鱒の顔が見たい!

鱒の顔が見たい!

およそ3週間ほど
"お預け"状態だった僕にとって、
これが今の切実な願い。

週中、仕事上の
簡単なミッションとセットにして、
いざ、道北へと向かった。

久しぶりに
少し時間を取れたこともあって、
今回は2泊3日の行程。

そのうち1日相当分の時間を
ちゃんと仕事に充てるとしても
残りの時間はじっくりと釣りができる。

向かった地域を考えれば、
ターゲットはイトウしかない。

この秋、
初めてのイトウ狙いということもあり、
まずは一尾に出逢うことを優先して
エントリーするポイントを絞り込んだ。

このところの天塩川は、
基本的に渇水傾向。

ただ、上流の岩尾内ダムが
定期的に放水を繰り返していたこともあり、
一日の中でも
水位の増減があるような状況であった。

その分、
水の動きがまったくないよりは
よっぽどマシ。

水の色も悪くないし、
「小さいヤツ一尾くらいならなんとか」
という程度の感触は
すぐに掴むことができた。

ところが、
最初にエントリーしたポイントで
いきなり強烈な
先制パンチを浴びてしまうことになる。

そう、コイツだ!

足跡のついた場所を見る限り、
前日の夕方は、
まだ水が流れていたはずのところ。

ということは・・・

う~ん、恐ろしい!!!

あの~、ボクはですね、、、
鱒の顔を見にここに来たのであって、
クマさんの顔を
見に来たわけじゃないのですぞ(笑)

結局、最初のポイントでは、
メンタル的なビビリーもあって不発。

今度は、比較的クマさんのリスクが
低そうな場所へと向かうことを決めた。

そしてエントリーしたのが
この日2カ所目のポイント。

本当は、もう少し水位が下がってから
狙いたいポイントなんだけれど、
まあ、そんな贅沢は言っていられない。

だって、やっぱり
クマさんとの遭遇だけは避けたいからね。

エントリーしてしばらくは
水深のあるトロ瀬を中心に攻めてみるも
魚からの反応はなし。

季節は、まだ9月。
もしかすると、
活性の高いイトウは
瀬に入っているかもしれない。

そんな仮説に立って、
今度は白泡の立つ
瀬頭をポンポンと攻めてみることにした。

すると・・・

ゴン!

チョイと控えめながら、
イトウと確信できるアタリをとらえた。

ブン、ブン、ブン

概ねアベレージサイズのイトウが
流れの中で小刻みに首を振っている。

まあ、鱒の顔が見たいんだから
このサイズでも
やりとりが慎重になるのは当然のこと。

太くて重い天塩川の流れから魚をはがし、
緩流帯へと誘導。

サイズはひと息でも
この秋、初のイトウを
無事、キャッチすることに成功した。

この魚、岩盤が絡む場所の
近くでヒットしたこともあってか、
やや黄色味を帯びた色彩を纏っている。

サイズは、
だいたい60cmちょっと。
まだまだ"おこちゃま"だからか、
こちらを睨みつける眼光に鋭さはない。

それでも、
この何となくブサイクな表情を見ると
今、やっぱり北海道で
釣りをしているんだなという
リアルな感覚を取り戻すことができる。

今日のところはサイズじゃないし、
コンディションでもない。
鱒の顔が見れただけで、
もう十二分に満足なのだ。

体力の回復を図るため、
魚をフリーの状態にして
しばらく浅瀬で泳がせておく。

う~ん、
こんな自然な雰囲気で
イトウを眺めるのも
なかなか悪くはないよな~。

結局、数分間は
同じ場所でじっとしていたけれど、
急にスイッチが入ったように
ものすごいスピードで脱走!

あれっ、イトウって
こんなに速いスピードで
泳げたんだっけ!?

もう、この一尾で満足。

天塩川での釣りを終了し、
翌日の仕事のことを考えて
あらかじめ予約していた
稚内のホテルへと向かうことにした。

ところが、、、

車で稚内のまちに近づいた時、
時計の針は、
だいたい16時半を指していた。

小雨は降っているが、
まだ、空も十分に明るい。

おっ、もしかして
声問川なら30分くらいできるかも・・・

そんな邪念が
僕の心を支配するのに
そう時間は
かからなかったのである。

次回につづく)

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