狡猾な支笏湖ブラウン

今週の突撃はムリ……。

週の前半から
ずっとそう思っていた。

そう、
WBC自主休暇を
取得してしまった影響で
仕事がぜんぜん
間に合っていなかったのだ。

だから、
今週のノーエントリーは
ほぼほぼ覚悟は
していたのだけれど……。

ところが、
その覚悟を打ち消すように
爆弾低気圧が通過した金曜日は
朝から爆風が……。

なになにコレ、
頑張ってでも
湖に行けってこと!?

そうそう、
朝に2時間、
夜に2時間仕事を入れれば
時間はなんとかつくれる。

そうすれば
理想に近い風向きで
爆風が吹く時間帯を
概ね4時間は空けられるんだよね(笑)

……てなことで、
だいたいお昼に向け、
支笏湖へと車を走らせた。

まずは、
風の当たる南岸の国道を走り、
空いているポイントを
ひととおりチェック。

アングラーは
支笏トンネルよりも
奥に集中していて、
トンネルから美笛キャンプ場の
入り口までの間に
約15台の車が停まっている。

ん、ん、ん、
今日、平日だよね!?

自分のことを棚に上げ、
思わずそんなセリフを
つぶやいてしまうくらいの
まさしく大盛況ぶりであった。

ただ、
正直、自分の眼には、
トンネルから先がいいようには
あまり映らなかった。

確かにパッと見は
ザブンザブンと波が当たり
雰囲気が良さそうに見えるのだが、
ちょっとだけ
波の当たる角度が良くないのだ。

ということで、
一応の準備をして
アングラーの隙間が
開いているあたりの湖畔へ。

まずはウェーディングして
実際に波の圧を感じ、
次にルアーをキャストし
水の噛み方を確認してみる。

うん、
やっぱりちょっとズレてる……。

丹念に探れば
普通サイズは出るかもしれないが、
今日は絶対にココじゃない。
すぐにそう確信した。

ならば、
この場所への長居は無用。

そそくさと車に戻り、
通りがかりに
空いていることを確認していた
東側のポイントを目指すことにした。

入ったのは、
斜め前方から風が当たり
地形的にも変化のあるポイント。

いつもなら
そこそこの頻度で
アングラーが入っているのだが、
この日は、
首尾よく先客の姿はない。

湖畔に降りて
正面にそびえる恵庭岳に目を遣ると、
雪で景色がかすみ、
時折、風花がパーッと
舞うような状況であった。

波の当たり方は
かなり理想に近い感じで、
ほぼイメージどおり。

湖岸に思ったほどの
濁りは出ていなかったのだが、
身体に受ける波の圧は
ほぼ理想的だったかな……。

モォソモォソ……

モォソモォソ……

開始第一投、
ロッドを握る右手が
明らかな異変を捉えた。

だが、
ロッドに重みが
乗ることはない。

モォソモォソ……

モォソモォソ……

少し時間を置いて
もう一度キャストしてみると
再び同じような
違和感を感じ取ることはできた。

けれども、
やはりそこから
次のステップへは進まない。

う~ん、
サイズはわからないけど、
これは絶対に
ブラウンのバイト。

さて、
どうやったら
フッキングまで
持ち込めるのかしら???

しばし
頭を悩ませることに
なったのである。

そこから、
普段はやらない
ルアーローテーションを
試みてみることに。

それでも、
次のステップへとは
なかなか進まない。

いろいろと試してもみても
"モォソモォソ"か
無反応のどちらか。

いや~、
そろそろ引き出しが
少なくなってきたぞ……。

そこで、
取り出したのが
カルテラスの本多社長さんから
プレゼントしていただいたパラト。

他のルアーとは
一線を画す独自性が備わっている分、
なんとかブラウンの
目先を変えられないだろうか。
そう企んだのである。

そうそう、
ストレートでもフォークでも
スライダーでも打ち取れない打者に対し、
突如、相手のイメージにない
スローカーブを投げる……みたいな。

こうして臨んだ次の一投、
歓喜の瞬間が
ついに訪れたのであった。

モォソグォン……

瞬時に
思いっきりアワセを入れると
ロッドが大きく弧を描く。

ザブンザブンの波に
翻弄されつつ……とはなったが、
そこは慌てず騒がず。

だって、
口を使わせた時点で
自分の中ではほぼ満足なんだから。

でも、なんだかこの魚、
思っていたよりも
ずいぶんとデカいのかも……。

この後、
波打ち際で
何度かネットインを試みるも不発。

魚のサイズが
ネットと不釣り合いだったので、
仕方なく場所を選びつつ
そっと浅瀬に誘導することにした。

ありゃありゃ、
80cmに迫るサイズじゃない。

でも何?
このフッキングは……

明らかに針のないところを
ハモニカ喰いしていて、
たまたま運よく
フックがちょこんと
はしっこに掛かっただけ。

こんな
デカい口をしているくせに、
バイトの仕方が
なんとお上品なことでしょう。

いや~、
支笏湖の良型ブラウンって、
本当に狡猾だわー(笑)

波がザブンザブンなので
このままでは逃走必至と判断。

一度、魚にネットを添えて
数カット写真を撮らせてもらった。

このカットは
イイ感じだけど、
やっぱりネットから
顔がはみ出そう……(笑)

デカい胸ビレにも
フォーカスしたかったため、
別のアングルからも
一枚パシャリ。

まだスポーニングからの
回復途上という個体ではあったけど、
体力はだいぶ戻ってきていて、
遡上時の傷がだいぶ
癒えてきている感じだったのは
まあよかったかな。

ということで、
これ以上釣りを続ける意味はなく、
そそくさと退散。

何より、
"モォソモォソ"の正体を
突き止められたことが、
なによりもの
大きな収穫だったんじゃないかな。

うんうん、
ムリしてでも時間をつくった
甲斐はあったみたい。

ヨシ、
来週も必ず一回は
出陣するぞー!

スミマセン、
その前に
ちゃんと仕事は片付けます……(笑)

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