翌日は、
めずらしく
早朝からのスタートとなった。
なんとコレ、
2024年最初で最後の
朝マズメフィッシング。
性懲りもなく
ジジとババが
朝から湖に出かけたのは、
この見事な景色を
拝むためにほかならない。
そうそう、
魚の活性が高い
時間帯なのは間違いないけれど、
その理由だけで
朝早くから行動を起こす
気にならないのが今の自分。
でも、
この絶景を拝めるなら……
若い頃からなんとなく
想像はできていたけれど、
人間の価値観というものは
歳を重ねるごとに
少しずつ変化していくものらしい。
でもね、
若いアングラーの方は
誰になんて言われようと
大きな魚を狙って
朝からガツガツ釣りをすればいいのよ。
たまに
「大人の釣り」を気取った
自称エキスパートアングラーが、
胆力ある若いアングラーを
ディスるシーンをよく見かけるけれど、
あれってマジ格好悪いからね。
絶対、ああは
ならないようにと、
常に自問自答を
繰り返す日々。
そうそう、
強く意識しておかないと
私たちのようなオッサンアングラーは
気づかぬうちに
口うるさい小姑みたいに
なっていることがあるからさ(苦笑)
そんでもって
この日のファーストヒットは、
カミさんのほうに。
サイズは
アベレージにも及ばなかったが、
ベイトを飽食した
デブアメマスであった。
冬の屈斜路湖では、
アフターの痩せた
個体が多いアメマスだけど、
この個体は実にいい感じ。
たとえメインターゲットを
外来種に譲っても、
在来種がこうやって
健全な姿を保っているというのは
実に清々しくもあるしね。
その後、
カミさんが
良型のアメマスを足元でバラシ、、、
私のほうは
ショートバイトを拾い切れず
思わず天を仰ぐシーンが
続くこととなった。
そうこうしているうちに、
この日、3組目となるアングラーが
湖畔に姿を現したと思ったら、
無言のままカミさんの3mの横へ。
そしていきなり、
インジケーターを付けたフライを
カミさんのキャスト方向に
思いっきり被せてきたのだ。
誤解を恐れず言えば、
これが屈斜路湖という
フィールドにおける
一種の闇みたいなものだろうか。
昔から繰り返されてきた光景だから
今さら驚きもしないが、
これさえなければ
本当に素晴らしいフィールドなのになと
いつも思ってしまう。
こういう時、
私たちの選択は
何も言わず
すぐにその場を離れるのみ。
しょうもない輩に
成功体験を与えるだけ
という意見もあるだろうが、
楽しいはずの釣りを
気持ちよく続けられなくなった以上、
その場を離れる以外の
選択肢がないというのが
正直なところだろうか。
こうして、
2日目午前の釣りは
あえなく
強制終了となってしまった。
ただ、
あれこれと
文句を言ったところで
相手を変えることはできない。
あとは、
午後の時間に向け
メンタルを立て直し
しっかりと準備するだけ。
せっかくの釣り納めなんだし、
釣果はともかく
清らかな気持ちで
最後を締めくくることができれば、
それ以上を望む
必要はないんだよな……
(次回へと続く)