初冬の激流

ハイクオリティな
ニジマスとの出逢いに気を良くし、
昼を挟んで向かったのは
荒々しい渓相が連続する
山岳系フィールド。

そうは言っても、
「エンジン止めたら5分でキャスト」
を信条とする私なので、
山奥の渓に一人で分け入って……
ということではもちろんない(笑)

この日、
水量、水色とも申し分なく、
フィールドコンディションは
抜群に映った。

けれども、
最初に刺さった大場所では
まさかの不発。

見た目の印象と
魚たちからの反応が
うまいことシンクロしてくれれば
理想なのだが、、、

まあまあ
簡単にそうならないところが
鱒釣りならではの
面白さでもあるのだけれどね(笑)

その後もしばし、
沈黙の時間が続くことに。

あれっ!?
このフィールド、
なんだか今年は
魚影が薄いなあ~

川歩きの疲れが
メンタルに悪影響を及ぼし、
ついそんなネガティブなことを
思い始めた刹那……

ガツン!

おおー、
いるところにはいるじゃないか。

???

釣り人あるある、
なんともげんきんな話だ。

勝手知ったる
フィールドを信じ切れないなんて、
こりゃダメダメだな(苦笑)

サイズ感としては、
いわゆるLサイズ相当。

午前中の魚と比べても
似たり寄ったりと
言ったところだろうか。

ただし、
クオリティの部分では
はっきり
見劣りする印象ではあった。

もちろんヒレはピンピンだし、
この個体なりに
コンディションは絶好だったと思うけど、
高いレベルで言えば
肌艶のところが
ややもの足りないな、と。

まあまあ、
ネイティブトラウトに対してなら
こんな戯言を吐きはしないのだが、
特にワイルドトラウトは
クオリティが命。

単に大きさだけを
追求するのなら、
管理釣り場でだって
大型のニジマスは釣れるわけだし……

こんなことを言うと
一部の人に怒られそう。

それは
重々承知している。

けれども、
北海道のフィールドに身を置く以上、
やっぱりそこの部分には
なんとしてもこだわりたいのだ。

そうそう、
「大きさ」や「数」だけに
こだわるのなら、
ぶっちゃけ
管理釣り場でもC&Rでも
手軽にミッションコンプリート
できちゃうのだから。

ここ北海道で言うなら、
とりあえず
阿寒川C&R区間にでも行っておけば、
大きなニジマスを
たくさん釣るチャンスが
誰にでもあるわけだしね。

念のため
誤解なきよう言い添えておくと、
管理釣り場やC&Rの釣りには
別の意味での面白さや奥深さがある。

そのことについては、
過去の経験を踏まえつつ
自分なりに相当程度
理解しているつもりだ。

だから、
自然渓流における釣りのほうが
それらと比べて格式が高いなんて
まったくもって思わない。

その一方で、
鱒の「質」にこだわる
釣りが成立するのは、
一部の渓や湖に限定される。

このことは、
アングラーなら誰もが知る
客観的事実。

せっかく恵まれた今の環境に
身を置いているのなら、
とことん「質」にこだわる釣りを
やり抜きたい。
単にそれだけなのだ。

一応の
結果が出た中で、
これ以上深追いする理由は
もう見当たらない。

よって、
この日の
プライベートフィッシングは
これにて終了。

そこそこの時間
フィールドに立ち続け、
出逢えた鱒は
たったの2尾だけだったけれど、
メンタルエネルギー補給活動としては
うまく行ったほうだろう。

うんうん、
素晴らしきフィールドが
身近に存在することに、
心から感謝!

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