2023 釣り納め DAY1

2023年を振り返ってみると、
「釣りびと万歳」の取材を筆頭に
今までにはなかった
たくさんの新しい体験を
コツコツと自分史に
積み上げることができたと思う。

その体験を
経験化できるかどうかは、
あくまでも自分次第。

2024年は
さらに新たな挑戦を模索しつつ、
2023年に体験したことを
未来に生かせる形へと
着実に育てていきたい。

今、そう意気込んでいる。

ただし、
本当にできるかどうかは
ぶっちゃけわからない。

けれども、
やる気だけでも
ないよりはよっぽどマシ。

フィジカルパフォーマンスが
下がってきたオッサンには、
それくらいゆるやかな
力の入れ具合がちょうどいい。
そう思っている。

さもないと、
昔と同じようには
「できなくなった」自分を
どんどんと
肯定できなくなっちゃうから。

さて、2023年釣り納め、
初日は例年どおり
鶴居村でタンチョウの姿を
拝むところからのスタートとなった。

ここ北海道に
移住してからというもの、
タンチョウ見物が
年末の恒例行事みたいなもの。

だから、
雪原で佇むたくさんの
タンチョウたちの姿を見ると、
「ああ、今年も終わるんだな」と。

メリハリを欠いたオッサンの日常に
区切りをつけるという意味では、
これも大事な
イベントのひとつなのかもしれない。

快晴、無風。
この日は、
タンチョウ見物には
絶好の日和だったと思う。

けれども、
いざ湖で釣りをするとなれば、
それはまさに最悪の
コンディションであることを意味する。

もちろん、
鶴居と屈斜路湖畔では
冬の天候は
ずいぶんと異なるもの。

だが、この日に関しては、
眼前に広がる湖面に目を遣ると
予想どおりの静寂が
屈斜路の森全体を
ひっそりと包み込んでいた。

あちゃ~、
これは今年も厳しい状況だな……

穏やかな
湖面の様子に
すぐにそう悟ったのは
もちろん言うまでもない。

けれでも、
これは単に
事前の天気予報が
当たっただけのこと。

こうなるだろうと
あらかじめ覚悟はできていたので、
特段の動揺とかは
なかったんじゃないかな……

コツコツ

予想に反し、
ロッドを握る右手が
かすかな異変を捉えたのは、
釣りをはじめて
およそ30分が経過した
頃のことであった。

でも、
明らかに
ファイトの様子がおかしい。

全然引かないし、
かといって
アメマスっぽいトルクも
一切感じられないのだ。

何?この魚……
もしかして
この時季にまさか
「ウ」じゃないよね???

結果的に
その「まさか」ではなかったのだが、
なんと違う「まさか」が
待っていたのには本当に驚いた。

え~、
もう年末でしょ。
なんで、
ヒメマスが喰ってくるのよーーー

年末の屈斜路湖に通い始めて
もう20年近くになるけれども、
この時季に
ヒメマスがヒットしたのは
これが初めてのこと。

今年の北海道は
記録的な猛暑だったせいで、
水温が例年よりも
高く推移していることが
影響しているのかも……。

う~ん、
それにしても
ルアーにバイトしてくるとは
本当に驚いた。

産卵を終えて
弱り切った個体を
浅瀬で見かけることはあっても、
沖のブレイクで
大型のルアーに
ガッツリとバイトしてくるなんて……

まあ、
一般的な感覚で言えば、
何も釣れないよりは
よっぽどいいのかもしれない。

でも、
大人の事情で
阿寒湖から移入されたヒメマスを
この湖で積極的に狙うことは
普段からやらないわけだし、
ましてやこの時季に
外道としてヒットさせてしまうとは……

ぶっちゃけ、
うれしいという感情はなく、
魚に申し訳ないという気持ちしか
湧いて来なかったかな。

別にこの湖で
ヒメマスを釣っちゃいけないとか
そういうことじゃ
ないんだけどね。

偏屈な自分にしかわからない
独特な感情。

話し始めたら
止まらなくなりそうだから、
ここでは
そうとしか説明できないな……。

そんなこんな、
年末のこの時季に
ヒメマスがヒットしてくるという
異常事態に遭遇することになったので、
ここで移動を決断。

期待値は低いものの、
一発の可能性を秘めた
不人気ポイントへと
一路、車を走らせることにした。

ポイントに到着すると、
さすがに普段から
不人気ポイントだけのことはあって、
そこに先行者の姿はなかった。

魚が岸寄りしていれば、
ワンチャンスあるかも……。

そんなかすかな期待を胸に、
穏やかな湖面に向け、
ルアーをキャストしてみる。

すると……

この湖の
メインターゲットではないものの、
抜群のコンディションを誇る
アメマスがヒット。

年末のアメマスと言えば、
ほっそりとした
回復系の個体が主になるのだが、
この魚はでっぷりとしていて
まるで早春に釣れる
屈斜路アメマスという
印象の個体であった。

風もなく穏やか。
かなり厳しい
フィールドコンディションの中で
キャッチした一尾。

この状況の中では、
これ以上を望んじゃいけないと
自ら諭すまでもなく、
なんともほっこりとした
気持ちにさせてくれた
美しきアメマスだったんじゃないかな。

初日の釣りは、
これにて終了。

ひとまず
アブラビレを拝めたことで、
正直、ホッとひと安心
といったところだっただろうか。

予報どおりならば、
翌朝の湖は
快晴無風らしい。

ということは、
朝マヅメも苦戦濃厚。

こりゃあ、
今年もニジマスに
コンタクトできないまま
終了となる公算が高そうだ。

この時はまだ、
ただただ悲観的な
予測しかなかったのだが、、、

(次回へ続く)

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