かつて、
私はこの「茂田井」の地を
何度も何度もニアミスしていた。
当時、開通したばかりの
上信越道佐久ICを降り、
岩村田市街を抜けR142号に出たら、
あとは、一路、依田川へと向かう。
これが、今から20数年前、
急にイワナの顔が見たくなった時の
私のファーストチョイス。
だから、夜明け前の
R142号線を走っている時、
案内板か信号機の名前かは定かでないが、
「茂田井」という文字を
毎回見ていた記憶だけは残っている。
けれど、そこは
鹿曲川が流れる望月の町を過ぎ、
あとひと山だけ超えれば
いよいよ依田川に到着という
まさに佳境ともいえる場所。
そこに魅力的な流れが
あるわけでもなかったから、
当時の私は、当然のごとく、
この地をスルーしていたのだった。
あれから、
20年以上が過ぎたある日のこと、
ふとしたきっかけで
「茂田井」が旧中山道の
宿場町であったことを知ったのでした。
ただ、
「茂田井宿に行ってみたい!」
みたいな感情が湧き上がったかと言えば、
決してそんなこともなく・・・
“ちょうど佐久地方に
出張の予定が入ったから、
仕事の合間に、
ちょっとだけ寄り道してみようかな”
そんな軽い気持ちで
立ち寄っただけだったのですよね。
ところが・・・
実際に足を運んでみると、
茂田井宿は、
本当に本当に素敵なところでしたね。
もちろん、
うんちくなんて語れないけど、
ただただ純粋に
素敵な茂田井宿の街並みを
写真で紹介してみようと思います。
地元の方に教えていただいた
駐車場にレンタカーを停め、
おもむろに歩を進めると
ちょうど目の前に建つのが諏訪神社。
呼び名はよくわからないけれど、
何とも素敵な木造建築が
格子の奥に隠されていました。
ここには、
道祖神も並んでいますね。
諏訪神社を出て、
時計回りに散策を開始。
ちょうど雨上がりの
タイミングだったこともあり、
佐久盆地には
プチ雲海がかかっています。
少し歩くと、
山側に情緒ある景色が・・・
ロマンを感じさせてくれる
素敵な情景でしたね。
さらに少し歩くと、
茂田井宿の西の端に出ました。
そこには、
茂田井宿の解説や・・・
こんな立派な案内図が
設置されています。
そうそう、
「茂田井」は正式な宿場町ではなく、
宿場と宿場の間にある
休憩所みたいな場所だったようです。
だから、
「茂田井間の宿」なのだそう。
私には常識なんかじゃないけど、
ちゃんと歴史を勉強した人なら
みんなフツウに知ってることなのかな?
さてさて、
ここからが、旧中山道。
狭い道を数百メートルほど下ると、
一里塚跡が現れました。
この先、
茂田井の街並みは
ドンドンと雰囲気を増していきます。
旧中山道を
さらに進んだところにあるのが、
この石割坂。
下から見ると、
かなりの急こう配であることが
よくわかります。
今度は、石割坂の途中から
眼下に目を落としてみると、
こんな景色が・・・
なんとも趣きのある
見事な日本の原風景ですね。
ここから先は、
さらに印象的な建物が並んでいます。
伝統的なかわらが並ぶ
古式ゆかしき雰囲気・・・
こちらは、
質感豊かな土壁・・・
さらには、
印象的なかわら屋根の家も・・・
こっちは、蔵の趣があって
うん、イイ・・・
うんちくは語れないけど、
ただただ美しい・・・。
さらに進むと、
あんどん型の道しるべがありました。
となりには、
キレイに清掃が行き届いた
トイレも整備されていましたね。
日々、よそ者がズケズケと
日常に入り込んでくるのだから、
当然、地元の方々にも
思うところはあるはず。
それでも、こうやって
旅人をさりげなく
もてなしてくれるところには、
もう感謝の気持ちしかありません。
今度は、ちょっと
小路に入り込んでみると・・・
路地裏にも
心洗われる風景がありました。
この界隈には、
商店の名残も多く・・・
こんな、
地域色豊かな看板も残っています。
さてさて、ここから先、
「茂田井」でネット検索すると
しばしば見かける景色が続きます。
こんな情景や・・・
あんな情景も・・・
最後に、
素敵なかわら屋根を
目に焼き付けて・・・
ココを最後に、
茂田井宿をあとにしました。
茂田井宿、
いやはや最高でした!
今回は、仕事の合間だったから
ゆっくりできず・・・
今度は、プライベート旅行で
ゆっくりと街を散策してみたいと思います。
ところで、茂田井には、
2軒の酒蔵があるんですよね。
そのうちの1軒、
大澤酒造さんには
もちろん、お邪魔しました。
本当に素敵な酒蔵だったので、
次号でその雰囲気を
報告したいと思います。