昨日、
2024年の釣りが
ようやく開幕した。
本来なら、
自主禁漁明けとなる3月1日に
支笏湖へエントリーする
つもりでいたのだけれど、
あいにくの悪天候により断念。
土日は、
週末にしか釣りに行けない
サラリーマンアングラーに
場所を譲るのが基本方針。
それゆえ
他のアングラーと干渉しないで済む
月曜日の昨日、
待ちに待った初釣りの日を
迎えることになったのである。
出発は、
午前中に急ぎの仕事をこなし
その後、ゆっくりと
昼ごはんを食べてから。
初釣りは
歩く区間を決めておいて、
湖の状況を
自ら確認することが主目的。
なので、
わざわざ朝早くから
出かける必要はないのだ。
もっと言えば、
釣果なんて
まったくの二の次。
……と言いたい
ところではあるが、
実際にはそうならないのが
変態釣り師の性というものだろう。
ひとたびフィールドに立てば、
鱒たちと真剣に
対峙することになるのは
最初からわかっていることだからね(笑)
この日の天候は、
晴れ時々吹雪。
基本は好天なんだけれど、
時折、雪雲が山を越え
一気に湖へと
流れ込んでくるような状況であった。
そんな概況だったので、
強めの季節風が
西から終始安定して
吹き続けているような感じ。
陽が差している分の
マイナスはあったが、
湖畔に立ってみた時の肌感覚として、
互角以上の勝負が成立するだろうという
感触を得たのは確かだったと思う。
そして答えは
想像以上に早いタイミングで出た。
まだ体も暖まっていない
わずか5投目のこと、
これまで大した
実績もなかったスポットで
2024年のファーストバイトは
不意に訪れたのである。
支笏湖の魚と
今年も無事つながることができたという
喜びをかみしめながら、
しばしお気楽ファイト。
姿を現したのは、
概ねアベレージサイズと言っていい
50cmちょっとの
ブラントラウトであった。
人間、いくつになっても
その年最初の
鱒との出逢いには
想像以上に心が動くものだ。
かつてその対象は
信州の渓に放たれ定着したイワナであり、
今は支笏湖で野生化した
ブラウンであることが多いのだけれど、
そのどちらも命ある鱒。
その立派な魚体を目にした瞬間、
とっても満たされた気持ちになるのは
トラウトアングラーとして
至って自然なことなのではないだろうか。
目指すべき姿を明確にして行う
生物多様性の議論には、
私たちトラウトアングラーも
真正面から向き合わないとダメだし、
むしろそうあるべきだとも思っている。
だから、
支笏湖のブラウンにまつわる
生産性のある議論なら
大いに歓迎だ。
その一方で、
駆除だけが目的と化した
一種の"ヘイトスピーチ"に
あえてお付き合いすべき
理由を探すのはとても難しい。
駆除したら
どんな未来が待っていて
駆除しなかったら
どんな未来が待っているのか、、、
そのビジョンなしに
駆除の是非だけを
喧々諤々議論することに
はたしてどんな意味があるんだろう……
あっ、
また余計なことを
言っちゃったかな。。
閑話休題、
今年のファーストフィッシュを
そっとリリースし、
釣り歩きを再開。
いつもなら
一尾釣って終了となる
午後の支笏湖散歩ではあるが、
この日に限っては
「湖のコンディションを確認する」
という別の目的が、、、
そのため、この後
仮にノーバイトであったとしても、
はたまた想定外の連発になったとしても、
目標の場所まで
ただひたすらに歩き続ける。
そんなミッションを達成すべく、
狙いを定めたスポットに
ポンポンとテンポよく
ルアーを撃ち込んでいった。
釣り再開から
およそ20分後、
明らかに先ほどの
アベレージフィッシュとは
異なる強烈なバイトが。
ただ、
すでに魚のファイトを一回体験し
リハビリが無事に完了していたことは
私にとって幸運だったと思う。
心とカラダの
準備が整っているだけに、
ドラグがジージーと
けたたましく逆転音を立てようが、
波立つ湖面で
魚が激しくジャンプしようが
特に動揺することもない。
慌てず騒がず、
つつがなく
ネットインまで
持ち込むことができた。
この日の2尾目は、
個人的には好みと言える
ビカビカの
回遊系ブラウン。
長さは70cmに迫り、
胴体もまるで丸太棒のような
マッチョ体型をしているのだが、
なぜか表情は幼く、
顔だけを見たら
アベレージサイズと見まがうくらいの
いわゆる「童顔さん」であった。
ぶっちゃけこの日は、
クオリティフィッシュを狙って
このスポットに
入ったわけではなかった。
だから、
狙いすまして
キャッチした一尾だなんて
とても言えない。
けれども、
アフタースポーンの個体を
避けた狙いをしているからこそ、
このクオリティフィッシュに
出逢えたのだという点に関しては、
少しだけ胸を張って
いいのかもしれないな……
この日2尾目となる
ブラウンをリリースし、
ラインとフックを
入念にチェックしてから
おもむろに釣りを再開。
正直、
「魚を釣る」という
部分に関してだけ言えば、
もうすでにお腹いっぱい。
だがここで引き返してしまったら、
あえなくミッションインコンプリート
に終わってしまうので、
意を決しひたすら前進するのみ。
すると、
こういう時に限って
その後もバイトが継続して
訪れるのであった。
(次回に続く)