(前回からつづく)
この日最後に向かったのは
蘭越町を流れる小渓流。
ご多分に漏れず、
ここのオショロコマにも
瀬戸際感が漂っているだけれど、
他の2渓流に比べれば
ずいぶんとマシ。
そんな認識なのだが、
例年、最初の一尾に出逢うまでは
決して安心はできない。
そんなちょこっと
ヒリヒリする場所である。
ところが
ラッキーなことに、
この日はなぜか
オショロコマの魚影が妙に濃かった。
普段は、
「一尾キャッチできればOK」
という感じでしか釣りをしないのだが、
開始10分で
もうこんな感じに……。
人間に目には
かなり脆弱に見える環境も、
オショロコマはそれを味方につけて
たくましく生き続けている。
そう感じられたことが、
なんともうれしかったな。
基本、
この川のオショロコマも
一種独特な
アイデンティティーを持っている。
その中でも、
地味系、派手系と、
よく観れば、
一尾一尾、ビジュアルが
微妙に異なっているようにも思えた。
そこで今回は、
最も可憐な容姿をした
この個体にフォーカス。
うんうん、
やはりオショロコマは美しい。
この魚は、ずいぶんと
おとなしくしていてくれたので、
少し角度を変えながら
何カットか撮影させてもらった。
こんなカットとか……
こんなアップとか……
そうそう、
オショロコマは、
ただ眺めているだけで
心をキレイに浄化してくれる魚。
コロナ禍ですさみがちな
人間のメンタルを立て直すには
これ以上ないほど
ありがたい存在なのだ。
こうして
後志オショロコマ行脚は、
ミッションコンプリートに成功して
無事に終了。
相変わらず
首の皮一枚的な感じも否めないが、
無事にオショロコマたちが
いのちを繋いていてくれたことに
ひとまずは安堵した。
ちなみに
この地域に棲む
オショロコマと対峙するときは、
シングル・バーブレス・ワンフックと
自分なりにルールを決めている。
ただ、それくらいでは
制約が足りない感じもあるので、
ここ数年、エントリーは
年一回限りという縛りを設けている。
だから、
今年の後志オショロコマ行脚は
これが最初で最後。
さてさて、来週は、
どっちの方角を目指そうかな……。