある。

もちろん、
実働の時間が長くなる分だけ、
日が短い冬場よりも
体力的にキツイのは事実。

それでも、
自らの心が整うなら、
多少のハードワークを
いとわない覚悟は必要であろう。

そうそう、
フィジカル面は
しっかりとカラダを休めれば
すぐにカイゼンできても、
メンタルのほうは
意外と長引いたりするものだし……。

そんな思いもありつつ、
やっとこ仕事を
片付けて向かったのは、
浜頓別町にあるベニヤ原生花園。

平日の日中なら、
おそらく人と接触することもないだろうし、
なによりここには、
豊かな植生が魅力の場所なのだ。

花々が咲き揃い
原生花園が最も賑やかになる季節には
まだちょっとだけ早いかも……。

それでも、
数種類の可憐な花々は
すでに盛期を
迎えているに違いなかったのである。

そうそう、
そんな美しき花々を眺めていれば、
自然と心もリセットされるはず。

眠い目をこすってでも
木道を散策してみる価値は十分だろう。

結果的に見れば、
この場所に来て、大正解。

スケールの大きい
北オホーツクの大自然が、
僕の汚れた心を
キレイに洗い流してくれたのである。

まず、最初に見つけた花は
オオバタチツボスミレ?

株ごとに
紫色の濃さに違いがあって、
出没回数が多くても
決して飽きることがない
しっとりとした雰囲気の花であった。

続いての登場は、
ハマハタザオか?

派手さはないけれど、
これはこれでキレイ。

このような
海岸沿いの砂丘近くに
数多く咲いていたような……。

お次は、キジムシロ?
一瞬、ミヤマキンポウゲか、
とも思ったのだけれど、
やっぱりちょっと違うみたい……。

小さくても、
黄色い花って、
やっぱり存在感があるよなあ~。

これは、
湿地帯に群生するミツガシワ。

なんとも特徴的な
花の形をしているから、
素人の僕にも、
すぐにそれとわかる。

その他にも、
こんな花や……

あんな花……

さらに、
道北の湿原ではおなじみの
センダイハギも、
ずいぶんと
大きく蕾が膨らんでいた。

そして、
こんな湿性植物たちも……

派手さこそないものの、
どの種も
この地に本当にお似合いである。

そして、
満を持して登場したのが
ハクサンチドリ。

本当に美しい花で
いつ観ても
ついうっとり……。

良~く観察すると、
これがランの一種であることが
素人目にもよくわかる。

いや~、
こんな美しい花々が群生しているって、
なんて贅沢な環境なんだろうか。

よしよし、
これで心のリセットは完了!

決して派手な
観光スポットではないけれど、
このベニヤ原生花園は
いつ訪れても素敵な場所だと思う。

まあ、
こんな素晴らしい景色を
目の当たりにしたら、
心の悪魔だって
当然のように姿を消す。

コロナが収まった時には、
是非、多くの人に
この地を訪れてもらえたらいいな。

もちろん、
タバコのポイ捨てをするような輩は
絶対におことわりだけど……。

でも、いつも
このブログを見てくださっている方に、
そんな人はいないと信じているので、
皆さんは全員、ウェルカムである。

こうして、
日中のうちにメンタルを
正常化することに成功した僕は、
夕刻、再び湿原の川へと向かった。

そして、そこでは、
朝の嫌なイメージを
すべて払拭してくれるような
かけがいのない
ひとつの出逢いが待っていたのである。

(次回へ続く)

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